僕の姉的存在の幼馴染が、あきらかに僕に好意を持っている件〜

柿 心刃

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第十五話

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最近、花音がずいぶんと積極的に楓に迫っているような気がする。
そう思ってしまうのは、花音と楓のやりとりを側から見ているからだろうか。

「ちょっと、楓! 私が体を洗ってあげるから、じっとしていてよ!」
「さすがにそれは……。自分で洗うから、大丈夫だよ」

ボディスポンジを持った花音に迫られてしまった楓は、思わずそう言って、私の背に隠れようとする。
言うまでもないことだけど、私は全裸で、花音はバスタオル越しだ。
バスタオルは一応、脱衣室に置いてあるんだけど、楓の前だし、別に構わないかなって思って全裸のまま浴室に来てしまったわけだが。
それを見た花音は、何を思ったのかバスタオルを外し始める。
途端、まだ成長しきれていない花音の裸が露わになった。
それは、花音の胸や大事な箇所を見ればだいたいわかる。
まだまだ成長過程だ。

「ちょっ……⁉︎ 何を⁉︎」

楓は、驚いて声を上げる。
花音は、恥ずかしそうに胸と大事な箇所を手で隠しながらも、楓に迫っていく。

「やっぱり、バスタオルを巻いている時よりも裸の方がいいんだ。だから、お姉ちゃんの背に隠れたりするんだ。だったら私だって──」
「待ちなさい、花音。そういうのは、恋人同士になってからでないとダメだよ」

私は、花音を引き止めるべく、そう言った。
裸の関係になりたいのはわかるけど、まず順序というものがある。
楓と花音の間には、まだそれがないはずだ。

「恋人同士って……。それを言ったら、お姉ちゃんは楓と恋人同士だから、裸を見せても許されるのかもしれないけど……。私も、諦めるつもりはないよ」

花音は、堂々とした態度でその成長過程の体を、私と楓に見せつけてくる。

「やっぱりこれって、見ない方がいいよね?」

楓は、頬を赤くして遠慮がちにそう訊いていた。
──いや。
楓が遠慮する必要はない。
むしろこの場合は、花音が遠慮するべきなんだけど。
どうやら、花音は引くつもりはないようだ。

「ダメ! 楓には、よく見てもらわないと! お姉ちゃんよりは貧相かもしれないけど、いつか絶対にグラマーになるもん!」

そう言って、楓の前に立った。
その仁王立ちは、まるで自分の裸を誇張しているかのようだ。さっきまで恥ずかしそうに隠していたのは、何だったのか。
しかし、このままそうしていてもいつまでも湯船に浸かれない。
私は、肩をすくめて言う。

「気持ちはわかったから、はやく楓の体を洗いなさいよ。私も、そろそろ湯船に浸かりたいんだけど」
「わかってるわよ、そんなこと。だけど楓が……」
「僕は、自分で洗うからね。さすがに、花音には頼めないよ」

楓の意思も固いみたいだ。
こうなったら。
私は、花音からボディスポンジを取り上げて、そのまま楓の前に行く。

「それなら、私が楓の体を洗ってあげる。私の家の浴室に入ってる以上、楓に拒否権なんてないんだからね」
「それは……」
「簡単だよ。楓は、私に身を委ねるの。それだけでいいんだよ」
「香奈姉ちゃんがそう言うのなら……」

楓は、諦めたかのようにバスチェアに腰掛ける。

「うん。素直でよろしい」

私は、笑顔でそう言った。
それを面白くなさそうに見ていたのは花音だったが、この際見ないでおく。

楓を先に湯船に入らせると、私は花音にボディスポンジを渡す。
順番的に、花音が最適かと思ったのだ。

「ほら。さっさと体を洗ってお風呂に入ってしまいなさい」
「お姉ちゃん……。いいの?」

花音は、不思議そうな表情を浮かべてそう訊いてくる。

「順番的には、花音が次でしょ? 私は、楓とゆっくり入るから気にしないで」
「え……。僕、今入っているんだけど……。これって?」

当然のように楓は、そう言ってきた。
私と一緒に入るつもりなら、花音を先に湯船に入らせるのが正解だと思うだろう。
だけど、この場合は少し違う。
花音を楓と一緒に入らせないと、後で絶対に不機嫌になる。
それどころか、花音のことだから、絶対に隆一さんに愚痴るだろうと思ったのだ。

「楓。…ごめんね」

だからこそ、私は楓に謝罪した。
楓なら、きっとわかってくれる。そう信じて──。

「わかったよ。だけど、長風呂する気はないからね」

楓は、軽くため息を吐いてそう言っていた。
わかってる。
私も、そんなに長くお風呂に入るつもりはないのだから。

案の定、花音は上機嫌で楓と一緒に湯船に浸かっていた。
どのように浸かっていたかというと、楓の体の上に座るような形である。
この体位なら、花音のおっぱいに自然と手を触れることもできるだろう。しかし──。
さすがの楓も、花音のおっぱいには触らなかったようだ。
花音は、無理矢理にでも楓の手を掴んで、自分のおっぱいを触らせたかったようだが。

「もう! どうして私のおっぱいを触らないのよ!」

花音は、そのことが不満だったようだ。
そりゃ、私のおっぱいに比べたら、そんなに大きくないもんね。
楓は、どちらかというと巨乳で美乳の女の子が好みだし。

「いや。花音のおっぱいを触るのはさすがに……。申し訳ないっていうか……」
「そんなこと言って──。お姉ちゃんのおっぱいは、たくさん触るくせに! それだったら、私のを触ったっていいじゃない!」
「それは──。花音のは、まだ成長過程だから……」

