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後日談 黛家の妊婦さん2
(154)優しい夫 ★
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おしゃべりの続きです。
※別サイトには掲載しておりません。
※出産の明け透けな話題があります。痛い話題にも触れるので、苦手な方は閲覧にご注意ください。
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七海の入れた珈琲と黛の入れたお茶をそれぞれ飲みながら、七海は妊婦情報誌『nikotama』を、黛は定期購読している『NIKKAIメディカル』をソファに並んで眺めていた。
最近七海が気にしているのは、やはりスムーズに出産する為に何を気を付けるか、と言う話題である。特に出産時の痛みにどのように対処するか、については今非常に気になっているトピックである。
陣痛は……とても痛いらしい。その上子供が出て来る出口の伸びが悪くなかなか出て来ない場合は……そこをハサミで切る(!)……らしい。エッセイ本でその下りを読んだ七海は思わず「ひいぃ!」と悲鳴を上げてしまったくらいだ。それぐらい怖かった。
七海は比較的丈夫に育った。だからこれまで病気でも怪我でも入院した経験が無い。だから当然手術の経験も無い。体を切る(!)ことがどれくらい痛いのか見当もつかないし、自分が耐えられるかも分からなかった。何しろ場合によっては麻酔無しで切ることもあるのだと言う。出産が近づくにつれ、そればかり頭に浮かんでしまうのだ。
だから七海が今もっとも気になる出産に関する単語とは―――
『会陰切開』
これ、である。
これは怖い、怖すぎる……何とか避けたい。と、七海は思う。
すると眺めている妊娠情報誌のパラリと開いたページに『あなたが出来ること ~スムーズなお産のために~』と言う特集ページが飛び込んで来た。
『太り過ぎない。適切な体重管理が大事です。』
うんうん、と七海は頷く。幸い気を付けている所為かクリニックで指示されている範囲内に体重増加を抑えられている。
『呼吸法を練習する。』
ラマーズ法とソフロジー法だっけ?知識としては知っているが、練習まではしていない。産休に入ったら時間が出来るからやってみようかな、などと七海は考える。
『適度な運動をする。』
最近毎日の通勤は常にロマンスグレーの遠賀さんと一緒だ。彼は長年タクシー運転手をしてきただけあって話題が豊富で話し上手だ。と言う訳で七海は行きも帰りも楽しい時間を過ごしている。けれども運動と言う面から言うと歩く時間が減ってしまったのは事実だ。産休中は出来るだけウォーキングやストレッチに精を出さねばと決意を新たにする。『マタニティーヨガもお勧め!』と言う文字を目にして思い出す。そう言えばよく行く駅前の大型ショッピングセンターにヨガスタジオがあったような。
「マタニティーヨガのクラスがあったら通ってみようかなぁ」
「急にどうしたんだ?」
「駅前のショッピングセンターに本屋さんがあるでしょう?同じ階にヨガスタジオがあったんだよね。産休に入ったら時間があるから。ほら、出産も近いし安産のために出来ることがあったら出来るだけやってみたいなぁって」
「ふーん……」
黛は七海の手にしている雑誌を横から覗き込んだ。
「あ!そうだ。今日ウォーキングがてら、あそこでご飯食べない?ついでに本屋とヨガスタジオを覗いてみたいなぁ……黛君?」
黛が身を乗り出して熱心に記事を読んでいる。七海はまたしてもちょっと感動してしまう。忙しいのに、七海の気にしていることにちゃんと関心を示してくれるのが嬉しかった。職場の大分年上の出産経験者が、夫があまり協力的では無かったという話をしていたから一層そう感じてしまうのかもしれない。出産も子育ても彼女の実母とやり通したと言う。そう言えば七海の父親も昔はそうだったらしい。翔太の相手はしているようだが、海人と七海の子育てには単身赴任中と言う事もあって、ほとんど関わっていなかったという。男が育児に関わるのが一般的では無かった、と言う時代のせいかもしれない。
「ん?」
七海の呼びかけに黛が顔を上げた。
「今日のお昼、外で食べない?ウォーキングも兼ねて」
やはり聞こえていなかったようだ。七海が改めて確認すると、黛はニッコリと笑って頷いた。
「ああ、そうだな。何が食べたい?」
「えーとね……」
テーブルに置いておいたスマホを手に取り、七海はショッピングセンターのサイトを立ち上げた。
