26 / 149
第一章 輪廻の滝で
25:罪深い(2)
しおりを挟む
あの日のアイシャは全てがどうでも良くなった。
勝手に叔父夫妻に自分を押し付け、会いたいと手紙を出しても素気無くあしらわれ、けれどベアトリーチェが姉に会いたいと言えば当たり前のように子爵家を訪れる両親。
そして、自分が優遇されている陰でいろんなことを我慢している姉の苦労など知らず、当たり前のように姉からの愛情と優しさを求めてくるベアトリーチェ。
人の気持ちも考えられないような人たちの気持ちを、何故自分だけは考えてあげなければならないのか。そんな思いがアイシャの心を黒く染め上げた。だから言ってしまったのだ。
『ベアトリーチェなんか大嫌い』と。
子爵領の気候が合わず、数日前から急に高熱を出して寝込んでいたベアトリーチェに向かって、アイシャは彼女が一番傷つく言葉を言った。
姉が大好きなベアトリーチェは当然のごとく泣き喚き、両親は激怒してアイシャの頬を叩いた。なんてひどい子なのかと叱責した。
アイシャは打たれて腫れた頬を押さえながら、唇を噛み締めた。
たしかに、高熱で寝込む妹に言って良い言葉ではなかった。それはアイシャも理解していた。けれど、どうしても気持ちが抑えきれなかった。ずっと我慢してきた自分の気持ちもわかって欲しかった。
だってベアトリーチェが熱を出さなければ、今頃アイシャは母に淑女教育の成果を披露しているはずだった。そして「すごいね」と「よく頑張ったね」と褒めてもらえるはずだったのだ。
それなのに、両親は子爵家に来てからずっとアイシャの方を見ていない。ただの一度もだ。
せっかく久しぶりに会えたのに、父は薬草が足りぬと聞き、自らそれを探して領地を駆け回り、母はベアトリーチェの側を離れず看病している。
ああ、なんで惨めなのだろう。
『もういい!お父様もお母様も大嫌い!』
気づいたらアイシャは走り出していた。
もちろん、両親は追いかけてこない。それどころか、アイシャの後を追いかけようとしていた子爵家の使用人たちを引き止めた。
放っておけ、と。
父が使用人たちにそう叫んでいる声を聞いた時、アイシャの中で何かが音を立てて崩れ落ちた。
アイシャは近くを通った辻馬車に飛び乗り、そこから一度も降りず、気づいたらエレノア子爵領の最果てにある村まで来ていた。
『お嬢さん、この馬車はここまでしか行かないよ?どうするんだい?』
御者のおじさんは覇気のない目をしたアイシャが心配になったのか、彼女と目線を合わせてそう話しかけた。
アイシャは咄嗟に笑顔を取り繕い、『この村に親戚がいるの。そこに行くつもりなの』と返した。
明らかに身なりの良い少女が、こんな寂れた村に用事などあるはずがない。御者のおじさんは怪訝な顔をした。
『お嬢さん。ここはあまり治安が良くない。良ければその親戚の家まで送ろうか?』
『お気遣いありがとう。でも大丈夫。近くに私を追ってきた従者がいるはずだから。心配しないで』
一人で辻馬車に乗ってみたかったのだと、明らかに嘘とわかる嘘をつき、アイシャはおじさんに運賃より多めのお金を渡した。
それはこれ以上聞いてくるなという意思表示だった。
御者のおじさんは何か言いたそうにしていたが、アイシャは無視して馬車を降りた。
『気をつけてね、お嬢様さん……』
所詮は商売。お客の都合に首を突っ込みすぎるのも良くない。御者のおじさんはそれ以上何も言わなかった。
その後、アイシャはフラフラとした足取りで、吸い込まれるように村の外れにある山道を歩いた。
歩きにくいヒールの靴で、申し訳程度に舗装された道を何となく進む。時々聞こえる鳥の鳴き声はどこか不気味で、日が暮れるにつれて低くなる気温と立ち込める霧は、今いる場所があの世であるかのように錯覚させた。
たまに脳裏をよぎる叔父叔母の顔が進む足を止めようとするが、振り返るのが怖くてアイシャは引き返さなかった。
その先にあるものが何なのか、何となく理解していたがもうどうでもよかった。先に進んで一瞬の苦痛と恐怖を味合うのも、引き返して永遠にも思える苦しみを味わうのも同じだと思っていたから。
『わぁ……』
暫く歩いて、視界が開けた先にあったのは壮大な滝だった。
神秘的だけど、どこか悲しい雰囲気のある滝。
