ブラックギルドマスターへ、社畜以下の道具として扱ってくれてあざーす!お陰で転職した俺は初日にSランクハンターに成り上がりました!

仁徳

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第十二章

第二話 私を付けて来ただと!そんなバカな!

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~ペテン視点~



 私ことペテンは、フェルディナンを殺害してギルドを燃やした後、アジトに向かっていた。

「これだけあれば、組織の軍資金として申し分ない。きっとサウザーも喜ぶだろう」

 宝箱の上蓋を開け、中に入っている紙幣や硬貨を見ながら口角を上げる。

 ざっと見ても一億はありそうだ。これだけあれば色々なことができる。

 上蓋を閉め、外れないように鍵をかけると、再びアジトに向けて歩く。

 そろそろ合流地点のアジトがあるガラン荒野が見えてくる頃だ。

 しかし、ガラン荒野が近づく度に何とも言えない不安を感じた。

 本当に合流地点はここで合っているよな。

 サウザーをボスとする組織は、アジトを複数持っている。ルーレヌ水没林、深緑の森、エンゴー火山、そして今目指しているガラン荒野だ。

 今後もアジトの数を増やして行くつもりらしい。そのためにもとにかく金がいる。

 ガラン荒野に辿り着くと、荒れ果てた大地の上を歩きながら十番エリアを目指す。

 そう、十番エリアにある神殿こそがアジトだ。守護獣ラープロテクションがいなくなったことで神殿に入りやすくなった。

 広い荒野の二番エリアから三番エリア、四番エリアの洞窟の中を進み、五番エリアの崖沿いを歩く。そして九番エリア来ると十番エリアに繋がる坂道を歩いた。

 さすがにこれだけ広いエリアを歩くだけでも一苦労ですね。特に宝箱を持った状態では余計に体力を使う。

 ここまでモンスターと出会でくわさなかったと言うのも、スムーズに進めた一つの要因でしょうね。

 まぁ、モンスターが襲ってきたところで瞬殺だから、たいしたタイムロスにはなり得ないでしょうが。

 坂道を登り、神殿のある十番エリアに辿り着くと、建物の中に入る。

 神殿内は、誰の姿も見えなかった。

「よし、よし、ここには誰もいなさそうですね。もし、ここに人がいたら正直そいつを殺す必要がありました」

 神殿内に侵入者がいないことを確認した後、床に描かれたラープロテクションの両翼を押す。

 すると床が動き、地下につながる階段が現れた。

 念のために周辺を見渡すが、人がいる気配を感じ取れない。

「大丈夫のようですね。では地下に降りるとしましょう」

 階段を降りると行き止まりになっているが、壁にあるボタンを押す。隠し階段が閉じると同時に、行き止まりだった壁が左右に動き、扉が現れる。

 扉を開けると、部屋の中には七十代の老人が椅子に座っていた。

 ふう、どうやら集合場所を間違えてはいなかったようですね。

「お待たせしました。サウザー」

「やっと来たか。あと五分でも遅ければ、今頃お前の首は吹っ飛んでおったぞ」

 目が笑っていない彼を見て、背筋が寒くなる。

 彼は本気で私を殺そうと考えていたのだ。

「とにかく作戦会議を行いましょう。最後の宝玉なのですが、スリシオが守る宝玉となりますね」

「ああ、あやつが一番の強敵だな。天空龍スリシオは、ワシと同じ伝龍だ。ジャイリスクの時のように、簡単には神殿に入ることすら叶わないだろう」

「そうですね。困ったものです」

「だから今回はワシ自ら出向き、ワシの手でスリシオを倒す」

「そうですね。サウザーがスリシオを足止めしている間に、私が神殿内に侵入して宝玉を手に入れるのが一番でしょう」

「何だか面白い話をしているじゃないか。俺にも一枚噛ませろよ」

 聞き覚えのある声が聞こえ、振り向く。するとそこには、眼帯をはめた茶髪のロングヘアーの男がいた。清潔感があり、容姿も整っているこのイケメンは、私がジャイリスクを足止めするように頼んでいた野盗の頭だ。

「お前、どうしてここが分かった!」

「そんなの決まっているじゃないか。あんたの後をこっそりと付けて来たんだよ」

「バカな! ちゃんと気配がしないか確認しつつ歩いていたぞ!」

「そんなもの気配を消せば済む話だ。おかしいと思わなかったのか? いくら何でもモンスターと出会でくわさないのは異常だ。つまり、俺がお前に近づこうとするモンスターを倒していたのさ」

 この男、いったい何者なんだ。ただの野盗ではない。そこらへんにいる落ちぶれた人間に、そのような芸当はできない。

 男の内に秘めた力に警戒した。

「そう警戒するなよ。俺はお前たちの味方だ。そのオシリスだっけ?」

「スリシオだ。反対に読むではない」

「そうそう、そのスリシオだけど、俺が相手になって宝玉を手に入れてくる」

「何を言っているんだ! いくらジャイリスクを足止めすることに成功したと言っても、今度の相手はスリシオだ。野盗程度ではどうにもならない!」

 声を張り上げ、反論する。いくらこいつが隠した力を持っていたとしても、いくら何でも伝龍を足止めできるはずがないと思っているからだ。

「やってみないと分からないだろう。ギャンブルはリスクが大きれば大きいほど燃えるというもの」

「分かった。ではお前に頼もうではないか」

「サウザー! 本気ですか!」

 正直、サウザーがこの男に託すとは予想していなかったので衝撃が大きい。彼は人間を下等生物と見做みなしている。なので、拒否すると思っていた。

「しかし、どうしてそこまでワシらに協力する。理由を聞いても良いか」

「復習のためだ。俺はある人の仇を討つために暗黒龍の復活を望んでいる。だからやつの魂が封印されてある宝玉が必要だ」

 野盗の頭の言葉に、動揺を隠しきれなかった。

 どうしてこの男は、暗黒神の魂が宝玉に封印されていることを知っている! この男は本当にいったい何者なんだ。

「その目、嘘偽りを言っていないな。なら、同じ目的を持っているもの同士、ワシらは仲間だ。宝玉の件は任せた」

「任されな。それじゃあ今から行って来る。朗報を待つんだな」

 そう言うと、野盗の頭は部屋から出て行く。

「サウザー、本当にあの男を信用して任せてもいいのですか?」

「あの男は使い捨ての道具だ。あやつはどうせスリシオは倒せない。体力を失い、傷付いた後にワシが勝負を挑み、倒す算段だよ」

「なるほど、そうでしたか。それなら納得ですね」

 私は口角を上げる。暗黒龍が復活すれば、この世界は私のものだ。
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