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第九章
第二十一話 マッスルトレーニング
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「それでは、筋トレの続きをやって行くぞ! どうやら、お前たちの中には、まともに筋トレもできない腑抜けがいるようだ。だから俺がひとつひとつ指導をしていく! まずは腕立て伏せだ!」
筋トレの基礎を叩き込むと言い、マッスル先生は両腕を砂に付け、後ろ足はつま先だけで支えてうつ伏せの体勢を取る。
「まずは腕立て伏せだ! どうせお前たちは素早くやって終わらせようとするだろうが、それはNGだ。筋肉に負担をかけるために、ゆっくりとやって行くぞ! ワンのタイミングで胸を下に下げる。この時、下げれば下げる程肉体に負荷がかかる。こうすることで、腕の筋肉だけではなく、胸筋まで鍛えられるから一石二鳥だ! そして呼吸はこの時に吐く! 呼吸法も大事だ」
説明をしながら、マッスル先生は胸を下げ、砂に触れているのではないかと思うほど、ギリギリを攻めていた。
「そしてツーのタイミングで腕を持ち上げる! この時、吐いた息をもう一度吸って肺の中に空気を取り入れる。それを繰り返すぞ! ワン! ツー! ワン! ツー」
実際に実演させてみると、今度は支えている腕の幅を狭め始める。
「これからは応用編だ。支える腕を胸の位置にすることで、更に腕への負担が増え、良い感じに己の肉体を虐めることができる。しかし、これは初心者には向かないので、頭の片隅にでも入れておく感じで良いだろう。それでは、次は腹筋だ!」
続いて腹の筋肉を鍛えると言うと、マッスル先生は仰向けの体勢になる。
「もう言う必要はないと思うが、大切なことなので念のためにもう一度言うぞ。これが最後だからな! 筋トレは素早く数を熟せば良いものではない。回数は少なくても良いから、ゆっくりと肉体に負担をかけるようにしてやるんだ! まずはワンのタイミングで状態を起こす! この時、息を吐きながら行うぞ! この時、体がブレてしまわないように、真っ直ぐに腹筋を意識しながら上体を持ち上げるのだ」
腹筋の説明をしつつ、マッスル先生は上体だけを起こした。
「そしてツーのタイミングで上半身を元に戻す! この時も直ぐには戻さず、ゆっくりと下げた方が効果的だ! では、これからが応用だ! 先ほどはただ上体を起こすだけだったが、今度は捻りを加える! 上体を起こすタイミングで左右に捻ることで、外腹斜筋を同時に鍛えることができる! では、最後にスクワットだ!」
ラストにスクワットの基本を教えると言うと、マッスル先生は立ち上がった。
「では、両腕を前に出す。拳は握っていても構わない。ワンのタイミングで腰を落とすが、当然息を吐いてゆっくりと下げる。この時、腰を真っ直ぐに落とすことが大事だ! ブレてしまうかもしれないので、真っ直ぐに下げることを意識しながらやってみよう。腰を下げつつ、太腿がなるべく水平になるところまで腰を落とし、1秒間キープ! そして息を吸いながら立ち上がる。こうすることで、足や太腿の筋肉を鍛えることができる。では、やってみよう! まずはそれぞれ10回だ」
マッスル先生が手を叩いて筋トレを始めるように促す。なので、俺たちは説明があった通りのことをやってみた。
呼吸や筋肉を意識しながら動かすことで、いつもよりも肉体への負担が高まっているような気がする。
「良いね! 良いね! 君たちの筋肉が喜んでいるぞ! 俺には君たちの筋肉の声が聞こえている!」
筋肉の声が聞こえるって一体どういうことだよ! 筋肉が言葉を話す訳がないだろうが!
