薬漬けレーサーの異世界学園生活〜無能被験体として捨てられたが、神族に拾われたことで、ダークヒーローとしてナンバーワン走者に君臨します〜

仁徳

文字の大きさ
201 / 269
第十一章

第十二話 タマモの変貌の訳

しおりを挟む
 俺はタマモに性的な意味で襲われた。これ以上は不味いところまで行ったが、その時にクリープが現れた。

 あ、俺終わったな。生きていても、社会的な死が待っている。

「シャカール君から離れなさい! ウインドボール!」

 クリープが魔法を唱えた瞬間、風の塊が出現し、俺に馬乗りになっているタマモに直撃、彼女は吹き飛ばされて床に倒れる。

「シャカール君! 今の内です!」

「あ、ああ」

 予想とは裏腹に助けられた俺は、クリープの差し伸ばされた手を掴み、起き上がるとタマモの部屋から出る。そして、扉に鍵をかけると、魔法で岩を出して扉の前に置く。

「これでしばらくの間は時間稼ぎになるでしょう」

「クリープ、約束を破ってすまない。でも、あれはいったい何だ? タマモがタマモではないぞ」

 安堵の表情を浮かべるクリープに、俺は疑問に思ったことを訊ねる。

「えーとですね。少し言い難いのですが」

 どうやら言い難い現象らしく、彼女は珍しくモジモジとし始める。

「あのですね。タマちゃんがあんな感じになったのは、ケモノ族特有の発情期が来たからなのです」

「は、発情期!」

 思わず声を上げてしまった。

「はい。この時期になると、タマちゃんくらいの年齢から発情期が起きます。子孫を残す本能から男を求めてしまうのです」

「だから、俺に部屋に入るなと言ったのか」

 一度扉の方に視線を向ける。扉は強く何度も打ちつけられているようで、衝撃音が響いた。

 その光景を目の当たりにしてゾッとする。

 ケモノ族の発情ってかなりやばくないか? まるで怪物から逃げている気分になる。

「一応、ママと一緒に発情を抑える薬を飲んだのですが、どうして発情してしまったのかは不明なのですよね……あれ?」

「どうした?」

「どうしてでしょうか? なぜか、シャカール君を見ていると、あそこがせつなくなってきました。それに、何だから体が熱く感じます」

 意味深な言葉を呟いた後、クリープは突如服を脱ぎ出した。

「ああ、ダメだと分かっているのに、シャカール君のアレが欲しくなってしまいました♡」

 頬を赤らめ、色っぽい吐息を漏らしながら、クリープは俺のズボンに手を伸ばす。

「ちょ!」

 後方に跳躍し、彼女の手を躱す。

「クリープ……お前……まさか」

「どうやら、ママもシャカール君に発情してしまったようですね」

 彼女の言葉が耳に入り、脂汗が額から流れ落ちる。良い例えが思い浮かば無いが、ゾンビから逃げ切ったかと思ったら、ツレがゾンビになってしまった状況の気分だ。

「ママにシャカール君の子種をくださ~い♡」

「くそう!」

 両手を広げて俺に覆い被さろうとするクリープから逃げるために、俺は横にある階段へと飛んだ。上手く着地を決め、そのまま階段を駆け下り、玄関から外に向かう。

「クリープまでが発情してしまうとはな」

 もし、タマモとクリープが同時に襲ってきたら、俺は逃げ切れる自信はない。もし捕まってしまっては、今度は確実に彼女たちに食べられてしまうだろう。

 少なくとも、楽しく3Pとはなら無いはずだ。

「あれ? シャカールトレーナーではないですか?」

「アイリン!」

 誰かに助けを求めようと走っていると、俺の弟子であるアイリンが声をかけてきた。

 彼女では心許ないが、居ないよりかマシか。

「アイリン! クリープを足止めしてくれないか?」

「えー、何でですか?」

 クリープを足止めするように指示を出すと、彼女は嫌がる素振りをみせる。

 チッ、説明をしている暇はないと言うのに。

 協力的ではない彼女に若干の苛立ちを覚えていると、彼女は魔法で風を生み出し、俺に向けて放ってくる。

 ダメージを受けるようなことはなかったが、突然の強風でバランスを崩し、その場で転倒してしまった。

「アイリン何をするんだ! 今はお前の悪戯に付き合っている暇はない!」

 俺の怒声に対して、アイリンは顔を俯かせる。

「だって、シャカールトレーナーの子種を頂くのはわたしですから」

「はぁ?」

 彼女の意味不明な言動に一瞬思考がフリーズしていると、アイリンが服を脱ぎ始め、下着姿になる。

「シャカールトレーナーの子種をわたしにください。初めてですが、頑張りますので」

 顔を赤らめつつも、ゆっくりと俺のズボンに手を伸ばすアイリン。

 お前も発情期か! いや、エルフに発情期なんてものあるのか? って、そんなことを考えている場合ではないって!

