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第九章
第三十七話 エコンドル杯④
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第2のギミックに到達したが、またしてもコールドシーフは妨害してギミックの難易度を上げやがった。
彼女の生み出したプチブラックホールにより、吸い込まれそうになったが、俺はそれに抗っていた。
だが、後方から何かが俺の体に当たり、バランスを崩す。すると、ギミックの足場に足を踏み入れた瞬間に重力に引っ張られる感覚があった。
このままでは落下してしまう。
「ストロングウインド!」
足元に強風を生み出し、落下しかけた足を浮上させると、後方に体重をかけ、その場で尻もちをつく。
危なかった。危うく床下に潜むスライムに、勝負服を食われるところだった。
俺の下着姿なんて誰にも需要がないから……いや、1人だけ心当たりがあったな。
脳内にマーヤの顔が浮かんだ。彼女なら、俺の半裸を見ても喜びそうだな。
とにかく、このままではこの場に留まっている訳にもいかない。早々にこのギミックを突破しなければ。
一番厄介なのは、コールドシーフが生み出したプチブラックホールだ。いくら小型と言え、吸引力は凄まじい。
油断していると、さっきの俺のように引き寄せられ、消える床に足を踏み入れてしまう。
まだ、向こう岸に渡るルートは残っている。後続が追い付いて突破される前に、先にこのギミックを突破しないと時間のロスに繋がってしまう。
何かあるはずだ。この状態を打破する何かが。
思考を巡らせていると、先ほどコールドシーフが言った言葉を思い出す。
『安心しな。こいつは直径30センチメートルのものしか飲み込めない』
そうだ。なんでも吸い込んでしまう穴なら、栓をすれば良いだけじゃないか。
「アイシクル!」
氷の魔法を発動し、空気中の水分を集める。そして三角錐の形状に変化すると、その水に対して気温が下がり、氷へと変化させると、巨大な氷柱を生み出す。
そしてその氷柱をコールドシーフにではなく、プチブラックホールへと投げた。
魔法で生み出された氷柱は、真っ直ぐに吸い込む穴へと向かっていく。そして半分ほど飲み込むも、それ以上は大き過ぎて入り口に支えた。
「なんだと!」
飲み込むことのできない巨大な氷柱に、コールドシーフが驚く。彼女の視線は、吸い込めないプチブラックホールと、巨大な氷柱に向けられている。
今なら、妨害されることはないはずだ。
その場で前方に向けて跳躍し、残っている足場を使って向こう岸まで渡りきると、コールドシーフを追い抜く。
「じゃぁな」
すれ違いの際に彼女に声をかけ、俺は次のギミックへと向かう。
『ここでギミックを突破したシャカール走者がコールドシーフを追い抜く!』
『ここは妨害せずに先に進んだ方が良かったのかもしれませんね。コールドシーフは、選択を誤ったようです。ですが、彼女の力が発揮されるのは、ギミックを抜けて魔法禁止エリアに入ってからの追い込みですので、まだわかりませんよ』
「待ちやがれ!」
後方からコールドシーフの声が聞こえ、走りながら振り向く。すると、彼女の手には再び拳銃のようなものが握られていた。
さっきの拘束する網を放つ銃とは形状が違うな。もしかして、別の効力のある得物か。
「次のギミックに到達するまで暇だろう。アタシが暇潰しの相手をしてやるよ」
いや、全力で走っているから、全然暇じゃないから。寧ろ、面倒なギミックが少ない方が俺は好きだ。
「そんな心優しいコールドシーフ様からのギミックだ!」
彼女の言葉と共に、トリガーを引かれたようだ。銃口からバブルが放たれ、俺に向けて飛んで来る。
あの泡に触れてはいけないような気がする。直感的にそう思った。
「ウインド!」
風を生み出す魔法を放ち、気圧に変化を生じさせる。
俺のいる場所の気圧を高くし、コールドシーフのいる場所の気圧を低くする。それにより、気圧の高い方が低い方へと押し出すことで、風を生み出した。
これでバブルはコールドシーフの方へと飛んで行くはずだ。
「うそ! マジかよ!」
狙い通り、彼女の放ったバブルは、風に押し流される。そして回避できる場所を失ったコールドシーフは、自身の生み出したバブルと接触すると、球体の中に取り込まれ、そのまま空中に浮く。
走者が中に入っても浮くことができるなんて、結構な耐久力だな。あのバブルに捕まれば、時間のロスになってしまう。
『コールドシーフが己の攻撃に取り込まれてしまった! ぐんぐん上空へと上がって行くぞ!』
『自分の攻撃に捕まってしまうとは、考えなしの行動のようですね』
今の内に距離を稼ごう。そう思っていたが、後方で何かが弾ける音が聞こえ、振り返る。
バブルから解放されたコールドシーフが、地面に着地し、こちらを睨んでいた。
「よくも、アタシを上空へと上げたな! 悉くアタシの攻撃を避けやがって! 1回くらい当たりやがれ」
いや、そんなことできるわけがないだろう。攻撃を受けたら、順位が下がってしまうじゃないか。
後方からの攻撃に注視しつつ、俺は走り続ける。すると、最後のギミックに到達した。
『一番に最終ギミックに到達したのは、シャカール走者! 最後は移動する床だ!』
『前後左右に動く床を乗り継ぎながら先へと進まなければなりません。もちろん床下には例のスライムがいます。』
実況と解説の言葉が耳に入る中、俺は動く床の軌道を見極める。
「このまま1位でギミックを突破されてたまるかよ!」
「ファイヤーバー! ソクドアップ!」
