ブラックギルドマスターへ、社畜以下の道具として扱ってくれてあざーす!お陰で転職した俺は初日にSランクハンターに成り上がりました!

仁徳

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第十四章

第七話チャプス討伐?

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「チャプス王子の討伐、若くは捕獲って」

 レンナルト王様の言葉に、俺は耳を疑った。

 レンナルト王様は何を言っているんだ? 今の言い方だと、まるでモンスターを相手にするような言い方じゃないか。

「レンナルト王様、すみません。俺の聞き間違いでしょうか? 今、チャプス王子の討伐、若くは捕獲って言いましたか?」

 俺の問いにこの国の王様は無言で頷く。

 やっぱり聞き間違えではなかった。でも、いったいどうしてこうなってしまったんだ? 非常に気になる。

「宜しければ、詳しくお話しを聞かせてもらっても良いですか?」

「ああ、実は牢に閉じ込めていたチャプスが脱獄したのだ」

 王様の説明を聞いて、城下町で耳にしたことを思い出す。

 御者の人が言っていた脱獄犯はチャプスのことだったのか。彼は俺に復讐をするために牢から出て、そしてホラゾンウルフを使って俺の住む町を襲った。

 頭の中で思考を巡らせつつ、王様の言葉に耳を傾ける。

「そのチャプスが成人の儀を行う王家の山にいるのを、兵士が目撃したのだ。だが、彼は信じられないことを言った。チャプスの姿がいきなりモンスターと化し、いきなり襲って来たと」

 チャプスがモンスターになった!

 レンナルト王様の言葉に、またしても驚かされる。だけど、人がモンスターとなることが可能だと、俺は知っている。

 ゴッドヒルフが水晶のような球体使い、ユニコーンのようなモンスターとなった。

 あの出来事を思い出した以上、王様は戯言を言っている訳ではない。

「さすがのリュシアンも、信じられぬよな?」

「いえ、信じます。俺も一度だけ、人がモンスターとなった光景を目の当たりにしたことがありますので」

「なんと!」

「ですので、王様の言うことは十分に信じられることです」

 チャプスがモンスターと化したのなら、彼の背後にはサウザーが絡んでいる。彼を捕まえることができれば、もしかしたらサウザーも姿を見せるかもしれない。

 王家の山でサウザーを倒すことができれば、暗黒龍の復活を阻止することが可能になる。

「分かりました。その依頼お受けいたしましょう」

「本当か! それは助かる。本音を言えば、あんな愚息でも一応私の息子だ。できることなら生きた状態で連れ戻してほしい。だが、ムリだったときは一思いにやってくれ」

「分かりました。可能な限り、人間に戻す方法を探ってみます。では、俺たちはこれにて失礼します。直ぐに王家の山に向かおうかと思いますので」

「うむ。頼んだ。万が一の時は、私に変わってチャプスの最後を看取ってやってくれ」

 レンナルト王様の言葉に無言で頷き、俺たちは謁見の間から出て行く。

 王様には、チャプスを人間の姿に戻す方法を探ると言ったが、本当にそんな方法があるのだろうか。ゴッドヒルフがモンスターになったときも、その手がかりは見つからなかった。

リュシアンピグレット、大丈夫?」

 あの男を助けられないかもしれない不安な気持ちが、顔に出ていたのだろうか? テレーゼが心配してきた。

「あ、ああ。大丈夫だ」

「なら良いけど。でも、これだけは言っておくわね。人間は神様ではない。助けられない命だってたくさんあるわ。だからあんまり自分を追い詰めないでね」

 彼女の言葉を聞き、少し救われた気分になった。

 確かに俺は、Sランクハンターであっても神ではない。俺の仕事は危険な生き物を討伐して、その命を奪う代わりに多くの命を救う汚れ仕事だ。

 この依頼はいつもの依頼以上に覚悟を決めて挑まなければな。

「心配かけてすまない。俺は覚悟を決めた。最悪の場合はチャプスを討伐する。ありがとう」

 テレーゼに礼を言い、俺たちは城から出ると、馬車を手配して王族の成人の儀が行われる王家の山へと向かった。

 王家の山の一番エリアに辿り着くと、過去の記憶を頼りに頭の中でマップを作成する。

 この山は全部で五つのエリアに分かれてあった。

 一番エリアはモンスターが出ない安全な場所だ。だから残りは二番、三番、四番、五番となる。

 この森は二番から三番エリアまでは真っ直ぐ一本道になっているが、三番エリアからは、枝分かれするように四番、五番にそれぞれ移動することができる。

 まずは順番に二番エリアに向かい、そこでチャプスの姿が見えなければ三番を中心に四番と五番を探すようにしたほうがいいな。

「まずは三番エリアまでは順番に探そうか」

 彼女たちに声をかけ、二番エリアに進む。ここは小型のモンスターアルカイトと戦った場所だな。

 せっかく気絶させて捕獲しようとしたのに、サイズが小さいのを理由にチャプスが文句を言ってきたのを思い出す。

 あの時のことを思い出すと、本当に腹立たしいな。

 二番エリアを見渡すも、チャプスと思われるモンスターの姿は見当たらない。

 どうやら二番エリアにはいなさそうだな。なら、次は三番エリアだ。

 三番エリアに向かうと、遠目で人形が見えた。

 この国の兵士か?

 そう思いながら近づくと、その人物は兵士の格好をしていなかった。金髪の髪に細い目はニヤニヤと不適な笑みを浮かべており、ガリガリに痩せた体型をしている。

「チャプス!」

 思わず声を上げる。すると彼は座っていた切り株から立ち上がり、睨み付けてくる。

「待っていたぜ。俺がここで暴れれば、父上がお前に依頼を出すと思っていた」

 彼は血走った目で見ながら指を向ける。

「チャプス、お前、モンスターになったんじゃないのか?」

「何? 僕の力が見たいだって? 誰が見せるかよバーカ!」

「だったらそっちの方が好都合だな。テレーゼ、頼んだ」

「任せて! アー!」

 テレーゼに頼んで俺は耳栓を使う。

 すると彼女が音波を出したようで、チャプス王子は地面に転がり、涙を流していた。

 チャプスが何かを叫んでいるようだが、俺には何も聞こえない。

 相手の出方を伺ったその時、やつは立ち上がると体が膨れ上がり、モンスターと化す。
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