295 / 382
第二十四話
3
しおりを挟む
「そうか。俺が周防に預けた秘蔵のエロ本は、なんとか無事だったってわけか。なんか周防には、悪い事をしたな」
「悪いと思っているのなら、そんな秘蔵のものなんて預けないでよ。香奈姉ちゃんに見つかった時なんて、正直ヒヤッとしたんだよ」
僕は、面白半分に笑みを浮かべてそう言ってくる慎吾にそう返す。
ホントに悪い事をしたと思ってるんだろうか。
よりにもよって、慎吾の秘蔵のエロ本を預けるなんて……。
普通の人なら、そんな事はしないだろう。
とりあえず学校内ということもあり、例のエロ本は持ってきてはいないが。
「とりあえず、アレは今日中に返したいから、いつもの公園でいいよね?」
「別に構わないが……。もういいのか?」
「あんなもの──。持っていても、なにもいい事はないし。それに……」
「そうか。まぁ、俺が押しつけたようなもんだしな。しょうがないか……」
さすがに燃やされたりしたらたまらないと思ったのか、慎吾は残念そうな表情でそう言った。
一体、いつまで預かってもらおうと思ってたんだろうか。
僕自身、安易にそんなものを預かってしまったのが一番悪いことなんだろうけど……。
「ところで、俺の秘蔵のエロ本を見た時、西田先輩はどんな反応だった?」
「それは……。ちょっと言いにくいな」
僕は、微妙な表情でそう言って慎吾から視線を逸らす。
まさか怖いくらいの笑顔で迫られた、なんて言えないし……。
「周防のその反応は、ひょっとして──」
「喜んでなかったのは、たしかだよ」
「やっぱりね……」
慎吾は、がっくりと肩を落とす。
ちょっと期待しちゃったのかな?
いやいや──
普通に考えて、エロ本を見て喜ぶ女の子はまずいないだろう。
あの時の香奈姉ちゃんの笑顔は、どう見ても怒ってたようにしか見えないよ。
慎吾は約束は守るタイプだ。
だから約束した場所にはきちんとやって来ている。
バイト先の同僚でもあるから当たり前のことだが、10分前行動はもはや癖になっている。
かくいう僕自身も、それは同じだ。
「はい。これ──」
僕は、約束どおり秘蔵のエロ本を渡す。
そのまま渡すのはさすがにまずいので紙袋に入れて、だ。
慎吾は、紙袋の中身を確認すると小さく頷く。
「おう。ありがとな」
「うん」
一応、紙袋の中には、エロ本だけじゃなくてお礼の粗品なども入っている。
さすがにそうしないと、申し訳がたたないと思ったのだ。
「西田先輩は? 一緒じゃないのか?」
「今日は、忙しいみたいで」
「そうか。残念だ」
そんな時に、残念そうな表情を浮かべなくても……。
今回は、香奈姉ちゃんとデートっていう口実で公園にやって来てるわけじゃないから香奈姉ちゃんはいないし。
僕の家でエロ本とかの受け渡しとかやると、必ずと言っていいほど香奈姉ちゃんがちょっかいをかけてくるから、そうしなかっただけだ。
どこかから視線は感じるけど……。
そんな事とは気づかずに慎吾は──
「ところで周防。新しいエロ本を持ってきてるんだが、どうする? 読んでみたいか?」
「いや……。やめておくよ。さすがに……」
慎吾から新しいエロ本を勧められたが、遠慮しておいた。
香奈姉ちゃんに見つかったばっかりのタイミングで、また貸し借りをするっていうのは──
さすがにないだろう。
それに、慎吾が持ってるエロ本って、どこで購入してるんだろうか。
18歳未満は購入できないはずでは……。
聞いたら色々とヤバイことだらけなので、敢えて聞かないようにしてるけど。
「大丈夫だって! もしかしたら、西田先輩もやってくれるかもしれないし」
「なにを?」
新しいエロ本の内容を知らないのに、つい訊いてしまっていた。
「それはだな。やっぱり──」
「ごめん。やっぱり聞かないでおこうかな。聞いたら、よけいに借りたくなっちゃうし……」
「え~。借りるつもりで来たんじゃないのかよ。だったら、他の奴に貸しちまった方がいいかな」
慎吾は、そう言って新しいエロ本を仕舞おうとする。
そうしたところで、僕が焦るとでも思っているんだろうか。
「是非そうしてよ」
「ホントにいいのか? 貸しちまったら、次に読めるのは数ヶ月後になってしまうんだぞ。今だったら──」
僕だって『男』だから、まったくエロ本に興味がないかと言われたら、『ノー』と答えるだろう。だけど──
やっぱり香奈姉ちゃんに見つかってしまったのが、ヤバかったんだと思う。
ほとぼりが冷めるまではやめておこうかとさえ思ってしまう僕がいる。
「やっぱり香奈姉ちゃんに見つからないようにするのは、無理だと思うから……。今回は、遠慮しておくよ」
「西田先輩か……。あの人って、やっぱりそういうのは嫌いだったりするんだな」