後方からコールドシーフが魔法名を叫ぶと、ギミックエリアに縦長の炎が出現した。そして動く床の速度も上がり、難易度が急激に上がる。
やっぱり、普通のギミックをさせてくれないんだな。
彼女の生み出したプチブラックホールにより、吸い込まれそうになったが、俺はそれに抗っていた。
だが、後方から何かが俺の体に当たり、バランスを崩す。すると、ギミックの足場に足を踏み入れた瞬間に重力に引っ張られる感覚があった。
このままでは落下してしまう。
「ストロングウインド!」
足元に強風を生み出し、落下しかけた足を浮上させると、後方に体重をかけ、その場で尻もちをつく。
危なかった。危うく床下に潜むスライムに、勝負服を食われるところだった。
俺の下着姿なんて誰にも需要がないから……いや、1人だけ心当たりがあったな。
脳内にマーヤの顔が浮かんだ。彼女なら、俺の半裸を見ても喜びそうだな。
とにかく、このままではこの場に留まっている訳にもいかない。早々にこのギミックを突破しなければ。
一番厄介なのは、コールドシーフが生み出したプチブラックホールだ。いくら小型と言え、吸引力は凄まじい。
油断していると、さっきの俺のように引き寄せられ、消える床に足を踏み入れてしまう。
まだ、向こう岸に渡るルートは残っている。後続が追い付いて突破される前に、先にこのギミックを突破しないと時間のロスに繋がってしまう。
何かあるはずだ。この状態を打破する何かが。
思考を巡らせていると、先ほどコールドシーフが言った言葉を思い出す。
『安心しな。こいつは直径30センチメートルのものしか飲み込めない』
そうだ。なんでも吸い込んでしまう穴なら、栓をすれば良いだけじゃないか。
「アイシクル!」
氷の魔法を発動し、空気中の水分を集める。そして三角錐の形状に変化すると、その水に対して気温が下がり、氷へと変化させると、巨大な氷柱を生み出す。
そしてその氷柱をコールドシーフにではなく、プチブラックホールへと投げた。
魔法で生み出された氷柱は、真っ直ぐに吸い込む穴へと向かっていく。そして半分ほど飲み込むも、それ以上は大き過ぎて入り口に支えた。
「なんだと!」
飲み込むことのできない巨大な氷柱に、コールドシーフが驚く。彼女の視線は、吸い込めないプチブラックホールと、巨大な氷柱に向けられている。
今なら、妨害されることはないはずだ。
その場で前方に向けて跳躍し、残っている足場を使って向こう岸まで渡りきると、コールドシーフを追い抜く。
「じゃぁな」
すれ違いの際に彼女に声をかけ、俺は次のギミックへと向かう。
『ここでギミックを突破したシャカール走者がコールドシーフを追い抜く!』
『ここは妨害せずに先に進んだ方が良かったのかもしれませんね。コールドシーフは、選択を誤ったようです。ですが、彼女の力が発揮されるのは、ギミックを抜けて魔法禁止エリアに入ってからの追い込みですので、まだわかりませんよ』
「待ちやがれ!」
後方からコールドシーフの声が聞こえ、走りながら振り向く。すると、彼女の手には再び拳銃のようなものが握られていた。
さっきの拘束する網を放つ銃とは形状が違うな。もしかして、別の効力のある得物か。
「次のギミックに到達するまで暇だろう。アタシが暇潰しの相手をしてやるよ」
いや、全力で走っているから、全然暇じゃないから。寧ろ、面倒なギミックが少ない方が俺は好きだ。
「そんな心優しいコールドシーフ様からのギミックだ!」
彼女の言葉と共に、トリガーを引かれたようだ。銃口からバブルが放たれ、俺に向けて飛んで来る。
あの泡に触れてはいけないような気がする。直感的にそう思った。
「ウインド!」
風を生み出す魔法を放ち、気圧に変化を生じさせる。
俺のいる場所の気圧を高くし、コールドシーフのいる場所の気圧を低くする。それにより、気圧の高い方が低い方へと押し出すことで、風を生み出した。
これでバブルはコールドシーフの方へと飛んで行くはずだ。
「うそ! マジかよ!」
狙い通り、彼女の放ったバブルは、風に押し流される。そして回避できる場所を失ったコールドシーフは、自身の生み出したバブルと接触すると、球体の中に取り込まれ、そのまま空中に浮く。
走者が中に入っても浮くことができるなんて、結構な耐久力だな。あのバブルに捕まれば、時間のロスになってしまう。
『コールドシーフが己の攻撃に取り込まれてしまった! ぐんぐん上空へと上がって行くぞ!』
『自分の攻撃に捕まってしまうとは、考えなしの行動のようですね』
今の内に距離を稼ごう。そう思っていたが、後方で何かが弾ける音が聞こえ、振り返る。
バブルから解放されたコールドシーフが、地面に着地し、こちらを睨んでいた。
「よくも、アタシを上空へと上げたな! 悉くアタシの攻撃を避けやがって! 1回くらい当たりやがれ」
いや、そんなことできるわけがないだろう。攻撃を受けたら、順位が下がってしまうじゃないか。
後方からの攻撃に注視しつつ、俺は走り続ける。すると、最後のギミックに到達した。
『一番に最終ギミックに到達したのは、シャカール走者! 最後は移動する床だ!』
『前後左右に動く床を乗り継ぎながら先へと進まなければなりません。もちろん床下には例のスライムがいます。』
実況と解説の言葉が耳に入る中、俺は動く床の軌道を見極める。
「このまま1位でギミックを突破されてたまるかよ!」
「ファイヤーバー! ソクドアップ!」
後方からコールドシーフが魔法名を叫ぶと、ギミックエリアに縦長の炎が出現した。そして動く床の速度も上がり、難易度が急激に上がる。
やっぱり、普通のギミックをさせてくれないんだな。
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