マッスル先生の言葉に内心で反論しつつ、筋トレメニューを全て行った。
普段以上に疲労感を覚え、額からは汗が流れ出る。
「ハーレム王! 君の上腕二頭筋は素晴らしい! 名は何と言うんだ?」
「え? シャカールだが?」
突然名前を訊ねられ、俺は自身の名を告げる。
「なるほど、シャカールと言うのか。では、その大胸筋は?」
突然大胸筋は? と言われ、俺は彼の言っている言葉の意味が理解できずに困惑してしまう。
「シャカール、マッスル先生はお前の名前ではなく、筋肉の名前を聞かれているんだ」
コールドシーフが筋肉の名前を聞いているのだと教えてくれて、ようやく彼の言いたいことを理解する。
「いや、筋肉にわざわざ名前をつけないって」
「何! では、先ほどの名前は!」
「あれは俺自身の名前だ!」
「何だって! 君の名前はハーレム王ではないのか! ルーナ学園長からそのように教えてもらったのだが」
マッスル先生の言葉を聞いた瞬間、ルーナの方を見る。彼女は腹を抱えって笑っていやがった。
ルーナのやつ、マッスル先生に適当なことを言いやがって。何がハーレム王だ。
「まぁ、良い。今更訂正するのは面倒臭い。だから、君のことはこれからもハーレム王と呼ぶことにする。そして上腕二頭筋のことを、シャカールと呼ぼう」
「なんでそうなる! 普通にシャカールって呼び直せば良いじゃないか! その言い方だと、上腕二頭筋の方が本体のように聞こえるじゃないか!」
思わず声を上げてしまう。
「良いか! 筋肉にはひとつひとつ名前があるのだ! 正式名称がある以上、あだ名を付けてやるのが普通だろう? なぁ、エイシンフラッシュ?」
『うん、そうだね。僕もそう思う』
マッスル先生は己の上腕二頭筋を見ながら言葉を投げかけると、直ぐに裏返ったかのような声でエイシンフラッシュと呼ばれた上腕二頭筋の役を演じる。
「いや、今自分で言っているじゃないか。何が筋肉との対話だよ」
「シャ、シャカール! アタは何を言っとるとバイ!」
ポツリと言葉を漏らした瞬間、サザンクロスが注意を促してきた。彼女の顔には焦っているようにも見えたが、一体何をそんなに焦っている?
「筋肉をバカにするな! もう怒った! 貴様に筋肉の素晴らしさを叩き込んでくれる!」
「あちゃー、始まってしまったタイ。マッスル先生は筋肉をバカにされるのが嫌いで、筋肉への愛が誰よりも強いタイ。ああなってしまったら、もう冷静になるのを待つしかナカッ」
「ハハ、アタシたち、終わったな。明日の朝は地獄を見ることになるだろう」
サザンクロスとコールドシーフが顔を引き攣らせている。いったい、これから何が始まるのだろうか。
筋トレの基礎を叩き込むと言い、マッスル先生は両腕を砂に付け、後ろ足はつま先だけで支えてうつ伏せの体勢を取る。
「まずは腕立て伏せだ! どうせお前たちは素早くやって終わらせようとするだろうが、それはNGだ。筋肉に負担をかけるために、ゆっくりとやって行くぞ! ワンのタイミングで胸を下に下げる。この時、下げれば下げる程肉体に負荷がかかる。こうすることで、腕の筋肉だけではなく、胸筋まで鍛えられるから一石二鳥だ! そして呼吸はこの時に吐く! 呼吸法も大事だ」
説明をしながら、マッスル先生は胸を下げ、砂に触れているのではないかと思うほど、ギリギリを攻めていた。
「そしてツーのタイミングで腕を持ち上げる! この時、吐いた息をもう一度吸って肺の中に空気を取り入れる。それを繰り返すぞ! ワン! ツー! ワン! ツー」
実際に実演させてみると、今度は支えている腕の幅を狭め始める。
「これからは応用編だ。支える腕を胸の位置にすることで、更に腕への負担が増え、良い感じに己の肉体を虐めることができる。しかし、これは初心者には向かないので、頭の片隅にでも入れておく感じで良いだろう。それでは、次は腹筋だ!」
続いて腹の筋肉を鍛えると言うと、マッスル先生は仰向けの体勢になる。
「もう言う必要はないと思うが、大切なことなので念のためにもう一度言うぞ。これが最後だからな! 筋トレは素早く数を熟せば良いものではない。回数は少なくても良いから、ゆっくりと肉体に負担をかけるようにしてやるんだ! まずはワンのタイミングで状態を起こす! この時、息を吐きながら行うぞ! この時、体がブレてしまわないように、真っ直ぐに腹筋を意識しながら上体を持ち上げるのだ」
