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第十三章
第三話 海戦で開戦
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突然動かなくなった船に違和感を覚えた俺は、嫌な予感がしてならなかった。
この船に何かが起きたのかは明白。だが、それを調べる権利は俺にはない。
何せ俺は、この船の所有者ではなく、ただの客にすぎないのだから。
「それにしても、どうして急に動かなくなってしまったのだろうね? うわっと!」
シュヴァルツが声を発した直後、船に振動が起きて足元がぐらつく。
「じ、地震だ!」
「海の上で地震が起きる訳がないだろう! おそらく、何かが船底を動かしているんだ」
シュヴァルツの間抜けな言葉にツッコミを入れつつ、転倒しないように足を踏ん張る。
これほどの振動を動かすとなると、可能性として考えられるのは海に住むモンスターの仕業だと考えるのが妥当だろう。
どうしてこの船が襲われているのかは不明だが、この窮地を脱しない限り、俺たちは目的地に辿り着くことはできない。最悪の場合、海の藻屑となってしまう。
思考していると、海面から何かが飛び出すような音と共に、水飛沫が上がる。そして巨大な触手が顔を出した。
その大きさは、太さ訳30センチ、長さ5メートルはあるのではないかと思う程だ。
だが、あれは本当の長さではないだろう。海面から出ている部分での目測での判断であるため、海に沈んでいる部分も考慮すると、それ以上の長さだ。
そして吸盤の部分には、鋭い歯のようなものが無数にあった。
あんなものに捕まってしまっては、間違い無く肉体を噛まれ、血だらけとなってしまうだろうな。
「シャカール、シュヴァルツ、ルビー、3人共無事か!」
現れた巨大な触手に驚いていると、ルーナが甲板へと飛び出してきた。
「ルーナ、俺たちは無事だ」
「今、船員たちがなんとかして抜け出そうと奮闘している。お前たちは部屋に避難しておけ」
「避難って、この状況で安全な場所なんてないじゃないか」
自分達の部屋に戻って祈りを捧げるなんて、俺のキャラではない。それに、部屋に戻ったところで、モンスターを撃退しない限りは、この船は無事に目的地に辿り着くことはできない。
「確かに安全な場所はない。だけど、これは引率者としての命令だ。今すぐに部屋に戻れ」
部屋に戻るように促した直後、触手が海面を叩いたようで、水飛沫が上がる。しかし巨大な触手が起こした水飛沫は、人間の手が海面を叩いたときに起きる水飛沫を遥かに凌駕しており、水の塊となってルーナに直撃した。
「ルーナ!」
咄嗟に彼女の名を叫ぶ。
「安心しろ。海水をかけられただけだ。だが、お陰でびしょ濡れでベタベタするし、服が肌に張り付いて動き難いな」
海水をかけられたルーナが淡々と言葉を述べる。だが、海水を浴びたことで着ている衣服が透け、下着が丸見えと言う状態となっている。
そんな彼女を直視することができず、咄嗟に視線を外した。
「早くあのモンスターを倒さないとだな」
「エレクトリック……おっと」
雷の魔法で迎撃しようと思い、魔力回路全体に魔力を行き渡らせたその時、足場が揺れた。その影響で集中力が途切れ、中断させられてしまったのだ。
どうにか足を踏ん張って転倒することは免れているが、これでは魔法を発動することができない。
「くそう。この揺れをどうにかしないと、魔法が発動できない」
「兄さん、あなたが土台となってさしあげなさい。まるで幼子をあやすかのように『たかいたかい』をすれば、魔法が使えるはず」
「なるほど、確かに甲板の上でなければ揺れないかも……って、そんな訳ないじゃないか!」
突然ルビーの発した言葉に、シュヴァルツがツッコミを入れる。
だが、俺は彼女の言葉が妙に引っかかった。何せルビーはボケるタイプではないし、こんな状況下でふざけている場合ではないことも彼女も理解しているはず。
きっと何かの助言ではないのか? そう思って思考を巡らせる。
幼子をあやす『たかいたかい』あれは大人が子どもを持ち上げることでたかい位置へと持っていくものだ。そして幼子の足は空中に浮いている。
「そうか。分かったぞ !シュヴァルツ、確か前に困ったときは協力してくれると言ったよな?」
「ああ。言ったね。俺が力になれることであれば、協力するよ」
「サンキュウ。なら、今からお前を蹴る。うまくガードをしてくれ」
彼に指示を出すと、俺は後方に下がり、彼との距離を開けた。
「け、蹴るってどういうことなの? 全然意味が分からないのだけど? って、わわわ! たんま! たんま! ちょっと待ってくれ!」
彼の言葉に耳を貸すことなく、俺は走り出す。そして、その場で軽く跳躍ししてシュヴァルツにライダーキックのような蹴りを放つ。
俺の足は彼のクロスされた腕に直撃し、その反動で更に空中に飛び上がる。
シュヴァルツを利用しての壁ジャンが決まった。これなら、たとえ船が揺らされても俺には影響を受けない。
「こいつを食らえ! エレクトリックサンダー!」
魔力回路全体に魔力を行き渡らせ、雷撃系の魔法を触手に当てた。
『ギョエエエエエエエエエェェェェェェェェ!』
攻撃を受けたモンスターはダメージを受けたようで、鳴き声を上げる。すると、海面から巨大な牛の頭が姿を見せる。
え? なんで海面から牛の頭が出てくる?