 転がるように体を回転させてアイリンの手を躱し、直ぐに立ち上がる。

 いったい何が起きているって言うんだ! 悪夢ならさっさと目を覚ましてくれ。

 もしかしたら俺は悪夢を見ているのかもしれない。そう思って、自信の頬を抓る。だが、頬を抓った瞬間に痛みを感じた。

「くそう。僅かな希望も絶たれたか」

 全速力で走っていると、学生寮の前に辿り着く。だが、視界に入った光景を見た瞬間、目を疑った。

 下着姿の女子生徒たちが、まるでゾンビのように徘徊していたのだ。

 そして1人の女子生徒と目線が合ってしまう。

「見つけた。三冠王。子種を頂戴」

 俺の存在を認識した女子生徒がこちらに向けて走ってくる。

 いったい、この学園に何が起きたと言うんだ!
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件

美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…? 最新章の第五章も夕方18時に更新予定です! ☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。 ※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます! ※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。 ※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活

昼寝部
ファンタジー
 この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。  しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。  そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。  しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。  そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。  これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

貞操逆転世界に転生したのに…男女比一対一って…

美鈴
ファンタジー
俺は隼 豊和(はやぶさ とよかず)。年齢は15歳。今年から高校生になるんだけど、何を隠そう俺には前世の記憶があるんだ。前世の記憶があるということは亡くなって生まれ変わったという事なんだろうけど、生まれ変わった世界はなんと貞操逆転世界だった。これはモテると喜んだのも束の間…その世界の男女比の差は全く無く、男性が優遇される世界ではなかった…寧ろ…。とにかく他にも色々とおかしい、そんな世界で俺にどうしろと!?また誰とも付き合えないのかっ!?そんなお話です…。 ※カクヨム様にも投稿しております。内容は異なります。 ※イラストはAI生成です

少しの間、家から追い出されたら芸能界デビューしてハーレム作ってました。コスプレのせいで。

昼寝部
キャラ文芸
 俺、日向真白は義妹と幼馴染の策略により、10月31日のハロウィンの日にコスプレをすることとなった。  その日、コスプレの格好をしたまま少しの間、家を追い出された俺は、仕方なく街を歩いていると読者モデルの出版社で働く人に声をかけられる。  とても困っているようだったので、俺の写真を一枚だけ『読者モデル』に掲載することを了承する。  まさか、その写真がキッカケで芸能界デビューすることになるとは思いもせず……。  これは真白が芸能活動をしながら、義妹や幼馴染、アイドル、女優etcからモテモテとなり、全国の女性たちを魅了するだけのお話し。

ギャルい女神と超絶チート同盟〜女神に贔屓されまくった結果、主人公クラスなチート持ち達の同盟リーダーとなってしまったんだが〜

平明神
ファンタジー
 ユーゴ・タカトー。  それは、女神の「推し」になった男。  見た目ギャルな女神ユーラウリアの色仕掛けに負け、何度も異世界を救ってきた彼に新たに下った女神のお願いは、転生や転移した者達を探すこと。  彼が出会っていく者たちは、アニメやラノベの主人公を張れるほど強くて魅力的。だけど、みんなチート的な能力や武器を持つ濃いキャラで、なかなか一筋縄ではいかない者ばかり。  彼らと仲間になって同盟を組んだユーゴは、やがて彼らと共に様々な異世界を巻き込む大きな事件に関わっていく。  その過程で、彼はリーダーシップを発揮し、新たな力を開花させていくのだった!  女神から貰ったバラエティー豊かなチート能力とチートアイテムを駆使するユーゴは、どこへ行ってもみんなの度肝を抜きまくる!  さらに、彼にはもともと特殊な能力があるようで……?  英雄、聖女、魔王、人魚、侍、巫女、お嬢様、変身ヒーロー、巨大ロボット、歌姫、メイド、追放、ざまあ───  なんでもありの異世界アベンジャーズ!  女神の使徒と異世界チートな英雄たちとの絆が紡ぐ、運命の物語、ここに開幕! ※不定期更新。最低週1回は投稿出来るように頑張ります。 ※感想やお気に入り登録をして頂けますと、作者のモチベーションがあがり、エタることなくもっと面白い話が作れます。

旧校舎の地下室

守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。

英雄召喚〜帝国貴族の異世界統一戦記〜

駄作ハル
ファンタジー
異世界の大貴族レオ=ウィルフリードとして転生した平凡サラリーマン。 しかし、待っていたのは平和な日常などではなかった。急速な領土拡大を目論む帝国の貴族としての日々は、戦いの連続であった─── そんなレオに与えられたスキル『英雄召喚』。それは現世で英雄と呼ばれる人々を呼び出す能力。『鬼の副長』土方歳三、『臥龍』所轄孔明、『空の魔王』ハンス=ウルリッヒ・ルーデル、『革命の申し子』ナポレオン・ボナパルト、『万能人』レオナルド・ダ・ヴィンチ。 前世からの知識と英雄たちの逸話にまつわる能力を使い、大切な人を守るべく争いにまみれた異世界に平和をもたらす為の戦いが幕を開ける! 完結まで毎日投稿!

処理中です...