ブラックギルドマスターへ、社畜以下の道具として扱ってくれてあざーす!お陰で転職した俺は初日にSランクハンターに成り上がりました!

仁徳

文字の大きさ
10 / 171
第二章

第一話 ユリヤと共同作業

しおりを挟む
~リュシアン視点~



「それじゃあ、今日の分の依頼なんだけど、リュシアン君はユリヤと一緒にコモラの討伐に向かってくれないかしら?」

 ギルドマスターのエレーヌさんから、俺はユリヤと共同で依頼を受けるように言われる。

「わかりました」

「はい、それじゃあこれが依頼書ね」

 エレーヌさんから依頼書を受け取り、もう一度内容の確認をする。

 討伐モンスターはコモラ、そして場所はロックマウンテンか。あそこは殆ど岩山で、足場が悪いから気を付けながら歩かないといけないんだよな。

 えーと、依頼主の一言は?

『俺がこの前ロックマウンテンを歩いていると、偶然コモラを発見した。ロックマウンテンは仕事がらよく行く場所なので、早く討伐をしてほしい。因みにこの前、見慣れない影を見た。あれは竜種のようにも見えたのだが、勘違いだろうか? ハンターさんはくれぐれも気を付けてほしい』

 うーん、コモラも小型ではあるけど一応竜種なんだけどなぁ。まぁ、一応気を付けるとするか。

「リュシアンさん! 頑張りましょう!」

 依頼書を眺めていると、ユリヤが茶色の瞳で俺を見ながら声をかけてくる。

「ああ、依頼主のためにも頑張ろう!」

「はい! あのクイーンフレイヤーを一人で倒したSランクハンターのリュシアンさんと、一緒に依頼ができて光栄です!」

 ユリヤが尊敬の眼差しを向けて来るが、どうも俺には自覚がない。俺の中ではあれくらいできて当たり前だ。そうじゃないと、あの過酷な環境下では生き残れなかったからな。

 だけどまぁ、ブラックギルドに居たからこそ、俺は転職してSランクハンターになれた訳だし、その辺は一応アントニオに感謝するべきなのかもしれないな。

「俺と一緒だからと言って、あんまり緊張しないでくれ。ここではユリヤが先輩なんだから」

「そ、そうですね。私はリュシアンさんの先輩ですもの。何か分からないことがあればなんでも聞いてください」

 先輩と呼ばれて嬉しいのだろうな。ユリヤの顔が綻んでいる。

 そんな彼女を見ると、今度はエレーヌさんに顔を向けた。

「それでは行ってきます」

「ちょっと待って、支給品アイテムを忘れているわよ」

 ギルドマスターに声をかけてギルドから出ようとすると、エレーヌさんが支給品アイテムを忘れていることを教えてくれた。

 そうだった。このギルドでは出発前に支給品アイテムが貰えるのだったよな。すっかり忘れていた。

「はい。このポーチの中に必要な支給品アイテムは入っているから」

「エレーヌさん、俺をからかわないでくださいよ。このポーチにアイテムが入るわけがないじゃないですか」

 手渡されたポーチは腰に巻けるようにベルトが取り付けてあるが、はっきり言って小さすぎる。これでは一つ入れただけでパンパンだ。

 話では、一回の討伐でもらえるアイテムは、傷を癒す回復ポーションやモンスターを逃しても居場所が特定できるマーキング玉、それに携帯食料などと言う話だ。このポーチではマーキング玉を一つ入れるのがやっとだ。

 俺を騙そうとしてもムダだ。そう思っていると、俺の反応を見てエレーヌさんとユリヤはニヤニヤと笑みを浮かべてくる。

 なんだよ。二人してそんなにニヤニヤして。俺、変なことでも言ったか?

「ユリヤ、その中に入っているものを全部取り出して見せて」

「はーい」

 ユリヤが返事をすると、彼女はポーチの中に腕を突っ込む。そしてピンク色の玉を取り出した。

 マーキング玉だな。これくらいなら入っていて当然だ。

 一つのアイテムを取り出すと、再びユリヤがポーチの中に腕を突っ込む。すると今度は緑色の液体が入った瓶を取り出す。

 その光景を見た俺は、自分の目を疑った。

 うそだろう! どう考えてもあのポーチの中に、マーキング玉と回復ポーションが入る訳がないじゃないか!