腹筋の説明をしつつ、マッスル先生は上体だけを起こした。
「そしてツーのタイミングで上半身を元に戻す! この時も直ぐには戻さず、ゆっくりと下げた方が効果的だ! では、これからが応用だ! 先ほどはただ上体を起こすだけだったが、今度は捻りを加える! 上体を起こすタイミングで左右に捻ることで、外腹斜筋を同時に鍛えることができる! では、最後にスクワットだ!」
ラストにスクワットの基本を教えると言うと、マッスル先生は立ち上がった。
「では、両腕を前に出す。拳は握っていても構わない。ワンのタイミングで腰を落とすが、当然息を吐いてゆっくりと下げる。この時、腰を真っ直ぐに落とすことが大事だ! ブレてしまうかもしれないので、真っ直ぐに下げることを意識しながらやってみよう。腰を下げつつ、太腿がなるべく水平になるところまで腰を落とし、1秒間キープ! そして息を吸いながら立ち上がる。こうすることで、足や太腿の筋肉を鍛えることができる。では、やってみよう! まずはそれぞれ10回だ」
マッスル先生が手を叩いて筋トレを始めるように促す。なので、俺たちは説明があった通りのことをやってみた。
呼吸や筋肉を意識しながら動かすことで、いつもよりも肉体への負担が高まっているような気がする。
「良いね! 良いね! 君たちの筋肉が喜んでいるぞ! 俺には君たちの筋肉の声が聞こえている!」
筋肉の声が聞こえるって一体どういうことだよ! 筋肉が言葉を話す訳がないだろうが!
マッスル先生の言葉に内心で反論しつつ、筋トレメニューを全て行った。
普段以上に疲労感を覚え、額からは汗が流れ出る。
「ハーレム王! 君の上腕二頭筋は素晴らしい! 名は何と言うんだ?」
「え? シャカールだが?」
突然名前を訊ねられ、俺は自身の名を告げる。
「なるほど、シャカールと言うのか。では、その大胸筋は?」
突然大胸筋は? と言われ、俺は彼の言っている言葉の意味が理解できずに困惑してしまう。
「シャカール、マッスル先生はお前の名前ではなく、筋肉の名前を聞かれているんだ」
コールドシーフが筋肉の名前を聞いているのだと教えてくれて、ようやく彼の言いたいことを理解する。
「いや、筋肉にわざわざ名前をつけないって」
「何! では、先ほどの名前は!」
「あれは俺自身の名前だ!」
「何だって! 君の名前はハーレム王ではないのか! ルーナ学園長からそのように教えてもらったのだが」
マッスル先生の言葉を聞いた瞬間、ルーナの方を見る。彼女は腹を抱えって笑っていやがった。
ルーナのやつ、マッスル先生に適当なことを言いやがって。何がハーレム王だ。
「まぁ、良い。今更訂正するのは面倒臭い。だから、君のことはこれからもハーレム王と呼ぶことにする。そして上腕二頭筋のことを、シャカールと呼ぼう」
「なんでそうなる! 普通にシャカールって呼び直せば良いじゃないか! その言い方だと、上腕二頭筋の方が本体のように聞こえるじゃないか!」
思わず声を上げてしまう。
「良いか! 筋肉にはひとつひとつ名前があるのだ! 正式名称がある以上、あだ名を付けてやるのが普通だろう? なぁ、エイシンフラッシュ?」
『うん、そうだね。僕もそう思う』
マッスル先生は己の上腕二頭筋を見ながら言葉を投げかけると、直ぐに裏返ったかのような声でエイシンフラッシュと呼ばれた上腕二頭筋の役を演じる。
「いや、今自分で言っているじゃないか。何が筋肉との対話だよ」
「シャ、シャカール! アタは何を言っとるとバイ!」
ポツリと言葉を漏らした瞬間、サザンクロスが注意を促してきた。彼女の顔には焦っているようにも見えたが、一体何をそんなに焦っている?
「筋肉をバカにするな! もう怒った! 貴様に筋肉の素晴らしさを叩き込んでくれる!」
「あちゃー、始まってしまったタイ。マッスル先生は筋肉をバカにされるのが嫌いで、筋肉への愛が誰よりも強いタイ。ああなってしまったら、もう冷静になるのを待つしかナカッ」
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