アイシャはその近くにある木の影で足を止めた。何故だか、足がすくんでしまい動けない。前に進む勇気も引き返す勇気も湧いてこない。
アイシャはどうすれば良いかわからず、硬直した。
すると、滝の方を眺めていた先客の青年が振り返った。
『君も死ににきたのか?』
15歳前後に見える青年は、怪訝な顔をしてそう尋ねてきた。
君もということは、彼もそうなのだろう。
アイシャにはこの質問に答える義理などないが、自然と口から言葉が漏れていた。
両親が自分を見てくれないこと。それに絶望していること。死にたいとは思うけれど、叔父叔母の顔がチラついて足がすくんでしまうこと。
そんな話をした。
それを聞いていた青年の顔はみるみる怖くなった。そして苛立ったようにアイシャを叱責した。何を言われたのかはよく覚えていないが、ひとつだけ覚えている言葉がある。
『愛が平等に分け与えられていないだけで、君はちゃんと愛されている』
その言葉はアイシャにとって衝撃的なものだった。使用人も叔父夫婦も、誰も彼もが明言を避けていたその言葉はアイシャが最も欲しかった言葉だからだ。
それは両親の愛を信じたいけれど信じきれなくなってしまった彼女が、もう一度彼らの前に立つには必要不可欠な言葉だった。
彼の言葉で心が少し軽くなり、息苦しくなくなった。
『愛されているのなら、もう少し頑張れそうです。きっと妹にもまた、優しくできるわ。だから、ありがとう』
アイシャはお礼を言った。青年は彼女からの感謝の言葉にどう返して良いのかわからないらしく、顔を背けたが、小さく『それは良かった』と返してくれた。
彼自身、こんな場所でお礼を言われるなんて思ってもいなかったのだろう。
そこからは彼がこの場所に来た経緯や、彼が住んでいるというヴィルヘルムの町について話した。
話を聞いたアイシャは自分を恥じた。貴族として生まれ、こんなにも恵まれた環境にいながら、一瞬でも死にたいと思ってしまった自分が恥ずかしい。
彼や彼の周りの人達は恵まれているとは言えない環境下でも、手を取り合いながら前を向いて立派に生きているというのに。
だから、欲しかった言葉をくれた彼に恩返しがしたくて約束した。
ヴィルヘルムの町をどうにかすると。
もちろん、アイシャ一人でどうにかできるわけではないが、叔父の力を借りて彼の住む町を良くすると心に決めた。
『指切りをしておられましたが、何を約束したのです?』
山を降り、青年の父を埋葬したアイシャは叔父に命じられて自分を探しに来た子爵家の騎士にそう聞かれた。
アイシャは少し考えた後、口元で人差し指を立て『秘密』と返した。
『彼との約束は自分だけのものだから、大切に胸の中にしまっておきたいの。ごめんね?』
そう言ったアイシャは悪戯っ子のように舌を出して笑った。
屋敷を飛び出した時とは違い、どこか吹っ切れた様子の彼女に騎士は安堵の表情を浮かべ、それ以上は聞かなかった。
その後、屋敷に帰ったアイシャは叔父夫婦に抱きしめられた。そしてアイシャを置いて家を開けたことを何度も謝罪された。
なぜ二人が謝るのか分からなかったが、アイシャは二人に心配をかけたことを謝った。
そして、叔父夫婦の後ろで帰ってきたアイシャを出迎えた両親にも頭を下げた。わがままを言ってごめんなさい、と。
すると、母からキツく抱きしめてもらえた。父には頭を撫でてもらえた。
きっと騎士から輪廻の滝まで行ったことを聞いたのだろう。アイシャが生きていたことを嬉しく思うと言ってくれた。
本当に久しぶりの、両親の温もりだった。
『アイシャのバカ。心配したのよ』
『無事で良かった、アイシャ』
『ねえ、お父様、お母様……。私のこと好き?愛してる?』
『まあ!何を言うかと思えば、おかしな子ね』
『お母様、答えてください。愛していますか?』
『当たり前じゃないの。愛しているわ!』
『私も、愛しているよ。アイシャ』
涙ぐみながらそう言ってくれた両親にアイシャは目を丸くした。
こんな風に抱きしめてもらったのはいつぶりだろう。『愛している』だなんて、初めて聞いた気がする。
あの青年が言っていたことは本当だったと思った。
私は愛されている。
アイシャはそう確信できた。
それなのに…………
勝手に叔父夫妻に自分を押し付け、会いたいと手紙を出しても素気無くあしらわれ、けれどベアトリーチェが姉に会いたいと言えば当たり前のように子爵家を訪れる両親。