 信じられないでいると、ユリヤは次々とポーチからアイテムを取り出す。

「はい。これで全部になります」

 ユリヤがポーチから取り出したのは、回復ポーション十個、マーキング玉十個、携帯食料が三食分入っていた。

 これは前に聞いた支給品アイテムの数と一致する。

「エレーヌさん、これはいったいどういうことなのですか?」

「うふふ、このポーチはね。アイテムボックスになっているのよ。だから入り口に入ってしまえば、圧縮して中に入れることができるのよ」

 アイテムボックスは名前だけは聞いたことがある。だけどそれは空想の物ではなかったのか? 実在しているなんて初耳だ。

「このアイテムボックスは時間停止型だから、素材なんかも新鮮なまま保存することができるわ。だから必要なときに取り出して、装備品に加工することができるのよ」

 へー、それは本当に便利だな。モンスターから剥ぎ取ったものは勿論鮮度がある。時間が経てば経つほど痛んで使い物にならないケースもあるから、これは本当に助かる。

「そんなこともできるのですね。本当に便利だ」

「はい、これがリュシアンさんのポーチです。失くすと大変なので、今のうちに腰に巻いてください」

 取り出したアイテムを全て仕舞うと、ユリヤが俺にポーチを渡してくる。

「分かった。ありがとう」

 ポーチを受け取るとベルトを使って腰に巻き。準備を終える。

 確かにこの大きさなら、戦闘中にも邪魔にはならなさそうだな。

「それでは、今度こそ行ってきます」

「はい行ってらっしゃい。怪我にはくれぐれも気を付けるのよ。あと、予定外のことが起きてもけしてムリをしてはダメよ。えーとそれから」

 エレーヌさんは人差し指を頬に持って行くと、俺たちに出発前の助言をしてくる。

 この感じ、遊びに出かける子供に言う母親みたいだな。なんだか懐かしい。本当に俺たちは、血は繋がっていないけど家族のように感じる。

「あはは、こうなるとエレーヌさんは話が長くなるから行きましょう」

 ユリヤが俺の手を握るとギルドから連れ出した。










最後まで読んでいただきありがとうございます。

面白かった! この物語は期待できる! 続きが早く読みたい!

など思っていただけましたら、【感想】や【お気に入り登録】をしていただけると、作者のモチベが上がり、更新が早くなります。

【感想】は一言コメントでも大丈夫です。

何卒宜しくお願いします。
しおりを挟む
感想 29

あなたにおすすめの小説

【完結】スキルを作って習得!僕の趣味になりました

すみ 小桜(sumitan)
ファンタジー
《ファンタジー小説大賞エントリー作品》 どんなスキル持ちかによって、人生が決まる。生まれ持ったスキルは、12歳過ぎから鑑定で見えるようになる。ロマドは、4度目の15歳の歳の鑑定で、『スキル錬金』という優秀なスキルだと鑑定され……たと思ったが、錬金とつくが熟練度が上がらない!結局、使えないスキルとして一般スキル扱いとなってしまった。  どうやったら熟練度が上がるんだと思っていたところで、熟練度の上げ方を発見!  スキルの扱いを錬金にしてもらおうとするも却下された為、仕方なくあきらめた。だが、ふと「作成条件」という文字が目の前に見えて、その条件を達してみると、新しいスキルをゲットした!  天然ロマドと、タメで先輩のユイジュの突っ込みと、チェトの可愛さ(ロマドの主観)で織りなす、スキルと笑いのアドベンチャー。

おっさん料理人と押しかけ弟子達のまったり田舎ライフ

双葉 鳴
ファンタジー
真面目だけが取り柄の料理人、本宝治洋一。 彼は能力の低さから不当な労働を強いられていた。 そんな彼を救い出してくれたのが友人の藤本要。 洋一は要と一緒に現代ダンジョンで気ままなセカンドライフを始めたのだが……気がつけば森の中。 さっきまで一緒に居た要の行方も知れず、洋一は途方に暮れた……のも束の間。腹が減っては戦はできぬ。 持ち前のサバイバル能力で見敵必殺! 赤い毛皮の大きなクマを非常食に、洋一はいつもの要領で食事の準備を始めたのだった。 そこで見慣れぬ騎士姿の少女を助けたことから洋一は面倒ごとに巻き込まれていく事になる。 人々との出会い。 そして貴族や平民との格差社会。 ファンタジーな世界観に飛び交う魔法。 牙を剥く魔獣を美味しく料理して食べる男とその弟子達の田舎での生活。 うるさい権力者達とは争わず、田舎でのんびりとした時間を過ごしたい! そんな人のための物語。 5/6_18:00完結!

