ブラックギルドマスターへ、社畜以下の道具として扱ってくれてあざーす!お陰で転職した俺は初日にSランクハンターに成り上がりました!

仁徳

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第八章

第十話 とある組織の野望

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~ペテン視点~



 私ことペテンは、暗黒龍の魂の一部が封印されてある宝玉を握りながら、とある洞窟を歩いている。

 しばらく歩くと開けた場所に出た。そこには執事の格好をした老人が椅子に座っている。

「サウザー、ただいま戻りました」

「ペテンか。どうやら依頼の方は上手くいったようだな」

 サウザーは私が持っている宝玉に視線を向け、ニヤリと口角を上げた。

「ええ、でもどうしてこんなに回りくどいことをしたのですか? あなたなら守護モンスターが相手でも勝てるでしょうに?」

「今のハンターがどれほどの実力があるのかを確かめたかったのだ。ワシがみたところ、あのリュシアンとか言う男以外のハンターは、脅威とはなり得ないな」

「彼はブラックギルドで社畜以下の道具として扱われていましたからね。そのせいで余計な力をつけてしまいました。本当にアントニオは余計なことをしてくれましたよ」

 一度肩をすくめ、サウザーに赤い宝玉を渡す。

「これからの活動はどうしますか? リュシアンたちがあの神殿の中に入った以上、間違いなく疑われています。もう、疑われそうな依頼をお願いすることはできませんよ。仮に他のギルドにお願いしたとしても、間違いなく守護モンスターに殺されます」

 老人に訊ねると、彼は胸の前で腕を組む。

「まだ手がない訳ではない。だが、最終的にはワシ自ら守護モンスターを倒して、宝玉を手に入れるしかなくなるだろう」

「そうならないことを祈りますね。それで、次のターゲットはどっちにされるのですか?」

「次はジャイリスクが守護する宝玉を狙う」

「ジャイリスクですか。使い捨ての駒はどうしますか?」

「ジャイリスクは脳筋だ。野盗でも雇って神殿を襲わせる。やつが野盗に気を取られている隙に、神殿に忍び込んで宝玉を手に入れるとしよう」

 サウザーの戦略に私は納得した。

 ラープロテクションは賢いので忍び込ませるような隙を作らないが、ジャイリスクは知能が低い。暴れると手が付けられないところはあるが、戦闘になると周辺が見えなくなるという短所もある。

 敵の弱点を突いた良い戦略だろう。

「分かりました。では二つ目の宝玉はそれで入手しましょう。野盗は私の方で手配しておきます」

「それは助かる。ワシの方でもちっとやることがあるのでな」

「では失礼します」

 軽く頭を下げると洞窟を出て行く。





 それから数日後、私はそれなりに大規模となっている、とある野盗の頭とコンタクトを取るために森の中を歩く。

 そろそろ野盗たちが縄張りにしている場所だな。さて、宝玉を手に入れるための野盗道具はどこにいるのか。

 辺りを見渡しながら歩くと、奥の方で二人組が見えた。

 あいつらが野盗で間違いないと思うが、念のために声をかけるか。

 二人組に近づき、声をかける。

「すみません。あなたたちは野盗で間違いないですか」

「なんだお前は?」

「その格好はハンターか。丁度いい。こいつの身包みを剥いでやる」

 声をかけると、野盗たちは腰に帯刀している剣を抜いていきなり襲いかかってきた。

「やれやれ、聞く耳を持たないって訳ですか。やっぱり下っ端では話合いに持ち込むことができないようですね」

 彼らに向かって歩き、すれ違った瞬間に剣を抜いて野盗を切り裂く。

「ぎゃああああああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

「腕がああああああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

 二人の腕を片方ずつ切断し、剣を鞘に収めて振り返る。そして彼らに微笑んだ。

「さて、命が欲しければ頭のところに案内してください。私は頭に依頼があって来ただけですから」

「わ、分かった。案内する」

「だから命だけは」

 怯えた表情で、彼らは私の申し出を受け入れてくれた。

 これで先に進めますね。

 二人に案内されると、開けた場所に辿り着く。周辺には木材で作られた家が並び、小さな集落のようになっている。

 野盗にしては珍しいですね。それとも大規模になると、ここまで変わって来るのでしょうか?

 他の野盗とはどこか違う雰囲気に興味を持つも、集落の中を歩く。

 すると、他の建物よりも大きい木造建築の建物が見えてきた。

 あそこに野盗の頭がいるって訳ですか。権力の象徴なのか、どうして力のあるものは大きく、豪華な建物に住みたくなるのか不思議です。

「か、頭! 客人です」

「何だ何だ! 大声を出しやがって」

 扉を開けて下っ端の男が声を上げると、家の奥から三人が出て来ました。

 中央にいるのは眼帯をはめた茶髪のロングヘアーの男、野盗にしては珍しく清潔感があり、容姿も整っていてイケメンだった。

 そして彼らに抱き付く二人の美女。

 たとえ野盗であっても、イケメンはモテるようですね。正直虫唾が走ります。

「お頭! この男がお頭に話があると」

「お前らその腕はどうした! おい、早くこいつらを治療しろ」

「「はい!」」

 頭が侍らせている美女に言うと、彼女たちは二人を連れて部屋の奥へと向かう。

「お前、あいつらに何をしてくれた」

 頭の男が私を睨み付けてくる。

 おー、こわい、こわい。睨まれただけで殺されてしまいそうですよ。まぁ、冗談なんですがね。

「あの二人が私の話を聞かないで襲ってきたので、返り討ちにしただけですよ。命を奪わなかっただけでも感謝してほしいですね」

「お前!」

 イケメンの頭は更に睨みつけてきますが、私は涼しい顔をしたまま笑みを浮かべました。

「チッ、いきなり襲ってしまったのは俺の教育不足だ。そこは謝らせてもらう。それで俺に何のようだ」

「商談に来ました。あなたたちにとっても利益になることですよ」

「分かった。ここで立ち話という訳にはいかない。中で話を聞かせてもらおう」

 家の中に入れてもらい、部屋に案内された。

 部屋の中は盗品なのか、貴族が使っていそうな豪華な家具家財が備え付けられている。

「そこのソファーにでも座ってくれ」

 指定された場所に座り、対面に頭が座りました。

「それで、どんな商談なんだ?」

 私は口角を上げると、彼にジャイリスクの討伐の件を話す。

「なるほど、モンスターの討伐か。分かった。引き受けよう」

 あれ? 予想以上にすんなり引き受けましたね。まぁ、いいでしょう。私としては好都合ですので。

「では、前金を支払いましょう」

 ポーチの中から札束を取り出すと、テーブルの上に置く。

「前金だけでこんなにか!」

「これでやる気が起きましたかな?」

「ハハハ! 気前のいいやつは嫌いじゃない。お前のことは気に入った! ジャイリスクの討伐は必ず成功させよう」

 契約成立したこで、私は気付かれないようにニヤリと笑みを浮かべる。

 これで道具は手に入れた。あとは宝玉を手に入れるだけ。











最後まで読んでいただきありがとうございます。

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