「うん。香奈姉ちゃんだからね」
「まぁ、見るからに真面目そうだしな」
言い方がマイルドだが、はっきり言えば『お堅い』ってことだろう。
でもエロ本が好きな女の子は、そうそういないんじゃ……。
アニメや漫画の世界ならいるかもしれないが、リアルではさすがに──
「まぁね。香奈姉ちゃんは、バンドのリーダーやってるけど、実直で真面目だからね。そういうのはやっぱり──」
「周防に女装させたりするのに真面目かぁ。もしかして、お前ってそういうのが好きだったりするのか?」
「そんなわけないだろ。さすがに女装はどうかとは思っているよ……」
「そうだよなぁ……」
慎吾は、当然の反応を見せる。
いつもの対応を見せたつもりだったんだが、慎吾の目には、そうは見えなかったらしい。
どうでもいい事だけど。
「悪いと思っているのなら、そんな秘蔵のものなんて預けないでよ。香奈姉ちゃんに見つかった時なんて、正直ヒヤッとしたんだよ」
僕は、面白半分に笑みを浮かべてそう言ってくる慎吾にそう返す。
ホントに悪い事をしたと思ってるんだろうか。
よりにもよって、慎吾の秘蔵のエロ本を預けるなんて……。
普通の人なら、そんな事はしないだろう。
とりあえず学校内ということもあり、例のエロ本は持ってきてはいないが。
「とりあえず、アレは今日中に返したいから、いつもの公園でいいよね?」
「別に構わないが……。もういいのか?」
「あんなもの──。持っていても、なにもいい事はないし。それに……」
「そうか。まぁ、俺が押しつけたようなもんだしな。しょうがないか……」
さすがに燃やされたりしたらたまらないと思ったのか、慎吾は残念そうな表情でそう言った。
一体、いつまで預かってもらおうと思ってたんだろうか。
僕自身、安易にそんなものを預かってしまったのが一番悪いことなんだろうけど……。
「ところで、俺の秘蔵のエロ本を見た時、西田先輩はどんな反応だった?」
「それは……。ちょっと言いにくいな」
僕は、微妙な表情でそう言って慎吾から視線を逸らす。
まさか怖いくらいの笑顔で迫られた、なんて言えないし……。
「周防のその反応は、ひょっとして──」
「喜んでなかったのは、たしかだよ」
「やっぱりね……」
慎吾は、がっくりと肩を落とす。
ちょっと期待しちゃったのかな?
いやいや──
普通に考えて、エロ本を見て喜ぶ女の子はまずいないだろう。
あの時の香奈姉ちゃんの笑顔は、どう見ても怒ってたようにしか見えないよ。
慎吾は約束は守るタイプだ。
だから約束した場所にはきちんとやって来ている。
バイト先の同僚でもあるから当たり前のことだが、10分前行動はもはや癖になっている。
かくいう僕自身も、それは同じだ。
「はい。これ──」
僕は、約束どおり秘蔵のエロ本を渡す。
そのまま渡すのはさすがにまずいので紙袋に入れて、だ。
慎吾は、紙袋の中身を確認すると小さく頷く。
「おう。ありがとな」
「うん」
一応、紙袋の中には、エロ本だけじゃなくてお礼の粗品なども入っている。
さすがにそうしないと、申し訳がたたないと思ったのだ。
「西田先輩は? 一緒じゃないのか?」
「今日は、忙しいみたいで」
「そうか。残念だ」
そんな時に、残念そうな表情を浮かべなくても……。
今回は、香奈姉ちゃんとデートっていう口実で公園にやって来てるわけじゃないから香奈姉ちゃんはいないし。
僕の家でエロ本とかの受け渡しとかやると、必ずと言っていいほど香奈姉ちゃんがちょっかいをかけてくるから、そうしなかっただけだ。
どこかから視線は感じるけど……。
そんな事とは気づかずに慎吾は──
「ところで周防。新しいエロ本を持ってきてるんだが、どうする? 読んでみたいか?」
「いや……。やめておくよ。さすがに……」
慎吾から新しいエロ本を勧められたが、遠慮しておいた。
香奈姉ちゃんに見つかったばっかりのタイミングで、また貸し借りをするっていうのは──
さすがにないだろう。
それに、慎吾が持ってるエロ本って、どこで購入してるんだろうか。
18歳未満は購入できないはずでは……。
聞いたら色々とヤバイことだらけなので、敢えて聞かないようにしてるけど。
「大丈夫だって! もしかしたら、西田先輩もやってくれるかもしれないし」
「なにを?」
新しいエロ本の内容を知らないのに、つい訊いてしまっていた。
「それはだな。やっぱり──」
「ごめん。やっぱり聞かないでおこうかな。聞いたら、よけいに借りたくなっちゃうし……」
「え~。借りるつもりで来たんじゃないのかよ。だったら、他の奴に貸しちまった方がいいかな」
慎吾は、そう言って新しいエロ本を仕舞おうとする。
そうしたところで、僕が焦るとでも思っているんだろうか。
