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第八話
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朝ご飯を食べて、シャワーを浴びて、部屋の掃除をして。
と、色々やっているうちに、いつの間にか朝の十時になっていた。
掃除とかは、香奈姉ちゃんが僕の家に来ていたらやってもらっていたことだけど、今回は逆の立場だ。
僕がやらなければならない。
兄は、絶対にやらないからな。
まぁ、やることをやったから、そろそろ自分の家に帰ってもいいだろう。
僕は、自分のリュックを背負うと真っ直ぐに玄関に向かう。
香奈姉ちゃんは、これから奈緒さんたちと予定があるみたいだし、僕がいたら邪魔になっちゃうから、はやく帰るとしようかな。
玄関にたどり着くと、そこに香奈姉ちゃんがいた。
「──もう帰っちゃうの?」
「うん。そのつもりだけど」
「そっか。それならしょうがないね……」
香奈姉ちゃんは、そう言って微苦笑する。
奈緒さんたちと予定があるのは知ってるけど、僕は誘われてないし。関係ない。
関係ないんだけど……。
こういう時ほど、香奈姉ちゃんが何か言いたげなのは一目瞭然だし、放っておけない。
「僕に、何かしてほしいことでもあるの?」
僕は、肩をすくめてそう言っていた。
パジャマパーティーは昨日の段階で終わりなんだろうけど、その後の予定があるらしかったので、一応聞いてみただけなんだけ…なんだけど。
香奈姉ちゃんは、口を開く。
「実はね。今日は、奈緒ちゃんたちとショッピングモールに行く予定なんだよね」
「そうなんだ」
ショッピングモールか。
下着類や洋服でも買いに行くのかな。
「そこで、なんだけどさ。…もし良かったら、楓も一緒に行かない?」
「僕が? どうして?」
「女の子四人でショッピングモールに行った時って、必ずと言っていいほどナンパされちゃうのよね。そこで、楓が一緒なら、ナンパなんてされないと思うのよ」
「要するに、僕も一緒についていって、香奈姉ちゃんたちを見守ってればいいのかな?」
「まぁ、そんな感じ…かな」
香奈姉ちゃんは、髪の毛をいじりながらそう言う。
あ……。これは、なにかを口実にしているな。
香奈姉ちゃんが髪の毛をいじる時って、大抵、何かしら考えを巡らせている時だ。
でも、考えと言っても、今回のは、大したものではないかな。
僕と一緒にショッピングモールに行きたいっていうのが、香奈姉ちゃんの本音だろう。
おそらくナンパされちゃうっていうのは、口実ではなく事実だ。
香奈姉ちゃんほどのルックスなら、男が放っておかないだろうし。
「…わかったよ。僕でいいのなら、付き合うよ」
「ありがとう。楓なら、絶対にそう言うと思ってたよ」
その『絶対に』っていうのは、どこから出てくるんだろう。
香奈姉ちゃんの自信の賜物か。
考えたって、しょうがない。
「とりあえず、一旦、家に帰るね。すぐに準備するから、少しだけ待ってて」
「わかった。それじゃ、楓の家の前で待ってるから」
家を後にする僕に、香奈姉ちゃんはそう言った。
僕の家の前で待つ…か。
それなら、香奈姉ちゃんたちがやってくる前に準備しなきゃいけないな。
──まったく。
香奈姉ちゃんは、こういう時ほど強引だから困る。
と、色々やっているうちに、いつの間にか朝の十時になっていた。
掃除とかは、香奈姉ちゃんが僕の家に来ていたらやってもらっていたことだけど、今回は逆の立場だ。
僕がやらなければならない。
兄は、絶対にやらないからな。
まぁ、やることをやったから、そろそろ自分の家に帰ってもいいだろう。
僕は、自分のリュックを背負うと真っ直ぐに玄関に向かう。
香奈姉ちゃんは、これから奈緒さんたちと予定があるみたいだし、僕がいたら邪魔になっちゃうから、はやく帰るとしようかな。
玄関にたどり着くと、そこに香奈姉ちゃんがいた。
「──もう帰っちゃうの?」
「うん。そのつもりだけど」
「そっか。それならしょうがないね……」
香奈姉ちゃんは、そう言って微苦笑する。
奈緒さんたちと予定があるのは知ってるけど、僕は誘われてないし。関係ない。
関係ないんだけど……。
こういう時ほど、香奈姉ちゃんが何か言いたげなのは一目瞭然だし、放っておけない。
「僕に、何かしてほしいことでもあるの?」
僕は、肩をすくめてそう言っていた。
パジャマパーティーは昨日の段階で終わりなんだろうけど、その後の予定があるらしかったので、一応聞いてみただけなんだけ…なんだけど。
香奈姉ちゃんは、口を開く。
「実はね。今日は、奈緒ちゃんたちとショッピングモールに行く予定なんだよね」
「そうなんだ」
ショッピングモールか。
下着類や洋服でも買いに行くのかな。
「そこで、なんだけどさ。…もし良かったら、楓も一緒に行かない?」
「僕が? どうして?」
「女の子四人でショッピングモールに行った時って、必ずと言っていいほどナンパされちゃうのよね。そこで、楓が一緒なら、ナンパなんてされないと思うのよ」
「要するに、僕も一緒についていって、香奈姉ちゃんたちを見守ってればいいのかな?」
「まぁ、そんな感じ…かな」
香奈姉ちゃんは、髪の毛をいじりながらそう言う。
あ……。これは、なにかを口実にしているな。
香奈姉ちゃんが髪の毛をいじる時って、大抵、何かしら考えを巡らせている時だ。
でも、考えと言っても、今回のは、大したものではないかな。
僕と一緒にショッピングモールに行きたいっていうのが、香奈姉ちゃんの本音だろう。
おそらくナンパされちゃうっていうのは、口実ではなく事実だ。
香奈姉ちゃんほどのルックスなら、男が放っておかないだろうし。
「…わかったよ。僕でいいのなら、付き合うよ」
「ありがとう。楓なら、絶対にそう言うと思ってたよ」
その『絶対に』っていうのは、どこから出てくるんだろう。
香奈姉ちゃんの自信の賜物か。
考えたって、しょうがない。
「とりあえず、一旦、家に帰るね。すぐに準備するから、少しだけ待ってて」
「わかった。それじゃ、楓の家の前で待ってるから」
家を後にする僕に、香奈姉ちゃんはそう言った。
僕の家の前で待つ…か。
それなら、香奈姉ちゃんたちがやってくる前に準備しなきゃいけないな。
──まったく。
香奈姉ちゃんは、こういう時ほど強引だから困る。
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