その日の夜。お風呂から上がった後、七海は寝室のベッドの上で股関節を柔らかくするストレッチをしていた。これも雑誌に書いてあったのだ。安産の為に必要なことは何でもやっておきたいと思う。ちなみに妊娠線予防のクリームは既に塗り終っている。七海と入れ替わりにお風呂に入った黛が寝室に戻って来る前に塗ってしまわなければ、と考えたのだ。またマッサージの途中で不埒な悪戯に移行されてはたまらない。
「何しているんだ?」
そこへお風呂から上がった黛が帰って来た。
「ストレッチだよ。安産には体の柔らかさが必要なんだって」
「ああ、昼読んでた雑誌に書いてあったな……俺も手伝うよ」
「ん?大丈夫、もう大体終わったから」
すると黛がクローゼットを開けて、何やら袋を取り出した。サイドテーブルにそれを置き、ベッドに上がり込むと中から何やら瓶を取り出す。そう言えば七海がハーブティを物色している間、黛がレジで何かを買っていたな、と思い出す。
「それ、今日買ったの?」
オーガニックのアロマオイルやハーブティを売っている店だった。よく見るとオーガニック素材のセサミオイルだ。
「安産の為に柔らかくするんだろ?マッサージを手伝おうかと思ってな」
「……『マッサージ』?妊娠線の予防クリームはもう塗ったけど……」
何か話がすれ違っているような気がする。ストレッチも終わったし、クリームも塗った。協力して貰うようなことは何もない筈だった。
「『会陰マッサージ』が良いんだろ?雑誌に書いてあるオイルも買ったし、七海はやりづらいだろうから、俺がやってやる」
「……えっ……」
「じゃあまず、それを脱ごうか」
と、何故かテキパキと上着のボタンを外し始める。
「なっ……ちょっ……」
「遠慮すんな」
「わーダメダメ!恥ずかしいからっ!」
「何言ってんだ、いつもとやってるコトは変わらないだろ?」
「そうだけどっ、でもっ……ああ!そうだ!」
七海は黛の手首をグッと掴んで押しとどめた。
「まだ早いよ!そう!まだ八ヶ月だもん!」
「は?」
七海の必死の訴えが届いたようで、黛がピタリと動きを止めた。七海は記憶を総動員して反論をかき集める。
「そうなの、まだ早いの!確か……そう、三十六週……とか確か九ヶ月の後半くらいだったはず!あんまり早いとね、よくないらしい」
どうして良くないのか、根拠までは知らないが、確か以前読んだ時は始める時期に注意と書いてあった筈だ。
「それにね、オーガニックオイルとは言え相性もあるから……ホラ、まずはパッチテストとかしないとだし。だから今日は……有難いけど無理……かな??」
すると漸く黛が諦めたように力を抜いた。外し掛けたボタンから手を戻し、サイドテーブルに置いてあるスマホに手を伸ばした。そうして暫く画面を操作して……納得したらしい。
「分かった。じゃあ今日はパッチテストをしよう」
「うん」
七海はホッと胸を撫でおろす。何となく夫婦の夜の行為と変わらない気がしないでもないが……真面目なマッサージの方が恥ずかしい気がしたのだ。できればこのまま黛の親切をスルーしたい。きっとここを乗り切れば忙しい黛のことだ、ゆっくりマッサージをしようなどと言う暇は無くなるに違いない、と彼女は考えた。そしてアッと言うまに出産予定日になってしまうだろう。会陰マッサージは一人でもできる。と言うか出来ればそんな恥ずかしいことは、絶対に一人でこっそりやった方が良い、と強く思う。
腕の内側に丸く、セサミオイルを塗られる。黛は「よし」と満足気に頷いた。
「これで一日から二日、大丈夫だったらOKだな?」
「うん」
そして何やらまたスマホを弄り始める。
「セサミオイルが合わなかったら言えよ。違うの試さないとな。あとマッサージは三十六週じゃなくて三十四週からだ、一応アラーム付けてい置いたぞ。それから……ネットでは三十四週前にやるなら医師に確認するようにって書いてあったから、次の検診で確認すればもう少し早くから出来るんじゃないか?」
「……」
「七海?」
「あ、うん。聞いてみる……」
妊婦の妻を気遣って出産のことに興味を持ってくれる優しい夫を持って、七海は幸せだった。とても有難いことだと―――心から思う。しかし。
興味を持ちすぎる夫もどうかと思う。
そうふと感じてしまう自分は、もしかしたらかなり贅沢なのかもしれない。……と、七海は思ったのだった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「じゃあ、寝るか」
と言って、またしてもボタンを外し始める黛。
「えっ……マッサージはまだ……」
「うん、マッサージはまた今度な。普通にやろう」
結局その日はあまり変わらない結果になりました。
いつも通りの変わり映え無いオチですみません……<(_ _)>!