スキル間違いの『双剣士』~一族の恥だと追放されたが、追放先でスキルが覚醒。気が付いたら最強双剣士に~

きょろ
ファンタジー
この世界では5歳になる全ての者に『スキル』が与えられる――。 洗礼の儀によってスキル『片手剣』を手にしたグリム・レオハートは、王国で最も有名な名家の長男。 レオハート家は代々、女神様より剣の才能を与えられる事が多い剣聖一族であり、グリムの父は王国最強と謳われる程の剣聖であった。 しかし、そんなレオハート家の長男にも関わらずグリムは全く剣の才能が伸びなかった。 スキルを手にしてから早5年――。 「貴様は一族の恥だ。最早息子でも何でもない」 突如そう父に告げられたグリムは、家族からも王国からも追放され、人が寄り付かない辺境の森へと飛ばされてしまった。 森のモンスターに襲われ絶対絶命の危機に陥ったグリム。ふと辺りを見ると、そこには過去に辺境の森に飛ばされたであろう者達の骨が沢山散らばっていた。 それを見つけたグリムは全てを諦め、最後に潔く己の墓を建てたのだった。 「どうせならこの森で1番派手にしようか――」 そこから更に8年――。 18歳になったグリムは何故か辺境の森で最強の『双剣士』となっていた。 「やべ、また力込め過ぎた……。双剣じゃやっぱ強すぎるな。こりゃ1本は飾りで十分だ」 最強となったグリムの所へ、ある日1体の珍しいモンスターが現れた。 そして、このモンスターとの出会いがグレイの運命を大きく動かす事となる――。

ダンジョンでオーブを拾って『』を手に入れた。代償は体で払います

とみっしぇる
ファンタジー
スキルなし、魔力なし、1000人に1人の劣等人。 食っていくのがギリギリの冒険者ユリナは同じ境遇の友達3人と、先輩冒険者ジュリアから率のいい仕事に誘われる。それが罠と気づいたときには、絶対絶命のピンチに陥っていた。 もうあとがない。そのとき起死回生のスキルオーブを手に入れたはずなのにオーブは無反応。『』の中には何が入るのだ。 ギリギリの状況でユリアは瀕死の仲間のために叫ぶ。 ユリナはスキルを手に入れ、ささやかな幸せを手に入れられるのだろうか。

役立たずと言われダンジョンで殺されかけたが、実は最強で万能スキルでした !

本条蒼依
ファンタジー
地球とは違う異世界シンアースでの物語。  主人公マルクは神聖の儀で何にも反応しないスキルを貰い、絶望の淵へと叩き込まれる。 その役に立たないスキルで冒険者になるが、役立たずと言われダンジョンで殺されかけるが、そのスキルは唯一無二の万能スキルだった。  そのスキルで成り上がり、ダンジョンで裏切った人間は落ちぶれざまあ展開。 主人公マルクは、そのスキルで色んなことを解決し幸せになる。  ハーレム要素はしばらくありません。

隠して忘れていたギフト『ステータスカスタム』で能力を魔改造 〜自由自在にカスタマイズしたら有り得ないほど最強になった俺〜

桜井正宗
ファンタジー
 能力(スキル)を隠して、その事を忘れていた帝国出身の錬金術師スローンは、無能扱いで大手ギルド『クレセントムーン』を追放された。追放後、隠していた能力を思い出しスキルを習得すると『ステータスカスタム』が発現する。これは、自身や相手のステータスを魔改造【カスタム】できる最強の能力だった。  スローンは、偶然出会った『大聖女フィラ』と共にステータスをいじりまくって最強のステータスを手に入れる。その後、超高難易度のクエストを難なくクリア、無双しまくっていく。その噂が広がると元ギルドから戻って来いと頭を下げられるが、もう遅い。  真の仲間と共にスローンは、各地で暴れ回る。究極のスローライフを手に入れる為に。

日本列島、時震により転移す!

黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。

底辺動画主、配信を切り忘れてスライムを育成していたらバズった

椎名 富比路
ファンタジー
ダンジョンが世界じゅうに存在する世界。ダンジョン配信業が世間でさかんに行われている。 底辺冒険者であり配信者のツヨシは、あるとき弱っていたスライムを持ち帰る。 ワラビと名付けられたスライムは、元気に成長した。 だがツヨシは、うっかり配信を切り忘れて眠りについてしまう。 翌朝目覚めると、めっちゃバズっていた。

処理中です...