そして、自分が優遇されている陰でいろんなことを我慢している姉の苦労など知らず、当たり前のように姉からの愛情と優しさを求めてくるベアトリーチェ。
人の気持ちも考えられないような人たちの気持ちを、何故自分だけは考えてあげなければならないのか。そんな思いがアイシャの心を黒く染め上げた。だから言ってしまったのだ。
『ベアトリーチェなんか大嫌い』と。
子爵領の気候が合わず、数日前から急に高熱を出して寝込んでいたベアトリーチェに向かって、アイシャは彼女が一番傷つく言葉を言った。
姉が大好きなベアトリーチェは当然のごとく泣き喚き、両親は激怒してアイシャの頬を叩いた。なんてひどい子なのかと叱責した。
アイシャは打たれて腫れた頬を押さえながら、唇を噛み締めた。
たしかに、高熱で寝込む妹に言って良い言葉ではなかった。それはアイシャも理解していた。けれど、どうしても気持ちが抑えきれなかった。ずっと我慢してきた自分の気持ちもわかって欲しかった。
だってベアトリーチェが熱を出さなければ、今頃アイシャは母に淑女教育の成果を披露しているはずだった。そして「すごいね」と「よく頑張ったね」と褒めてもらえるはずだったのだ。
それなのに、両親は子爵家に来てからずっとアイシャの方を見ていない。ただの一度もだ。
せっかく久しぶりに会えたのに、父は薬草が足りぬと聞き、自らそれを探して領地を駆け回り、母はベアトリーチェの側を離れず看病している。
ああ、なんで惨めなのだろう。
『もういい!お父様もお母様も大嫌い!』
気づいたらアイシャは走り出していた。
もちろん、両親は追いかけてこない。それどころか、アイシャの後を追いかけようとしていた子爵家の使用人たちを引き止めた。
放っておけ、と。
父が使用人たちにそう叫んでいる声を聞いた時、アイシャの中で何かが音を立てて崩れ落ちた。
アイシャは近くを通った辻馬車に飛び乗り、そこから一度も降りず、気づいたらエレノア子爵領の最果てにある村まで来ていた。
『お嬢さん、この馬車はここまでしか行かないよ?どうするんだい?』
御者のおじさんは覇気のない目をしたアイシャが心配になったのか、彼女と目線を合わせてそう話しかけた。
アイシャは咄嗟に笑顔を取り繕い、『この村に親戚がいるの。そこに行くつもりなの』と返した。
明らかに身なりの良い少女が、こんな寂れた村に用事などあるはずがない。御者のおじさんは怪訝な顔をした。
『お嬢さん。ここはあまり治安が良くない。良ければその親戚の家まで送ろうか?』
『お気遣いありがとう。でも大丈夫。近くに私を追ってきた従者がいるはずだから。心配しないで』
一人で辻馬車に乗ってみたかったのだと、明らかに嘘とわかる嘘をつき、アイシャはおじさんに運賃より多めのお金を渡した。
それはこれ以上聞いてくるなという意思表示だった。
御者のおじさんは何か言いたそうにしていたが、アイシャは無視して馬車を降りた。
『気をつけてね、お嬢様さん……』
所詮は商売。お客の都合に首を突っ込みすぎるのも良くない。御者のおじさんはそれ以上何も言わなかった。
その後、アイシャはフラフラとした足取りで、吸い込まれるように村の外れにある山道を歩いた。
歩きにくいヒールの靴で、申し訳程度に舗装された道を何となく進む。時々聞こえる鳥の鳴き声はどこか不気味で、日が暮れるにつれて低くなる気温と立ち込める霧は、今いる場所があの世であるかのように錯覚させた。
たまに脳裏をよぎる叔父叔母の顔が進む足を止めようとするが、振り返るのが怖くてアイシャは引き返さなかった。
その先にあるものが何なのか、何となく理解していたがもうどうでもよかった。先に進んで一瞬の苦痛と恐怖を味合うのも、引き返して永遠にも思える苦しみを味わうのも同じだと思っていたから。
『わぁ……』
暫く歩いて、視界が開けた先にあったのは壮大な滝だった。
神秘的だけど、どこか悲しい雰囲気のある滝。
アイシャはその近くにある木の影で足を止めた。何故だか、足がすくんでしまい動けない。前に進む勇気も引き返す勇気も湧いてこない。
アイシャはどうすれば良いかわからず、硬直した。
すると、滝の方を眺めていた先客の青年が振り返った。
『君も死ににきたのか?』
15歳前後に見える青年は、怪訝な顔をしてそう尋ねてきた。
