僕の姉的存在の幼馴染が、あきらかに僕に好意を持っている件〜

柿 心刃

文字の大きさ
335 / 382
第二十六話

11

しおりを挟む
「おはよう、弟くん。今日も、いい朝だね」

変わらずの可愛い笑顔で香奈姉ちゃんは僕のことを起こそうとしてくる。
制服を着て待っていることから、もう登校時間なのだろう。
しかし、わざわざ僕が寝ているベッドの上に跨ってというのはどうなんだろう。
そのアングルからだとスカートの中が普通に見えちゃってるんですけど……。
いくらなんでも無防備すぎである。ちなみに、今日の下着の色は白だ。
まぁ、香奈姉ちゃんならいつものことか。
しっかりしているようで、ちょっとだけ無防備なのが香奈姉ちゃんだ。

「おはよう、香奈姉ちゃん。今日は、ずいぶんと早いね。学校でなにかあったりするの?」

時計を見たら、まだ午前の7時にもなっていない。
時間的には、まだ余裕がある。
今日くらいは、ゆっくりと眠っていたいんだけど。

「なにもないよ。ただ弟くんの顔が見たかっただけだよ」
「そうなんだ。香奈姉ちゃんらしいね」
「そして、これをやりたくて──」

香奈姉ちゃんは、なにを思ったのか僕の唇にキスをしてきた。
そんなことされたら、眠気が一気にどこかにいってしまう。
抵抗しようにも、香奈姉ちゃんが僕の両方の手をそれぞれに掴んでしまっていて、なにもできない状態だ。
さすがにしっかりと着こなしている制服を乱したくないのだろう。

「いきなりどうしたの? 今日は、ずいぶんと積極的だね」
「なんか嫌な夢を見たの」
「嫌な夢? どんな?」
「弟くんが他の女の子と付き合う夢──。絶対にありえないはずなのに……」
「………」

さすがになんて言い返せばいいのかわからなかった。
香奈姉ちゃんのヤキモチに関しては、僕にもどうにもならない。
だからといって香奈姉ちゃんから視線を逸らすというのは図星をつかれた形になりかねないので、そんなことはしなかったが。

「そんな夢を見たんだ……。まぁ、その辺りは心配しなくても大丈夫そうかな」
「どうしてよ?」
「僕には、女の子の知り合いはいないし……。いたとしても香奈姉ちゃんがよく知る人物しかいないからね」
「そう言われても……。信用できない」

そう言って香奈姉ちゃんは、ジト目で睨んでくる。
ベッドの上で騎乗位の状態でいられてもな。
真っ白な下着が丸見えなんだが……。
なにかのアプローチのつもりなんだろうか。

「なにをしたら信用してもらえるの?」
「ん~。そうだなぁ。エッチなことは、もうしてもらっているからいいとして──。少なくともデートくらいはしてくれてもいいんじゃないかな」
「デートはすでにやってると思うんだけど……。僕としては、今の香奈姉ちゃんとの関係について悩んでいるよ」
「いいじゃない。私としては、弟くんとはこれからも変わらずに仲良くしていきたいし。それに──」
「それに?」
「これ以上は、私の口から言うのはちょっとね」

やっぱりこれ以上のことは求められないか。
香奈姉ちゃんの場合、普通にデートをするだけでも大変だ。
ただでさえ可愛いから周囲の人たちの視線が向けられてしまう。
最近はナンパをしてくる人は減ったものの、それでも1人で歩かせるのは危険だと思うくらいだ。

「やっぱり僕とのスキンシップは嫌だったりするの?」
「弟くんとのスキンシップは、私としてのアイデンティティだったりするから、しない選択肢はないよ。そんなことよりも、今の私はまったくの無防備だよ? なにもしないの?」
「えっ」
「今なら、なにされても怒らないから──ね」

たしかに今の香奈姉ちゃんの体勢は無防備だ。
騎乗位の状態ではあるものの、香奈姉ちゃんの体重はそんなに重くはない。簡単に起き上がる事ができる。
たぶんこの状態で起き上がったら、香奈姉ちゃんのあられもない姿が見られるかもしれない。
そんなことしちゃってもいいんだろうか。
やっぱり姉的存在の幼馴染っていうのは、かなりのインパクトがあるっていうか。

「具体的にはなにを?」
「そこはほら。弟くんが一番好きな事だよ」
「僕の好きな事…か」
「そんなに深く考える必要はないと思うんだけどなぁ」

香奈姉ちゃんは、思案げな表情を浮かべてそう言っていた。
そんなこと言われてもな。
香奈姉ちゃんとの間のことだと嫌でも変なことを想像してしまう。
しかし──
こんなにも香奈姉ちゃんが綺麗で可愛く見えてしまうのは、僕だけに見せる素顔があるからなのかもしれない。