その言葉は、さすがにまずい。花音にとっては禁句だ。
楓は、花音に言ってはならない禁句を言ってしまった。

「っ……」

花音は、ショックを受けた様子でその場で俯いてしまう。

「あ……」

さすがの楓も、いけないことを言ってしまったのに気づいたようだ。思わず口元に手を添える。
花音は、ムキになったのか楓の手を取り、そのまま自分のおっぱいの方に持っていく。
楓の手は、自然と花音のおっぱいに触れる。
まぁ、花音のおっぱいもなかなかに成長していると思う。

「私ので未熟だったら、他の女の子のおっぱいは何なのよ」

花音は、頬を赤く染めてそう言っていた。
要するに、おっぱいの大きさは個人差があると言いたいのだろう。

「でも、香奈姉ちゃんのは──」

楓は、何か言いたげに私の方を見てくる。
むしろ見ているのは、私のおっぱいだろうな。
私の場合は、なんて言えばいいだろうか。ちょっと成長しすぎてしまったっていうか……。
そのおかげで周囲の人の視線が気になるんだけどね。
私は、恥ずかしそうな表情を浮かべると自分のおっぱいを両腕で持ち上げて、言った。

「私の場合は、ちょっと特殊なだけだよ。それ以外は、普通なんだから」
「普通…なの?」

花音は、微妙な表情を浮かべて私のことを見てくる。
たぶん、私の体全体を見てるんだと思う。
妹とはいえ、そんな目で見られてしまうと恥ずかしい。
やっぱりバスタオルを巻いてくればよかったかな。
おっぱいが大きいというのも、肩がこってしまうから、私としては結構大変なんだからね。

「うん、普通だよ。花音だって、一年くらい経てば成長すると思うから、わかってくるよ」
「そうなのかな? 私には、まだ……」

花音は、複雑な表情で自分の体に視線を落とす。
個人的に悩んでいるみたいだ。
そんなところで悩まれても、私がお風呂に入れない。
私は、花音に言った。

「さぁ、もう温まったでしょ! さっさと上がってくれないかな。私も、お風呂に入りたいんだけど」
「わかったよ。…しょうがないなぁ」

花音は、仕方ないといった表情で湯船から出ると、そのまま浴室を後にする。

「それじゃ、僕もそろそろ──」

それに並ぶようにして、楓も湯船から出ようとしていた。
私は、慌てて楓を制止に入る。

「楓はダメだよ。ここに残るの」
「え……。そんなこと言われても……。これ以上は、僕も限界なんだけど……」
「これから楓は、私と一緒にお風呂に入るの。だから、このボディスポンジで私の体を隅々まで洗うんだよ」
「隅々って……」

楓は、呆然とした表情で私のことを見る。
おそらく楓は、私の体の全てを洗うっていう想像をしたに違いない。
その証拠に、私が楓に渡そうとしていたボディスポンジをそのまま受け取ったから、やる気だけはあるようだ。

「そういうことだから。しっかりと頼むね」

そう言うと私は、楓に背中を向ける。
こうすれば、楓はちゃんとやってくれるはずだ。
楓は、ため息を吐いて言った。

「わかったよ。隅々まで…ね。あまり気乗りはしないけど、そうさせてもらうよ」
「わかればよろしい。私の体を愛撫するようにしっかりと洗ってよ」
「もしかして、やきもち妬いてたり…するの?」
「バ…そんなんじゃ……」

楓にそう言われて、私は何人かの女の子の顔を思い浮かんでしまう。
楓に好意を向けている女の子たちだ。
その女の子たちのことを思い出しただけで、私の胸の中がざわざわする。
いずれかの女の子に奪られてしまうんじゃないかと思うだけで、寂しい思いが溢れてしまう。

「そうだよね。香奈姉ちゃんがやきもちを妬くわけがないよね」

楓は、私の背中をボディスポンジで洗いながらそう言った。
まぁ、楓に限って他の女の子のことを好きになったりはしないだろうと思うんだけど……。それでもね。

「妬いちゃいけないの?」

私のその言葉は、小声で囁くように言っていた。

「え……」

楓は、まさか私の口からそんな言葉を聞けるとは思ってもみなかったようで、呆然とした表情で私を見ている。
そんな楓に、私は言う。

「私が、やきもちを妬いちゃいけないのかな?」
「いや、ダメってことはないけど……。僕は、他の女の子のことを好きになったりは──」
「わかってるよ、そんなことくらい。ただ…ね。私だって普通の女の子なんだから、不安になっちゃったりするんだよってこと、楓にはわかってもらいたくて……」
「心配しなくても大丈夫だよ。僕は、香奈姉ちゃん一筋だから」

楓は、微笑を浮かべてそう返していた。
そんなこと言われて嬉しくないって言ったら、きっとバチが当たるだろう。
正直に言うと、すごく嬉しい。
私は、楓の方に向き直り、そのままハグをした。

「そっかそっか。楓は、私一筋なんだ。その言葉を聞いたら、なんだか安心したよ」
「ちょっ……⁉︎ 香奈姉ちゃん⁉︎ まだ洗ってる最中──」

いきなりの私の行動に、楓は驚いて声を上げる。

「少しくらい、いいじゃない。楓とのスキンシップはこれからなんだから」

私は、魅惑的な笑みをつくりそう言った。
──そう。
私との時間は、これからなのだ。
だから、先に浴室を出られても困る。
楓は、愛でるように私の体を愛撫していた。
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