君もということは、彼もそうなのだろう。
アイシャにはこの質問に答える義理などないが、自然と口から言葉が漏れていた。
両親が自分を見てくれないこと。それに絶望していること。死にたいとは思うけれど、叔父叔母の顔がチラついて足がすくんでしまうこと。
そんな話をした。
それを聞いていた青年の顔はみるみる怖くなった。そして苛立ったようにアイシャを叱責した。何を言われたのかはよく覚えていないが、ひとつだけ覚えている言葉がある。
『愛が平等に分け与えられていないだけで、君はちゃんと愛されている』
その言葉はアイシャにとって衝撃的なものだった。使用人も叔父夫婦も、誰も彼もが明言を避けていたその言葉はアイシャが最も欲しかった言葉だからだ。
それは両親の愛を信じたいけれど信じきれなくなってしまった彼女が、もう一度彼らの前に立つには必要不可欠な言葉だった。
彼の言葉で心が少し軽くなり、息苦しくなくなった。
『愛されているのなら、もう少し頑張れそうです。きっと妹にもまた、優しくできるわ。だから、ありがとう』
アイシャはお礼を言った。青年は彼女からの感謝の言葉にどう返して良いのかわからないらしく、顔を背けたが、小さく『それは良かった』と返してくれた。
彼自身、こんな場所でお礼を言われるなんて思ってもいなかったのだろう。
そこからは彼がこの場所に来た経緯や、彼が住んでいるというヴィルヘルムの町について話した。
話を聞いたアイシャは自分を恥じた。貴族として生まれ、こんなにも恵まれた環境にいながら、一瞬でも死にたいと思ってしまった自分が恥ずかしい。
彼や彼の周りの人達は恵まれているとは言えない環境下でも、手を取り合いながら前を向いて立派に生きているというのに。
だから、欲しかった言葉をくれた彼に恩返しがしたくて約束した。
ヴィルヘルムの町をどうにかすると。
もちろん、アイシャ一人でどうにかできるわけではないが、叔父の力を借りて彼の住む町を良くすると心に決めた。
『指切りをしておられましたが、何を約束したのです?』
山を降り、青年の父を埋葬したアイシャは叔父に命じられて自分を探しに来た子爵家の騎士にそう聞かれた。
アイシャは少し考えた後、口元で人差し指を立て『秘密』と返した。
『彼との約束は自分だけのものだから、大切に胸の中にしまっておきたいの。ごめんね?』
そう言ったアイシャは悪戯っ子のように舌を出して笑った。
屋敷を飛び出した時とは違い、どこか吹っ切れた様子の彼女に騎士は安堵の表情を浮かべ、それ以上は聞かなかった。
その後、屋敷に帰ったアイシャは叔父夫婦に抱きしめられた。そしてアイシャを置いて家を開けたことを何度も謝罪された。
なぜ二人が謝るのか分からなかったが、アイシャは二人に心配をかけたことを謝った。
そして、叔父夫婦の後ろで帰ってきたアイシャを出迎えた両親にも頭を下げた。わがままを言ってごめんなさい、と。
すると、母からキツく抱きしめてもらえた。父には頭を撫でてもらえた。
きっと騎士から輪廻の滝まで行ったことを聞いたのだろう。アイシャが生きていたことを嬉しく思うと言ってくれた。
本当に久しぶりの、両親の温もりだった。
『アイシャのバカ。心配したのよ』
『無事で良かった、アイシャ』
『ねえ、お父様、お母様……。私のこと好き?愛してる?』
『まあ!何を言うかと思えば、おかしな子ね』
『お母様、答えてください。愛していますか?』
『当たり前じゃないの。愛しているわ!』
『私も、愛しているよ。アイシャ』
涙ぐみながらそう言ってくれた両親にアイシャは目を丸くした。
こんな風に抱きしめてもらったのはいつぶりだろう。『愛している』だなんて、初めて聞いた気がする。
あの青年が言っていたことは本当だったと思った。
私は愛されている。
アイシャはそう確信できた。
それなのに…………
102
あなたにおすすめの小説
突然決められた婚約者は人気者だそうです。押し付けられたに違いないので断ってもらおうと思います。
橘ハルシ
恋愛
ごくごく普通の伯爵令嬢リーディアに、突然、降って湧いた婚約話。相手は、騎士団長の叔父の部下。侍女に聞くと、どうやら社交界で超人気の男性らしい。こんな釣り合わない相手、絶対に叔父が権力を使って、無理強いしたに違いない!
