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序章:断罪の儀
王太子妃(仮)
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朝の陽射しが、王宮の壁を染め上げ、窓に差し込む。
クラリスはベッドから身体を起こすと、大きく「うーん」と背伸びをした。
窓からの光はクラリスの全身を煌々と照らし、笑顔を一層まぶしいものにする。
少しして、うつむきがちにおずおずと、クラリス付きの侍女であるリュシアが部屋に入ってきた。
そんなリュシアの様子を見て、クラリスは軽くたしなめる。
「おはようリュシア! どうしたの? こんな素敵な朝にそんな暗い顔をして」
リュシアはクラリスの明るい声に、少し背筋がしゃんとなった。
「おはようございます、クラリス様。大変申し訳ございません……実は朝食の支度なのですが、私がミルクをこぼしてしまったせいで遅れてしまっていて……」
「……リュシア?昨晩は、朝食用のモーラ豆を、台所の床一面に全部まき散らしたって、聞いたけど……?」
クラリスは悪戯っぽく言った。
「も、申し訳ありません!」
「ふふ、冗談よ。リュシア。私からも皆に『リュシアも反省しているから、許してあげてね』と言っておいてあげるから」
「あ、ありがとうございますぅ……」
そんなリュシアの様子に、クラリスはくすりと笑うと、窓の方を見ながら言った。
「今までありがとうね、リュシア」
「な……何をおっしゃいます、クラリス様」
「だって、本当の事よ。あなたがいなければ、私王太子妃になんか、きっとなれなかったわ」
「ひぇぇ……わ、私なんかには、もったいないお言葉です……」
クラリスの言葉にリュシアは身体をきゅっとしてうつむく。
「リュシア」
「は、はい!」
クラリスの呼び声に、リュシアは返事をする。
顔をあげると、クラリスは、ちょうどこちらに振り返るところだった。
ブロンドの少しカールした髪が光に揺れ、やがてそれはクラリスを包む。その姿はまるで、神様がくれたベールを身にまとっているかのようだった。
「もちろん、これからも、よろしくね」
クラリスの姿にただ茫然と見惚れていたリュシアは、突然の呼びかけに、裏返ったような変な声で「はい」と答え、またクラリスに笑われてしまった。
リュシアは「申し訳ございません」と、しばらく繰り返していたが、喉の調子を整えると、深々とお辞儀をした。
「クラリス様。この度、婚礼の儀が執り行われること、正式な王太子妃として認められることが決まりましたこと、本当に、おめでとうございます!」
クラリスは、しばらくの間、何も言わずに小さく折りたたまれた背中を見つめていたが、やがてリュシアの両手を取った。
そして静かに、
「ありがとう」
と、言った。
クラリスが、リュシアの体を起こすと、リュシアは泣いていた。
「本当に良かったです」と、ずっと繰り返していた。
クラリスはベッドから身体を起こすと、大きく「うーん」と背伸びをした。
窓からの光はクラリスの全身を煌々と照らし、笑顔を一層まぶしいものにする。
少しして、うつむきがちにおずおずと、クラリス付きの侍女であるリュシアが部屋に入ってきた。
そんなリュシアの様子を見て、クラリスは軽くたしなめる。
「おはようリュシア! どうしたの? こんな素敵な朝にそんな暗い顔をして」
リュシアはクラリスの明るい声に、少し背筋がしゃんとなった。
「おはようございます、クラリス様。大変申し訳ございません……実は朝食の支度なのですが、私がミルクをこぼしてしまったせいで遅れてしまっていて……」
「……リュシア?昨晩は、朝食用のモーラ豆を、台所の床一面に全部まき散らしたって、聞いたけど……?」
クラリスは悪戯っぽく言った。
「も、申し訳ありません!」
「ふふ、冗談よ。リュシア。私からも皆に『リュシアも反省しているから、許してあげてね』と言っておいてあげるから」
「あ、ありがとうございますぅ……」
そんなリュシアの様子に、クラリスはくすりと笑うと、窓の方を見ながら言った。
「今までありがとうね、リュシア」
「な……何をおっしゃいます、クラリス様」
「だって、本当の事よ。あなたがいなければ、私王太子妃になんか、きっとなれなかったわ」
「ひぇぇ……わ、私なんかには、もったいないお言葉です……」
クラリスの言葉にリュシアは身体をきゅっとしてうつむく。
「リュシア」
「は、はい!」
クラリスの呼び声に、リュシアは返事をする。
顔をあげると、クラリスは、ちょうどこちらに振り返るところだった。
ブロンドの少しカールした髪が光に揺れ、やがてそれはクラリスを包む。その姿はまるで、神様がくれたベールを身にまとっているかのようだった。
「もちろん、これからも、よろしくね」
クラリスの姿にただ茫然と見惚れていたリュシアは、突然の呼びかけに、裏返ったような変な声で「はい」と答え、またクラリスに笑われてしまった。
リュシアは「申し訳ございません」と、しばらく繰り返していたが、喉の調子を整えると、深々とお辞儀をした。
「クラリス様。この度、婚礼の儀が執り行われること、正式な王太子妃として認められることが決まりましたこと、本当に、おめでとうございます!」
クラリスは、しばらくの間、何も言わずに小さく折りたたまれた背中を見つめていたが、やがてリュシアの両手を取った。
そして静かに、
「ありがとう」
と、言った。
クラリスが、リュシアの体を起こすと、リュシアは泣いていた。
「本当に良かったです」と、ずっと繰り返していた。
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