ブラックギルドマスターへ、社畜以下の道具として扱ってくれてあざーす!お陰で転職した俺は初日にSランクハンターに成り上がりました!

仁徳

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第二章

第三話 子龍の恩返し

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「よし、それじゃあ剥ぎ取り作業に入るとするか」

「そうですね。レア素材を上手く剥ぎ取れるか楽しみです」

 俺たちは手分けして討伐したコモラを剥ぎ取っていく。

 この瞬間がハンターにとって一番過酷だったり楽しかったりするんだよな。

 素材の剥ぎ取りはハンターの腕にかかっている。折角レア素材を剥ぎ取ろうとしても、傷付けてダメにしてしまうケースも良くあることだ。

「まぁ、こんなものだろう」

 モンスターの解体を終え、戦利品の素材をポーチにしまっていく。

 今回はレア素材自体、このモンスターにはなかったな。まぁ、こんなことはよくあることだから気に病む必要はない。

「よし、それじゃギルドに帰ろうか」

「そうですね。帰りましょう」

 全ての作業を終え、俺とユリヤは七番エリアから出る。

「ちょっと待ったそこのお二人さん」

「ここを通りたければ通行料としてアイテム、素材を全て置いていきな!」

「そんなに若い年齢で死にたくはないだろう?」

 四番エリアから三番エリアに繋がる道を三人の男が塞いでいた。

 こいつら一応武装はしているがハンターではないな。通行料を求めているし、こいつらはもしかして。

「お前たちはハンター狩りか?」

「そうだ! 俺たちはハンターを狩るハンターだ」

 ハンター狩りはハンターをターゲットにした野盗だ。こいつらに出会ってしまっては、ハンターはどうすることもできない。

「ハンター狩り!」

 俺の横でユリヤが身体を震わせている。

「おや、おや、お嬢ちゃんを怖がらせたみたいだな」

「安心しな。俺たちは確かに野盗だが、そこまで落ちぶれてはいない。持っているアイテムと素材を全て渡せば、命だけは助けてやる」

「因みに反抗できるものならやってみろ! その瞬間、お前たちはハンターとしての人生が終わるだけだからな。ギャハハハ!」

 ハンター狩りの三人はニヤニヤと下びた笑みを浮かべる。

 ハンターはモンスターから人々を守るために、武器の所有を認められている。しかしモンスター以外に武器を使うと、ハンター資格を剥奪されて二度とハンターになることはできない。

 こいつらはそのことを知っているからこそ、自分たちの方が状況的有利だと思い込んでいるようだ。

 だけど、こいつらはハンター法を全て知っているわけではないみたいだな。ハンターが命の危機を感じたとき、正当防衛が発生する。その時に限っては、特別に武器を使って人を殺めたとしても、罰せられることはない。

 まずは状況作りからやらないといけないな。誰が見ても正当防衛だと言えるシチュエーションに持っていかないと。

「ハハ、その程度で俺がビビって大人しくアイテムを渡すと思っているのか? 俺たちはハンターだぞ。その気になれば武器を使わないで、お前たちを倒すことくらいできる」

 強気に出ると、野盗の三人は額に青筋を浮かべる。

「俺たちを舐めやがって!」

「これでも既に何人ものハンターを葬ってきたんだぞ!」

「折角命だけは助けてやろうとしていたと言うのに、もう怒った! 二人纏めてあの世に送ってやる!」

 三人はそれぞれ吼えるも、持っている得物で斬りかかろうとはしなかった。

 まだ挑発が足りなかったようだな。これでは反撃に出ることができない。

「吼えるだけ吼えて斬りかかって来ないのかよ? 本当に何人ものハンターを葬ってきたのか? 俄かに信じられないな。まぁ、誰だって弱い自分を隠そうとして、吼えることはできるからな」

「その言葉後悔させてやる!」

「こいつでくたばれ!」

「あの世で二人仲良く反省会でもしていな!」

 三人が持っている得物を振り上げる。

 今だ! これなら誰がみても正当防衛が成立する。

 俺は鞘から太刀を抜こうとする。

『ギャオオオン!』

 その時、上空からモンスターの鳴き声が聞こえた。顔を上げると、そこには白い腹に赤い身体の龍が飛翔してきた。

「あれはレッドドラゴン!」

 レッドドラゴンは物凄いスピードで急降下してくると、ハンター狩りの一人を口で挟み、残り二人は足で押さえつけられる。

「ぎゃああああああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

「痛いいいいいいいいいいいいいいいいいいいぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!」

「ハンター! 助けてくれえええええええええええええぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!」

 モンスターに捕まったハンター狩りたちは俺たちに助けを乞う。

「リュシアンさんどうしましょう!」

「待て、なんだか様子が変だ!」

 俺は念のために太刀を抜くと、ユリヤを庇うように構える。

『キュウ、キュウ』

 様子を伺っていると、レッドドラゴンの背中から小さいレッドドラゴンが顔を出した。

 あの子龍はもしかしてユリヤがケガを治したあの子龍か?

「もしかして助けてくれたの?」

『キュウ、キュウ』

 ユリヤの問いかけにレッドドラゴンは鳴くが、正直会話が成立しているのか分からない。

「リュシアンさん、この男たちどうしましょう?」

「そうだな。俺たちはこいつらに手を出すわけにはいかない。それに命を助けてくれたレッドドラゴンに剣を向けるわけにもいかない。ここはレッドドラゴンの判断に任せよう」

 俺がユリヤに言ったその時、レッドドラゴンは再び羽ばたいて上空に上がって行く。

 すると遠目であるが、口に咥えられた男はそのまま噛み砕かれ、足に捕まった男たちはそのまま握りつぶされる。

 どうやらレッドドラゴンは、奴らを許さなかったようだな。

「あ、レッドドラゴンがどこかに行っちゃいましたね。ハンター狩りの三人をどこに連れて行く気なのでしょう?」

 ユリヤには野盗たちの処刑シーンが見えなかったようだな。それはそれでよかった。あんなものを女の子には見せられないからな。

「さぁ? どこに行くのだろうね。そんなことよりも早くギルドに帰ろう。次の依頼主が俺たちを待っているのだから」

 ユリヤに声をかけ、俺たちはロックマウンテンから出ると町に戻った。

 ギルド前に来ると、扉を開けて中に入る。

「あー! やっと戻ってきた! このあたしを待たせるなんて随分とのんびり屋なブタどもね!」

 ギルドに戻ってきた途端、俺たちは見知らぬ女の子に指を差され、暴言を吐かれる。










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