リーディアは相手に遠慮なく断ってくれるよう頼みに騎士団へ乗り込むが、両親も叔父も相手のことを教えてくれなかったため、全く知らない相手を一人で探す羽目になる。
怪しい変装をして、騎士団内をうろついていたリーディアは一人の青年と出会い、そのまま一緒に婚約者候補を探すことに。
しかしその青年といるうちに、リーディアは彼に好意を抱いてしまう。
全21話(本編20話+番外編1話)です。
虐げられた令嬢は、姉の代わりに王子へ嫁ぐ――たとえお飾りの妃だとしても
千堂みくま
恋愛
「この卑しい娘め、おまえはただの身代わりだろうが!」 ケルホーン伯爵家に生まれたシーナは、ある理由から義理の家族に虐げられていた。シーナは姉のルターナと瓜二つの顔を持ち、背格好もよく似ている。姉は病弱なため、義父はシーナに「ルターナの代わりに、婚約者のレクオン王子と面会しろ」と強要してきた。二人はなんとか支えあって生きてきたが、とうとうある冬の日にルターナは帰らぬ人となってしまう。「このお金を持って、逃げて――」ルターナは最後の力で屋敷から妹を逃がし、シーナは名前を捨てて別人として暮らしはじめたが、レクオン王子が迎えにやってきて……。○第15回恋愛小説大賞に参加しています。もしよろしければ応援お願いいたします。
侯爵令嬢リリアンは(自称)悪役令嬢である事に気付いていないw
さこの
恋愛
「喜べリリアン! 第一王子の婚約者候補におまえが挙がったぞ!」
ある日お兄様とサロンでお茶をしていたらお父様が突撃して来た。
「良かったな! お前はフレデリック殿下のことを慕っていただろう?」
いえ! 慕っていません!
このままでは父親と意見の相違があるまま婚約者にされてしまう。
どうしようと考えて出した答えが【悪役令嬢に私はなる!】だった。
しかしリリアンは【悪役令嬢】と言う存在の解釈の仕方が……
*設定は緩いです
婚約白紙?上等です!ローゼリアはみんなが思うほど弱くない!
志波 連
恋愛
伯爵令嬢として生まれたローゼリア・ワンドは婚約者であり同じ家で暮らしてきたひとつ年上のアランと隣国から留学してきた王女が恋をしていることを知る。信じ切っていたアランとの未来に決別したローゼリアは、友人たちの支えによって、自分の道をみつけて自立していくのだった。
親たちが子供のためを思い敷いた人生のレールは、子供の自由を奪い苦しめてしまうこともあります。自分を見つめ直し、悩み傷つきながらも自らの手で人生を切り開いていく少女の成長物語です。
本作は小説家になろう及びツギクルにも投稿しています。
王女殿下のモラトリアム
あとさん♪
恋愛
「君は彼の気持ちを弄んで、どういうつもりなんだ?!この悪女が!」
突然、怒鳴られたの。
見知らぬ男子生徒から。
それが余りにも突然で反応できなかったの。
この方、まさかと思うけど、わたくしに言ってるの?
わたくし、アンネローゼ・フォン・ローリンゲン。花も恥じらう16歳。この国の王女よ。
先日、学園内で突然無礼者に絡まれたの。
お義姉様が仰るに、学園には色んな人が来るから、何が起こるか分からないんですって!
婚約者も居ない、この先どうなるのか未定の王女などつまらないと思っていたけれど、それ以来、俄然楽しみが増したわ♪
お義姉様が仰るにはピンクブロンドのライバルが現れるそうなのだけど。
え? 違うの?
ライバルって縦ロールなの?
