割込み王女に祝福を(婚約解消いただきました。ありがとうございました)

久留美眞理

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序章

ベアトリックスの決意

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序章 ベアトリックスの決意

 「そろそろ下へ行かなくては」
 ベアトリックスがつぶやく。
 そのつぶやきが聞こえたかのようなタイミングで、ドアをノックして母が入ってきた。
 「ベアティ、準備は出来ているわね。客人がお待ちかねよ」
 「お嬢さまのお支度は完璧でございます。奥さま」。
 年老いた侍女が言った。彼女は、目に涙を浮かべている。
 「客と呼ぶのもいまいましい者たちだけれど、失敗するわけにはいかないのよ」
 母のクローディアが耳もとで囁いた。
 「頑張ってちょうだい、ベアティ。あなたを追い詰めたようで心が痛むけれど、こうしなければ、我が家門は生き残れないのよ」
 「わかっていましてよ。お母さま。それに、ばあやも心配しないで」
 ベアトリックスは、立ち上がり、歩き出した。後戻りのできない道を。

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