「僕にとっては、香奈姉ちゃんが近くにいてくれるだけで十分に満足だよ。だから心配しなくても──」
「そういうことじゃないんだけどなぁ……。まぁ、弟くんらしいって言ったらそれらしいし、そのとおりなんだけど──」
「もしかして、なんか不満なこととかあったりする?」
「不満なこと…か。まぁ、ないと言われたらないし、あると言われたらあるかな……」

香奈姉ちゃんのその返答は、あきらかに不満をもらしている。
見るからにムスッとしたようなその表情がすべてを物語っている。
笑顔以外の表情をあまり見せないから、すぐにわかってしまう。
う~ん……。
そんな不満そうな表情も、とても可愛いっていうか。

「そっか。なんだか香奈姉ちゃんらしくないね。いつもなら、そんな顔は見せないのに……」
「私は、いつもどおりだよ。これがいつもの私だよ」
「………」

これ以上は、なにも言えなかった。
さすがの僕も、否定的なことは言えない。

「どうしたの? 私の顔になにかついてる?」
「いや……。別に……」

香奈姉ちゃんに、僕の内心を悟られるわけにはいかない。
しかし香奈姉ちゃんは、僕の顔の近くまで顔を寄せてくる。

「わかっているよ。弟くんは、私のことだけじゃなくて、奈緒ちゃんたちのことも大好きなんだよね?」
「僕は……」
「これ以上は、無理に言わなくても大丈夫だよ。私には、ちゃんとわかっているから」

香奈姉ちゃんは、優しそうな笑顔を浮かべそう言っていた。
ここでも無理な笑顔をつくらないのが、香奈姉ちゃんらしいっていえば、そのとおりなんだよなぁ。
香奈姉ちゃんの笑顔を見て、僕はどこか安心感を覚えてしまう。
それに依存している僕もどうかしている。そうとは思うものの、香奈姉ちゃんがそうやって迫ってくるのだから、どうにもならない。
やっぱり、僕の前ではお姉さんぶりたいんだろうか。
これでは、恋愛的に対等にはならないと思うんだけど……。

「僕にとっては香奈姉ちゃんも奈緒さんたちも大事な──」
「ありがとう。弟くん」

香奈姉ちゃんは、よほど嬉しかったのか僕に抱きついていた。
朝っぱらから、こんなことされたらさすがに恥ずかしいかも……。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

私の推し(兄)が私のパンツを盗んでました!?

ミクリ21
恋愛
お兄ちゃん! それ私のパンツだから!?

美人四天王の妹とシテいるけど、僕は学校を卒業するまでモブに徹する、はずだった

ぐうのすけ
恋愛
【カクヨムでラブコメ週間2位】ありがとうございます! 僕【山田集】は高校3年生のモブとして何事もなく高校を卒業するはずだった。でも、義理の妹である【山田芽以】とシテいる現場をお母さんに目撃され、家族会議が開かれた。家族会議の結果隠蔽し、何事も無く高校を卒業する事が決まる。ある時学校の美人四天王の一角である【夏空日葵】に僕と芽以がベッドでシテいる所を目撃されたところからドタバタが始まる。僕の完璧なモブメッキは剥がれ、ヒマリに観察され、他の美人四天王にもメッキを剥され、何かを嗅ぎつけられていく。僕は、平穏無事に学校を卒業できるのだろうか? 『この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』

久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…

しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。 高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。 数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。 そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…

幼馴染みのメッセージに打ち間違い返信したらとんでもないことに

家紋武範
恋愛
 となりに住む、幼馴染みの夕夏のことが好きだが、その思いを伝えられずにいた。  ある日、夕夏のメッセージに返信しようとしたら、間違ってとんでもない言葉を送ってしまったのだった。

イケボすぎる兄が、『義妹の中の人』をやったらバズった件について

のびすけ。
恋愛
春から一人暮らしを始めた大学一年生、天城コウは――ただの一般人だった。 だが、再会した義妹・ひよりのひと言で、そんな日常は吹き飛ぶ。 「お兄ちゃんにしか頼めないの、私の“中の人”になって!」 ひよりはフォロワー20万人超えの人気Vtuber《ひよこまる♪》。 だが突然の喉の不調で、配信ができなくなったらしい。 その代役に選ばれたのが、イケボだけが取り柄のコウ――つまり俺!? 仕方なく始めた“妹の中の人”としての活動だったが、 「え、ひよこまるの声、なんか色っぽくない!?」 「中の人、彼氏か?」 視聴者の反応は想定外。まさかのバズり現象が発生!? しかも、ひよりはそのまま「兄妹ユニット結成♡」を言い出して―― 同居、配信、秘密の関係……って、これほぼ恋人同棲じゃん!? 「お兄ちゃんの声、独り占めしたいのに……他の女と絡まないでよっ!」 代役から始まる、妹と秘密の“中の人”Vライフ×甘々ハーレムラブコメ、ここに開幕!

服を脱いで妹に食べられにいく兄

スローン
恋愛
貞操観念ってのが逆転してる世界らしいです。

処理中です...