世間というものは、なかなか複雑で一筋縄ではいかない物なのですね。
わたくしの婚約者も学園で捕まえる事が出来るかしら?
この話は、自分は平凡な人間だと思っている王女が、自分のしたい事や好きな人を見つける迄のお話。
※設定はゆるんゆるん
※ざまぁは無いけど、水戸○門的なモノはある。
※明るいラブコメが書きたくて。
※シャティエル王国シリーズ3作目!
※過去拙作『相互理解は難しい(略)』の12年後、
『王宮勤めにも色々ありまして』の10年後の話になります。
上記未読でも話は分かるとは思いますが、お読みいただくともっと面白いかも。
※ちょいちょい修正が入ると思います。誤字撲滅!
※小説家になろうにも投稿しました。
忘れられた幼な妻は泣くことを止めました
帆々
恋愛
アリスは十五歳。王国で高家と呼ばれるう高貴な家の姫だった。しかし、家は貧しく日々の暮らしにも困窮していた。
そんな時、アリスの父に非常に有利な融資をする人物が現れた。その代理人のフーは巧みに父を騙して、莫大な借金を負わせてしまう。
もちろん返済する目処もない。
「アリス姫と我が主人との婚姻で借財を帳消しにしましょう」
フーの言葉に父は頷いた。アリスもそれを責められなかった。家を守るのは父の責務だと信じたから。
嫁いだドリトルン家は悪徳金貸しとして有名で、アリスは邸の厳しいルールに従うことになる。フーは彼女を監視し自由を許さない。そんな中、夫の愛人が邸に迎え入れることを知る。彼女は庭の隅の離れ住まいを強いられているのに。アリスは嘆き悲しむが、フーに強く諌められてうなだれて受け入れた。
「ご実家への援助はご心配なく。ここでの悪くないお暮らしも保証しましょう」
そういう経緯を仲良しのはとこに打ち明けた。晩餐に招かれ、久しぶりに心の落ち着く時間を過ごした。その席にははとこ夫妻の友人のロエルもいて、彼女に彼の掘った珍しい鉱石を見せてくれた。しかし迎えに現れたフーが、和やかな夜をぶち壊してしまう。彼女を庇うはとこを咎め、フーの無礼を責めたロエルにまで痛烈な侮蔑を吐き捨てた。
厳しい婚家のルールに縛られ、アリスは外出もままならない。
それから五年の月日が流れ、ひょんなことからロエルに再会することになった。金髪の端正な紳士の彼は、彼女に問いかけた。
「お幸せですか?」
アリスはそれに答えられずにそのまま別れた。しかし、その言葉が彼の優しかった印象と共に尾を引いて、彼女の中に残っていく_______。
世間知らずの高貴な姫とやや強引な公爵家の子息のじれじれなラブストーリーです。
古風な恋愛物語をお好きな方にお読みいただけますと幸いです。
ハッピーエンドを心がけております。読後感のいい物語を努めます。
※小説家になろう様にも投稿させていただいております。
【完結】どうやら時戻りをしました。
まるねこ
恋愛
ウルダード伯爵家は借金地獄に陥り、借金返済のため泣く泣く嫁いだ先は王家の闇を担う家。
辛い日々に耐えきれずモアは自らの命を断つ。
時戻りをした彼女は同じ轍を踏まないと心に誓う。
※前半激重です。ご注意下さい
Copyright©︎2023-まるねこ
政略結婚した旦那様に「貴女を愛することはない」と言われたけど、猫がいるから全然平気
ハルイロ
恋愛
皇帝陛下の命令で、唐突に決まった私の結婚。しかし、それは、幸せとは程遠いものだった。
夫には顧みられず、使用人からも邪険に扱われた私は、与えられた粗末な家に引きこもって泣き暮らしていた。そんな時、出会ったのは、1匹の猫。その猫との出会いが私の運命を変えた。
猫達とより良い暮らしを送るために、夫なんて邪魔なだけ。それに気付いた私は、さっさと婚家を脱出。それから数年、私は、猫と好きなことをして幸せに過ごしていた。
それなのに、なぜか態度を急変させた夫が、私にグイグイ迫ってきた。
「イヤイヤ、私には猫がいればいいので、旦那様は今まで通り不要なんです!」
勘違いで妻を遠ざけていた夫と猫をこよなく愛する妻のちょっとずれた愛溢れるお話
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる