僕の姉的存在の幼馴染が、あきらかに僕に好意を持っている件〜

柿 心刃

文字の大きさ
265 / 382
第二十一話

10

しおりを挟む
せっかくだから、今日は学校サボってしまおうかな。
そんなことを一瞬思ってしまう私がいる。
だけど楓が一緒にいるので、やっぱりやめておこうと判断した。
真面目な楓のことだ。
きっと『サボるのは絶対にダメ』って言いそうだから。

「ありがとうね、弟くん。下着、選んでくれて」
「礼には及ばないよ。香奈姉ちゃんには、いつも助けられてるし。気に入ったんなら、それでいいんだ」
「うん。すごく気に入ったよ」

私は、嬉しそうな表情をして買い物袋をギュッと抱きしめる。
楓のおかげで、比較的可愛い下着を買う事ができた。
サイズは少し(?)大きめだけど、これでしばらくの間は大丈夫だろう。
すぐに身に付けようと思っていたのだけど、こういうのは学校に着いてからでもいいかなって思って、後にした。
ちなみに、今身に付けているのは、運動用のインナーだ。
本来は胸が誇張しないような造りなのだが……。
私の場合はそんな簡単にはいかず、制服を上に着ていても胸が誇張されてしまう。
やっぱりEカップというのは、どうしても目立ってしまうものなんだな。
今まで気にしたことなんてなかったから、意識してしまうと恥ずかしいかも……。
楓は、思案げな表情で訊いてきた。

「やっぱり、合わない下着ってきついものなの?」
「そりゃあね。胸の締め付けが悪くなったりするから、その度に新しいのを買わなきゃいけないんだよ」
「そうなんだ。ちなみに、それで何度目なの?」
「う~ん……。何度目だろう? そんなに回数はいってないような気もするけど……」

ランジェリーショップには友達と一緒に行くけど、そんなに回数は多くないような気もする。
現に、私の下着の枚数はそんなに多くないし。

「それにしては、ずいぶんと枚数があったような……」
「気のせいだよ。ほとんどがサイズが合わなくてって事もあるんだから」

私は、自室にあった下着のことを思い出し、そう言っていた。
なにしろ、胸とお尻の成長に関しては、私自身にも把握はできないから。
合わないと感じた瞬間には、太っちゃったのかと思ってしまうくらいだし。

「そっか。女の子って大変なんだね」
「ホント大変だよ。特にも、下着に関してはね」

私は、微苦笑してそう言っていた。
下着は普段から身に付けるものだから、合わない下着を身に付けるのは女の子にとっては死活問題だ。
今回はブラ紐が切れてしまった事から、楓と一緒に新しい下着を買いに行ったけど。
これがもしも奈緒ちゃんたちと一緒の時に買いに行ったとしたら、きっと落ち着かなくて、サイズを測るどころか下着を買うなんていう流れにさえ、なっていなかったと思う。
そこのところは、楓に感謝しないと。

学校にて。
私が教室にたどり着くと、奈緒ちゃんが心配そうに話しかけてきた。

「めずらしいね。香奈が用事だなんて──。何かあったの?」
「うん。ちょっとね……」

私は、そう言って精一杯の笑顔を見せる。
おおよその事情は、担任の先生から聞いているのかもしれない。
なにかを誤魔化してるのは丸見えなのかもしれないが、後ろめたい事は何もない。逆に神妙な顔をして変な心配をさせてしまうよりはマシだ。
バンドのことじゃないし。
まさかブラジャーの紐が切れて、新しいのを買いに行っていただなんて言えない。
ちなみにランジェリーショップの買い物袋は、鞄の中にちゃんと仕舞っているから、バレる心配はないけど。

「ちょっと、か……。なるほどね」

奈緒ちゃんは、悪戯っぽい笑みを浮かべて私のことを見てきた。
こういう時の奈緒ちゃんは、必ずと言っていいほど、良くない事を考えている。
その顔を見れば、すぐにわかるのだ。

「なに? 私の顔に何かついてる?」
「別に何もついてないけど……。ただ…ねぇ」

奈緒ちゃんはそう言って、ギューッと私に抱きついてきた。
いきなりそうしてきたものだから、私は思わず声を上げる。

「奈緒ちゃん⁉︎ いきなりどうしたの?」
「どうしたもなにも──。またちょっと胸が大きくなったかなぁって思ってさ」

そう言いながら、奈緒ちゃんの手は、しっかりと私の胸を揉みしだいていた。
今の時間帯が、休み時間だったのは幸いしているのかもしれない。
それにしても。
奈緒ちゃんは、見てるところはしっかりと見てるな。

「んっ。気のせいだよ。私の胸は普段と変わらないよ!」
「そうかな? そんな風には見えないんだけど」
「どんな風に見えてるの? 奈緒ちゃんには──」
「そうだね。香奈は、わかりやすい性格してるからなぁ。見ればなんとなく…ね」
「そんなの……。奈緒ちゃんの考えすぎじゃ……」
「それなら聞くけど、楓君との朝デートはどうだったの? 楽しかったでしょ?」
「なんでそこで弟くんが出てくるのよ? 私は一人で用事を──」
「一人で用事を、ねぇ……。まぁ、詳しいことはあたしにはわからないけど。香奈の身体からは、なんとなく楓君の匂いがするんだよね」
「弟くんの匂いって……」

