【13章まで完結】25人の花嫁候補から、獣人の愛され花嫁に選ばれました。

こころ ゆい

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プロローグ

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 この国のどこかに散らばって暮らしているという獣人。

 耳や尻尾といった獣の要素は残しておらず...見目麗しく体格の良さは多少あっても、見た目は人間と変わらない。

 獣人は、頭脳、力、スピード。それぞれの種族の特徴を持ち、人より秀でた能力を持つというーー。

 それはどこか現実味のないお伽話のようなもの。
 普段生活していて、周りの者の中で獣人を意識することはほとんどない。

 しかし、現実。そんな...どこにいるかもわからない獣人たちのための法律が存在した。

 獣人存続のための花嫁選定法ーーいわゆる『獣人法』だ。

 確かにその法は、我が国に存在し...施行されて100年余りが経っていた。


 国が選んだ25人の花嫁候補。
 その中から、正式な花嫁に選ばれるのは一人だけ。
 選ばれた者に拒否することは許されず、必ず獣人のもとに嫁いでいくという。

 目的はひとつ。獣人たちの習性により、どんどん数を減らしている現状を打破すること。
 『人間では持ち得ない高い能力を持つ獣人を、絶やしてはならない』と。

 抵抗する国民など居なかった。
 現実味のない獣人の花嫁など、夢の話。
 興味のない者、本気にしない者、他人事だと捉える者。そんな国民たちによって、法は難なく可決された。

 国は候補者選びの基準を、一切明かしていない。
 もちろん...獣人が一人を選ぶ選定基準も、謎のまま。

 全てをベールに包まれて...いつしかそんな法があること自体、国民たちは忘れ去っていく。

 さて。時折、絵本や小説でフィクションの世界として語られるだけになった『花嫁たち』は...本当に存在するのだろうかーー。

 皆が知らぬ間に、知らぬところで。
 法によって...獣人の意思によって...たった一人の花嫁として選ばれた女の子たちが、個性豊かな獣人たちに溺愛される。

 これは、そんなお話です。
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