お読みいただき、誠にありがとうございました!
※別サイトには掲載しておりません。
※出産の明け透けな話題があります。痛い話題にも触れるので、苦手な方は閲覧にご注意ください。
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七海の入れた珈琲と黛の入れたお茶をそれぞれ飲みながら、七海は妊婦情報誌『nikotama』を、黛は定期購読している『NIKKAIメディカル』をソファに並んで眺めていた。
最近七海が気にしているのは、やはりスムーズに出産する為に何を気を付けるか、と言う話題である。特に出産時の痛みにどのように対処するか、については今非常に気になっているトピックである。
陣痛は……とても痛いらしい。その上子供が出て来る出口の伸びが悪くなかなか出て来ない場合は……そこをハサミで切る(!)……らしい。エッセイ本でその下りを読んだ七海は思わず「ひいぃ!」と悲鳴を上げてしまったくらいだ。それぐらい怖かった。
七海は比較的丈夫に育った。だからこれまで病気でも怪我でも入院した経験が無い。だから当然手術の経験も無い。体を切る(!)ことがどれくらい痛いのか見当もつかないし、自分が耐えられるかも分からなかった。何しろ場合によっては麻酔無しで切ることもあるのだと言う。出産が近づくにつれ、そればかり頭に浮かんでしまうのだ。
だから七海が今もっとも気になる出産に関する単語とは―――
『会陰切開』
これ、である。
これは怖い、怖すぎる……何とか避けたい。と、七海は思う。
すると眺めている妊娠情報誌のパラリと開いたページに『あなたが出来ること ~スムーズなお産のために~』と言う特集ページが飛び込んで来た。
『太り過ぎない。適切な体重管理が大事です。』
うんうん、と七海は頷く。幸い気を付けている所為かクリニックで指示されている範囲内に体重増加を抑えられている。
『呼吸法を練習する。』
ラマーズ法とソフロジー法だっけ?知識としては知っているが、練習まではしていない。産休に入ったら時間が出来るからやってみようかな、などと七海は考える。
『適度な運動をする。』
最近毎日の通勤は常にロマンスグレーの遠賀さんと一緒だ。彼は長年タクシー運転手をしてきただけあって話題が豊富で話し上手だ。と言う訳で七海は行きも帰りも楽しい時間を過ごしている。けれども運動と言う面から言うと歩く時間が減ってしまったのは事実だ。産休中は出来るだけウォーキングやストレッチに精を出さねばと決意を新たにする。『マタニティーヨガもお勧め!』と言う文字を目にして思い出す。そう言えばよく行く駅前の大型ショッピングセンターにヨガスタジオがあったような。
「マタニティーヨガのクラスがあったら通ってみようかなぁ」
「急にどうしたんだ?」
「駅前のショッピングセンターに本屋さんがあるでしょう?同じ階にヨガスタジオがあったんだよね。産休に入ったら時間があるから。ほら、出産も近いし安産のために出来ることがあったら出来るだけやってみたいなぁって」
「ふーん……」
黛は七海の手にしている雑誌を横から覗き込んだ。
「あ!そうだ。今日ウォーキングがてら、あそこでご飯食べない?ついでに本屋とヨガスタジオを覗いてみたいなぁ……黛君?」
黛が身を乗り出して熱心に記事を読んでいる。七海はまたしてもちょっと感動してしまう。忙しいのに、七海の気にしていることにちゃんと関心を示してくれるのが嬉しかった。職場の大分年上の出産経験者が、夫があまり協力的では無かったという話をしていたから一層そう感じてしまうのかもしれない。出産も子育ても彼女の実母とやり通したと言う。そう言えば七海の父親も昔はそうだったらしい。翔太の相手はしているようだが、海人と七海の子育てには単身赴任中と言う事もあって、ほとんど関わっていなかったという。男が育児に関わるのが一般的では無かった、と言う時代のせいかもしれない。
「ん?」
七海の呼びかけに黛が顔を上げた。
「今日のお昼、外で食べない?ウォーキングも兼ねて」
やはり聞こえていなかったようだ。七海が改めて確認すると、黛はニッコリと笑って頷いた。
「ああ、そうだな。何が食べたい?」
「えーとね……」
テーブルに置いておいたスマホを手に取り、七海はショッピングセンターのサイトを立ち上げた。
その日の夜。お風呂から上がった後、七海は寝室のベッドの上で股関節を柔らかくするストレッチをしていた。これも雑誌に書いてあったのだ。安産の為に必要なことは何でもやっておきたいと思う。ちなみに妊娠線予防のクリームは既に塗り終っている。七海と入れ替わりにお風呂に入った黛が寝室に戻って来る前に塗ってしまわなければ、と考えたのだ。またマッサージの途中で不埒な悪戯に移行されてはたまらない。
「何しているんだ?」
そこへお風呂から上がった黛が帰って来た。
「ストレッチだよ。安産には体の柔らかさが必要なんだって」
「ああ、昼読んでた雑誌に書いてあったな……俺も手伝うよ」
「ん?大丈夫、もう大体終わったから」
すると黛がクローゼットを開けて、何やら袋を取り出した。サイドテーブルにそれを置き、ベッドに上がり込むと中から何やら瓶を取り出す。そう言えば七海がハーブティを物色している間、黛がレジで何かを買っていたな、と思い出す。
「それ、今日買ったの?」
オーガニックのアロマオイルやハーブティを売っている店だった。よく見るとオーガニック素材のセサミオイルだ。
「安産の為に柔らかくするんだろ?マッサージを手伝おうかと思ってな」
「……『マッサージ』?妊娠線の予防クリームはもう塗ったけど……」
何か話がすれ違っているような気がする。ストレッチも終わったし、クリームも塗った。協力して貰うようなことは何もない筈だった。
「『会陰マッサージ』が良いんだろ?雑誌に書いてあるオイルも買ったし、七海はやりづらいだろうから、俺がやってやる」
「……えっ……」
「じゃあまず、それを脱ごうか」
と、何故かテキパキと上着のボタンを外し始める。
「なっ……ちょっ……」
「遠慮すんな」
「わーダメダメ!恥ずかしいからっ!」
「何言ってんだ、いつもとやってるコトは変わらないだろ?」
「そうだけどっ、でもっ……ああ!そうだ!」
七海は黛の手首をグッと掴んで押しとどめた。
「まだ早いよ!そう!まだ八ヶ月だもん!」
「は?」
七海の必死の訴えが届いたようで、黛がピタリと動きを止めた。七海は記憶を総動員して反論をかき集める。
「そうなの、まだ早いの!確か……そう、三十六週……とか確か九ヶ月の後半くらいだったはず!あんまり早いとね、よくないらしい」
どうして良くないのか、根拠までは知らないが、確か以前読んだ時は始める時期に注意と書いてあった筈だ。
「それにね、オーガニックオイルとは言え相性もあるから……ホラ、まずはパッチテストとかしないとだし。だから今日は……有難いけど無理……かな??」
すると漸く黛が諦めたように力を抜いた。外し掛けたボタンから手を戻し、サイドテーブルに置いてあるスマホに手を伸ばした。そうして暫く画面を操作して……納得したらしい。
「分かった。じゃあ今日はパッチテストをしよう」
「うん」
七海はホッと胸を撫でおろす。何となく夫婦の夜の行為と変わらない気がしないでもないが……真面目なマッサージの方が恥ずかしい気がしたのだ。できればこのまま黛の親切をスルーしたい。きっとここを乗り切れば忙しい黛のことだ、ゆっくりマッサージをしようなどと言う暇は無くなるに違いない、と彼女は考えた。そしてアッと言うまに出産予定日になってしまうだろう。会陰マッサージは一人でもできる。と言うか出来ればそんな恥ずかしいことは、絶対に一人でこっそりやった方が良い、と強く思う。
腕の内側に丸く、セサミオイルを塗られる。黛は「よし」と満足気に頷いた。
「これで一日から二日、大丈夫だったらOKだな?」
「うん」
そして何やらまたスマホを弄り始める。
「セサミオイルが合わなかったら言えよ。違うの試さないとな。あとマッサージは三十六週じゃなくて三十四週からだ、一応アラーム付けてい置いたぞ。それから……ネットでは三十四週前にやるなら医師に確認するようにって書いてあったから、次の検診で確認すればもう少し早くから出来るんじゃないか?」
「……」
「七海?」
「あ、うん。聞いてみる……」
妊婦の妻を気遣って出産のことに興味を持ってくれる優しい夫を持って、七海は幸せだった。とても有難いことだと―――心から思う。しかし。
興味を持ちすぎる夫もどうかと思う。
そうふと感じてしまう自分は、もしかしたらかなり贅沢なのかもしれない。……と、七海は思ったのだった。
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「じゃあ、寝るか」
と言って、またしてもボタンを外し始める黛。
「えっ……マッサージはまだ……」
「うん、マッサージはまた今度な。普通にやろう」
結局その日はあまり変わらない結果になりました。
いつも通りの変わり映え無いオチですみません……<(_ _)>!
お読みいただき、誠にありがとうございました!
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