ブラックギルドマスターへ、社畜以下の道具として扱ってくれてあざーす!お陰で転職した俺は初日にSランクハンターに成り上がりました!

仁徳

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第十二章

第十二話 頂上の天空龍 中編

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 上空から何かが頬に辺り、俺は見上げる。

 暗雲は更に濃さを増し、雨粒を降らせていた。

「雨か。これはまずいな」

 当然ハンターなのだから、天候が悪くても狩りを行わなければならないときもある。

 しかし、雨に打たれ続ければ、当然体力の消耗が激しくなったり、手が滑って得物を落としてしまったりすることもある。

 雨が降った場合、早期討伐が鉄則だが、今回の天空龍はそうはいかないだろう。

 空にいるスリシオは、両翼を羽ばたかせながらこのエリア周辺を飛んでいる。

 時間稼ぎか。さすが伝龍だけあって、ハンターのことも分かっている。

 もう一度爆音玉を使って落としてやろうと、ポーチに腕を突っ込んだ時、上空の暗雲から雷鳴がなり始める。

「雷まで鳴り出したか。これは本当に激しくなりそうだ」

『ギャオオオオオオオオオオォォォォォォォォン!』

 雷雲に気を取られていたとき、上空にいたスリシオが鳴き、俺のところに突っ込んでくる。

 今回は距離があったから、耳を塞がずに済んだ。お陰で回避に移ることができ、相手の懐に飛び込むようにして倒れる。

 運良くモンスターの肢体の間に倒れることができ、踏み潰されずに済んだ。

「リュシアン、起きろ! 攻撃のチャンスだ!」

 セシリオさんの声が聞こえ、起き上がる。

 あのあとモンスターは地面を滑るようにして離れて行ったが、爪を破壊したことで踏ん張ることができずに転倒してしまったようだ。

 天空龍は肢体を動かしてもがいている。

 ユリヤたちもチャンスを逃さず駆け寄って攻撃をしてくれている。

 直ぐに大剣を構えたまま近付こうとするが、太刀のときとは比べて重さがある。その分、構えたまま走ったのでは、間に合わないような気がした。

 これでは間に合わなさそうだな。

 大剣を分解して双剣に変えた後、柄頭のポンメル同士を繋げてブーメランに変えた。そしてスリシオに向けて投げると同時に、自身も走り出す。

 これなら時間を短縮することができる。

 武器と一緒に並走することで、時間を短縮することに成功した。

 刃のブーメランがモンスターに肉体を切り裂き、戻って来るタイミングで掴む。その後素早く大剣へと戻すと、思い一撃を叩き込んだ。

 鮮血が噴き出し、敵に大ダメージを与えることに成功する。

「よし、みんなダメージを与えている」

 伝龍相手に苦戦していないことに歓喜していると、空から放り注ぐ雨粒も大きくなり、激しく降り始めている。

 着ている服が水を吸い、肌に張り付く。

 とうとう本降りになってしまったな。

 一旦攻撃の手をやめて、雨に濡れた前髪をかき揚げ、オールバックのようにする。するとそのタイミングでスリシオが立ち上がり、肢体で地面を踏み締める。

「ユリヤとテレーゼは離れてくれ」

「分かりました」

「オールバック姿のリュシアンピグレットも素敵よ」

 ユリヤとテレーゼが離れ、遠距離攻撃をしていたエリーザ姫のところに駆け寄る。

 テレーゼのやつ、今の俺の髪型を褒めるほどの余裕があるみたいだな。いい傾向だ。

 立ち上がった天空龍は、尻尾を気にするように首を曲げて振り向く。

 この動作は他のモンスターもしている。もし予想が当たっていれば、テールアタックをするだろう。

 やつの尻尾の長さから考えても、現在立っているこの場所にも届きそうだ。

 なら、安全な場所に避難するまで、スリシオから離れようとすれば、あの尻尾に当たる可能性がある。なら短い距離で移動しつつ、安全な場所に隠れるには、モンスターの懐に入るのが一番だ。

「はっ!」

 一度前転をしてスリシオの肢体の間に滑り込む。するとやつの尻尾が動き出し、左右に振られる。

 予想が当たり、モンスターの尻尾は体の真横まで到達していた。

「危なかったな」

 俺と同じく懐に入り込んだセシリオさんが声をかけ、俺は苦笑いで返す。

「とにかく今もチャンスは続いています。俺は後ろ足を攻撃するので、セシリオさんは前足をお願いします」

 俺たちは互いの得物が当たらないように距離を開けて攻撃を続行する。

 こんな狭い場所は、小回りが利く双剣の方がいい。

 大剣を二つに分け、双剣にすると左右の得物を使い、モンスターの足を攻撃していく。

 二つの刃が集中的に後ろ足を切り、スリシオの後ろ足が流血を起こす。

『ギャオオオオオオオオオオォォォォォォォォン!』

 天空龍は痛みに耐えかねたようで、耳を塞いでしまうほどの悲鳴をあげる。

 するとやつは両翼を羽ばたかせて再び上空へと舞い上がる。

 見上げてみると、やつの頭部の鱗が逆鱗のように逆立ち、口から霧のようなものが漏れている。

「憤怒状態に入ったか」
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