この船に何かが起きたのかは明白。だが、それを調べる権利は俺にはない。
何せ俺は、この船の所有者ではなく、ただの客にすぎないのだから。
「それにしても、どうして急に動かなくなってしまったのだろうね? うわっと!」
シュヴァルツが声を発した直後、船に振動が起きて足元がぐらつく。
「じ、地震だ!」
「海の上で地震が起きる訳がないだろう! おそらく、何かが船底を動かしているんだ」
シュヴァルツの間抜けな言葉にツッコミを入れつつ、転倒しないように足を踏ん張る。
これほどの振動を動かすとなると、可能性として考えられるのは海に住むモンスターの仕業だと考えるのが妥当だろう。
どうしてこの船が襲われているのかは不明だが、この窮地を脱しない限り、俺たちは目的地に辿り着くことはできない。最悪の場合、海の藻屑となってしまう。
思考していると、海面から何かが飛び出すような音と共に、水飛沫が上がる。そして巨大な触手が顔を出した。
その大きさは、太さ訳30センチ、長さ5メートルはあるのではないかと思う程だ。
だが、あれは本当の長さではないだろう。海面から出ている部分での目測での判断であるため、海に沈んでいる部分も考慮すると、それ以上の長さだ。
そして吸盤の部分には、鋭い歯のようなものが無数にあった。
あんなものに捕まってしまっては、間違い無く肉体を噛まれ、血だらけとなってしまうだろうな。
「シャカール、シュヴァルツ、ルビー、3人共無事か!」
現れた巨大な触手に驚いていると、ルーナが甲板へと飛び出してきた。
「ルーナ、俺たちは無事だ」
「今、船員たちがなんとかして抜け出そうと奮闘している。お前たちは部屋に避難しておけ」
「避難って、この状況で安全な場所なんてないじゃないか」
自分達の部屋に戻って祈りを捧げるなんて、俺のキャラではない。それに、部屋に戻ったところで、モンスターを撃退しない限りは、この船は無事に目的地に辿り着くことはできない。
「確かに安全な場所はない。だけど、これは引率者としての命令だ。今すぐに部屋に戻れ」
部屋に戻るように促した直後、触手が海面を叩いたようで、水飛沫が上がる。しかし巨大な触手が起こした水飛沫は、人間の手が海面を叩いたときに起きる水飛沫を遥かに凌駕しており、水の塊となってルーナに直撃した。
「ルーナ!」
咄嗟に彼女の名を叫ぶ。
「安心しろ。海水をかけられただけだ。だが、お陰でびしょ濡れでベタベタするし、服が肌に張り付いて動き難いな」
海水をかけられたルーナが淡々と言葉を述べる。だが、海水を浴びたことで着ている衣服が透け、下着が丸見えと言う状態となっている。
そんな彼女を直視することができず、咄嗟に視線を外した。
「早くあのモンスターを倒さないとだな」
「エレクトリック……おっと」
雷の魔法で迎撃しようと思い、魔力回路全体に魔力を行き渡らせたその時、足場が揺れた。その影響で集中力が途切れ、中断させられてしまったのだ。
どうにか足を踏ん張って転倒することは免れているが、これでは魔法を発動することができない。
「くそう。この揺れをどうにかしないと、魔法が発動できない」
「兄さん、あなたが土台となってさしあげなさい。まるで幼子をあやすかのように『たかいたかい』をすれば、魔法が使えるはず」
「なるほど、確かに甲板の上でなければ揺れないかも……って、そんな訳ないじゃないか!」
突然ルビーの発した言葉に、シュヴァルツがツッコミを入れる。
だが、俺は彼女の言葉が妙に引っかかった。何せルビーはボケるタイプではないし、こんな状況下でふざけている場合ではないことも彼女も理解しているはず。
きっと何かの助言ではないのか? そう思って思考を巡らせる。
幼子をあやす『たかいたかい』あれは大人が子どもを持ち上げることでたかい位置へと持っていくものだ。そして幼子の足は空中に浮いている。
「そうか。分かったぞ !シュヴァルツ、確か前に困ったときは協力してくれると言ったよな?」
「ああ。言ったね。俺が力になれることであれば、協力するよ」
「サンキュウ。なら、今からお前を蹴る。うまくガードをしてくれ」
彼に指示を出すと、俺は後方に下がり、彼との距離を開けた。
「け、蹴るってどういうことなの? 全然意味が分からないのだけど? って、わわわ! たんま! たんま! ちょっと待ってくれ!」
彼の言葉に耳を貸すことなく、俺は走り出す。そして、その場で軽く跳躍ししてシュヴァルツにライダーキックのような蹴りを放つ。
俺の足は彼のクロスされた腕に直撃し、その反動で更に空中に飛び上がる。
シュヴァルツを利用しての壁ジャンが決まった。これなら、たとえ船が揺らされても俺には影響を受けない。
「こいつを食らえ! エレクトリックサンダー!」
魔力回路全体に魔力を行き渡らせ、雷撃系の魔法を触手に当てた。
『ギョエエエエエエエエエェェェェェェェェ!』
攻撃を受けたモンスターはダメージを受けたようで、鳴き声を上げる。すると、海面から巨大な牛の頭が姿を見せる。
え? なんで海面から牛の頭が出てくる?
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