私は、自身の制服の匂いを嗅ぎ始める。
一体、どこにそんなものがあるというんだろう。
楓の匂いとかって、そんなのあったかなぁ。
今まで、自覚してなかったかも……。

「ずっと近くにいた香奈には、感じないものかもしれないね」
「そんなことは……」

断言できないのは、ものすごく悔しい気持ちになる。
だけど……。
近くにいたからこそ、そこでしか感じられないものもある。

「楓君の匂いは独特だからなぁ。香奈にわかるかな?」
「そんなの……。ちゃんとわかってるわよ。弟くんとは、長い付き合いなんだから──」
「その時に、彼氏彼女として付き合うとかの感情はなかったんでしょ?」

たしかに奈緒ちゃんの言うとおり、楓が中学生の頃は恋愛対象じゃなかったけど……。今は──

「その頃のことはともかく、今は付き合ってるんだから、そこは別にツッコまれるところじゃ──」
「そっか。まぁ、香奈がそれでいいのなら、あたしは別に構わないけどさ」

奈緒ちゃんは、意味深な笑みを浮かべる。
その顔を見る限り、楓との間に何かあったな。

「奈緒ちゃん、私に何か隠してない?」
「隠すって、何をかな?」

奈緒ちゃんは、惚けるようにそう聞き返してきた。
これは、確実に何かあったかのような表情だ。

「それは、わからないけど……。弟くんに、何かしたでしょ?」
「別に何もしてないよ。ただ、ちょっとね。あたしの家でスキンシップを、ね」
「スキンシップって……。私に無断でだよね?」
「まぁ、そうなるかな。あたしにも、楓君にアタックする機会がほしいしね。あの時は、ちょうど良かったかな」

あ……。
エッチなことまでしちゃったんだ……。
ちょっと納得。

「──それで。弟くんの心は掴めたの?」
「う~ん……。どうだろう。あの時の感じだと、あんまり実感が……」
「そうだよね。弟くんって、意外と警戒心が強いからね。私でさえ、弟くんとは心の距離がある感じだから」
「そうなんだ。香奈も大変なんだね」

そう言われても……。
いつもの事だからとしか言えないんだけど……。
今回は楓にも下着を選んでもらったけど、次もそんなチャンスがあるのかまでは私にもわからない。

「次も付き合ってもらえるかわからないしね……」
「ん? 何か言った?」
「ううん。なんでもないよ」

私は、苦笑いをして奈緒ちゃんにそう返していた。
楓と一緒にいた事は、奈緒ちゃんたちには内緒だ。
絶対にバレないようにしないと。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

私の推し(兄)が私のパンツを盗んでました!?

ミクリ21
恋愛
お兄ちゃん! それ私のパンツだから!?

美人四天王の妹とシテいるけど、僕は学校を卒業するまでモブに徹する、はずだった

ぐうのすけ
恋愛
【カクヨムでラブコメ週間2位】ありがとうございます! 僕【山田集】は高校3年生のモブとして何事もなく高校を卒業するはずだった。でも、義理の妹である【山田芽以】とシテいる現場をお母さんに目撃され、家族会議が開かれた。家族会議の結果隠蔽し、何事も無く高校を卒業する事が決まる。ある時学校の美人四天王の一角である【夏空日葵】に僕と芽以がベッドでシテいる所を目撃されたところからドタバタが始まる。僕の完璧なモブメッキは剥がれ、ヒマリに観察され、他の美人四天王にもメッキを剥され、何かを嗅ぎつけられていく。僕は、平穏無事に学校を卒業できるのだろうか? 『この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』

久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…

しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。 高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。 数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。 そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…

幼馴染みのメッセージに打ち間違い返信したらとんでもないことに

家紋武範
恋愛
 となりに住む、幼馴染みの夕夏のことが好きだが、その思いを伝えられずにいた。  ある日、夕夏のメッセージに返信しようとしたら、間違ってとんでもない言葉を送ってしまったのだった。

イケボすぎる兄が、『義妹の中の人』をやったらバズった件について

のびすけ。
恋愛
春から一人暮らしを始めた大学一年生、天城コウは――ただの一般人だった。 だが、再会した義妹・ひよりのひと言で、そんな日常は吹き飛ぶ。 「お兄ちゃんにしか頼めないの、私の“中の人”になって!」 ひよりはフォロワー20万人超えの人気Vtuber《ひよこまる♪》。 だが突然の喉の不調で、配信ができなくなったらしい。 その代役に選ばれたのが、イケボだけが取り柄のコウ――つまり俺!? 仕方なく始めた“妹の中の人”としての活動だったが、 「え、ひよこまるの声、なんか色っぽくない!?」 「中の人、彼氏か?」 視聴者の反応は想定外。まさかのバズり現象が発生!? しかも、ひよりはそのまま「兄妹ユニット結成♡」を言い出して―― 同居、配信、秘密の関係……って、これほぼ恋人同棲じゃん!? 「お兄ちゃんの声、独り占めしたいのに……他の女と絡まないでよっ!」 代役から始まる、妹と秘密の“中の人”Vライフ×甘々ハーレムラブコメ、ここに開幕!

服を脱いで妹に食べられにいく兄

スローン
恋愛
貞操観念ってのが逆転してる世界らしいです。

処理中です...