「是非そうしてよ」
「ホントにいいのか? 貸しちまったら、次に読めるのは数ヶ月後になってしまうんだぞ。今だったら──」
僕だって『男』だから、まったくエロ本に興味がないかと言われたら、『ノー』と答えるだろう。だけど──
やっぱり香奈姉ちゃんに見つかってしまったのが、ヤバかったんだと思う。
ほとぼりが冷めるまではやめておこうかとさえ思ってしまう僕がいる。
「やっぱり香奈姉ちゃんに見つからないようにするのは、無理だと思うから……。今回は、遠慮しておくよ」
「西田先輩か……。あの人って、やっぱりそういうのは嫌いだったりするんだな」
「うん。香奈姉ちゃんだからね」
「まぁ、見るからに真面目そうだしな」
言い方がマイルドだが、はっきり言えば『お堅い』ってことだろう。
でもエロ本が好きな女の子は、そうそういないんじゃ……。
アニメや漫画の世界ならいるかもしれないが、リアルではさすがに──
「まぁね。香奈姉ちゃんは、バンドのリーダーやってるけど、実直で真面目だからね。そういうのはやっぱり──」
「周防に女装させたりするのに真面目かぁ。もしかして、お前ってそういうのが好きだったりするのか?」
「そんなわけないだろ。さすがに女装はどうかとは思っているよ……」
「そうだよなぁ……」
慎吾は、当然の反応を見せる。
いつもの対応を見せたつもりだったんだが、慎吾の目には、そうは見えなかったらしい。
どうでもいい事だけど。
0
あなたにおすすめの小説
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
美人四天王の妹とシテいるけど、僕は学校を卒業するまでモブに徹する、はずだった
ぐうのすけ
恋愛
【カクヨムでラブコメ週間2位】ありがとうございます!
僕【山田集】は高校3年生のモブとして何事もなく高校を卒業するはずだった。でも、義理の妹である【山田芽以】とシテいる現場をお母さんに目撃され、家族会議が開かれた。家族会議の結果隠蔽し、何事も無く高校を卒業する事が決まる。ある時学校の美人四天王の一角である【夏空日葵】に僕と芽以がベッドでシテいる所を目撃されたところからドタバタが始まる。僕の完璧なモブメッキは剥がれ、ヒマリに観察され、他の美人四天王にもメッキを剥され、何かを嗅ぎつけられていく。僕は、平穏無事に学校を卒業できるのだろうか?
『この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』
久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…
しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。
高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。
数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。
そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…
幼馴染みのメッセージに打ち間違い返信したらとんでもないことに
家紋武範
恋愛
となりに住む、幼馴染みの夕夏のことが好きだが、その思いを伝えられずにいた。
ある日、夕夏のメッセージに返信しようとしたら、間違ってとんでもない言葉を送ってしまったのだった。
イケボすぎる兄が、『義妹の中の人』をやったらバズった件について
のびすけ。
恋愛
春から一人暮らしを始めた大学一年生、天城コウは――ただの一般人だった。
だが、再会した義妹・ひよりのひと言で、そんな日常は吹き飛ぶ。
「お兄ちゃんにしか頼めないの、私の“中の人”になって!」
ひよりはフォロワー20万人超えの人気Vtuber《ひよこまる♪》。
だが突然の喉の不調で、配信ができなくなったらしい。
その代役に選ばれたのが、イケボだけが取り柄のコウ――つまり俺!?
仕方なく始めた“妹の中の人”としての活動だったが、
「え、ひよこまるの声、なんか色っぽくない!?」
「中の人、彼氏か?」
視聴者の反応は想定外。まさかのバズり現象が発生!?
しかも、ひよりはそのまま「兄妹ユニット結成♡」を言い出して――
同居、配信、秘密の関係……って、これほぼ恋人同棲じゃん!?
「お兄ちゃんの声、独り占めしたいのに……他の女と絡まないでよっ!」
代役から始まる、妹と秘密の“中の人”Vライフ×甘々ハーレムラブコメ、ここに開幕!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる