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エピローグ
結婚式
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入籍した日の夜は、ヨーク邸でお祝いのパーティが開かれた
エマはヨーク家で用意されていたドレスに着替え、公爵家に伝わるティアラとネックレスをつけて アーサーと共に今日の主役になった
ベイリー家からもラファエルとシャーロットが駆けつけた
アーサーはドレスアップしたエマを見て、嬉しさのあまり招待客を無視して、にこにこしながらエマばかりを見ているポンコツぶりだ
(アーサー様、しっかりなさいませ!)
エマが小声で話しかけるも、殆ど耳に入っていない状態のようだ
ーー ダメだこりゃ。先が思いやられる ーー
アーサーのポンコツぶりにエマは呆れながらも、自分の前でのみポンコツであるならば、こればかりはつける薬はないかもしれないと密かに思ったのだった
そしてパーティの間中、アーサーはエマから離れず、ずっとエマの手を握ったり腰に手を回したりして、必ずどこかエマに触れていた。そして目が合うと幸せそうに微笑むのだ
ーー 公爵様って本当はこんなにベタベタ甘い人だったんだ ーー
実はエマはアーサーがビジネス界でマムシと呼ばれていることを兄のラルフから聞いて知っていた。なので、もしかしたら彼はツンデレの人なのではないかと思っていたのだが、実際はツンデレどころかデレデレの人だったことに驚いた
パーティ終了後、アーサーとエマは二人のために改装された寝室に入った
アーサーが先に風呂に入り、エマはその間にドレスを脱いで化粧を落とすなどの身支度を整えて入浴に備えた
しばらくするとパイル地のガウンを着たアーサーがホカホカしながら寝室に入ってきた
「今日はバラのお湯だったよ。エマも早く入っておいで?」
「はい」
エマは緊張して返事しかできなかった
アーサーが言った通り、湯船にバラの花びらがたくさん浮かんで甘い匂いが漂う、新婚初夜らしいお風呂だった
ーー 心遣いは嬉しいけど、これじゃぁ余計に緊張しちゃうよ。ホント困ったなぁ ーー
エマは悩むのをやめて、ゆっくりとバラの風呂を楽しむことにした
ーー ああ、気持ちいいなあ。やっぱりお風呂が一番だ ーー
「エマ様、お風呂から上がられましたら、お肌のお手入れがございますので、隣のエステルームへおいでくださいませ」
ーー げげげ、そうだった。お貴族様の奥方様は風呂上がりのお手入れがあるんだった。忘れてたよ 。今日は初夜だしね。そりゃエステ担当者も張り切るわけだわーー
ーー もう、覚悟を決めてお任せするしかないかな。寝室ではアーサー様が首を長くして待ってるだろうしなぁ。はぁ~憂鬱………ーー
エマはのろのろと体を洗ってからバスタオルを体に巻いてエステルームへと移動した
すると、直ぐにバスタオルを剥かれてしまい一糸まとわぬ姿にされてベッドへうつ伏せで寝そべった。恥ずかしくて顔を上げられなかった
エステはとにかく気持ちよくて、パックをする間に、いつのまにか眠ってしまっていた
終わってから肌を触るとすべすべツルツルの絹のようなお肌になっていた。流石プロの技だなぁと感心してしまったエマでした。それからエステ係の侍女にお礼を言ってから、アーサーの待つ寝室へと入って行った
エマが寝室に入って来るのをアーサーがベッドに腰掛けて見ていた
「エマ、ここにおいで?」
エマが緊張と恥ずかしさで身動き取れないでいると、アーサーが近寄って来て、エマをお姫様抱っこするとそのままベッドに倒れこんだ
そして、エマがアーサーの上に乗るような感じになってしまっている
「エマ。まだ知り合って間もないのに、入籍までさせちゃってごめんね。でも、俺の気持ちは知り合った時間の長さじゃない。本物だからね。エマ、愛してるよ。きっと俺以上に君を愛してる奴はいない。もう俺は君なしの世界なんて考えられないよ。こうやって君に触れて君と話ができて、君とずっと一緒にいられる。こんな幸せはないよ。未来永劫、君だけを愛すると誓うよ。ここは君の嫌いな貴族の家だけど、君のために精一杯の努力をし続けるから、だから君はずっと君のままでいて?俺はそのままの君が好きだから………。ねぇ、今日は初夜だね、エマ。優しくするから、俺の全てを受け止めてくれる?エマに俺の全てを知って欲しい。それに俺の全てで君を愛したい。エマ、愛してる」
アーサーがエマを抱きしめ唇を重ねて来た。そして、二人の体が上下入れ替わる。今度はアーサーが上になった
「エマ、いい?」
その夜、二人は静かに体を重ねた
次の朝、エマはアーサーの腕の中で目覚めた
エマが目を開けると目の前にアーサーの目があった
「おはよ、俺の奥さん」
そう言うアーサーの笑顔が、とても幸せそうだった
「アーサー様、おはようございます」
アーサーが少しだけ口を尖らせる
「アーサー様じゃないでしょ?もう俺は君の夫だよ?だから、アーサーって言って?」
「ア、ア、アーサー?」
「はい、よくできました。これはご褒美のキスね」
二人は優しいキスをした
「ねえ、これから毎日、こんなおはようのキスをしよ?ねっ?あ!エマ、体、辛くない?大丈夫?辛かったら今日は遠慮なくここで休んでていいからね」
アーサーがエマの頬を撫でながら目を細めるとエマを抱きしめた
二人は昨夜裸のままで寝てしまったので、お互いの柔らかな肌の感触を堪能した後、アーサーは素肌の上にガウンを無造作に引っ掛ける
「じゃぁ、俺は行ってくるね。今日は静かに寝とくんだよ(チュッ)」
そう言った後でアーサーは短いキスを残して、部屋から出て行った
暫くして、アトランティスから来た両親が帰郷するからと寝室に挨拶に来た
部屋着に着替えたエマは寝室のソファに座って出迎えた
「エマ、私達は今から帰る。体は辛くないか?」
エマは顔から火が出そうなほど恥ずかしかったが何とか受け答えだけはすることができた
「アーサー殿は、優しくしてくださるか?」
「はい。とてもお優しい方です」
「くれぐれもアーサー殿の足だけは引っ張ることのないようにな。何かあったら遠慮なく言ってくれ。いつでもどんな事でも、大歓迎だ」
「エマ、体を大事にね。あなたの産んだ孫を早く見たいわ」
「はい」
アーサーとの子供について聞かれたエマは、恥ずかしくて消えてなくなってしまいたかった
「それでは、元気でな」
「エマ、いつまでもあなたを愛してるわ。私達の大事なエマ」
両親の言葉を聞いて、エマは嬉しくて少しだけ泣いてしまった
この人達の娘でよかったと思った
それから3ヶ月後、たくさんの招待客と各国のマスコミの代表を集めアーサーとエマの結婚式が行われた
エマのウエディングドレスやベールなどはベイリー家の威信をかけてラファエルが用意したもので、真珠や宝石が贅沢に散りばめられた逸品は、いったいいくらかかったのだろうと聞くのも躊躇われるものだった。それからエマを飾る宝石類はエマが引き継いだヨーク家に伝わる逸品を使った。いつにも増してその美しさに磨きがかかったエマを見た招待客から溜め息が漏れる。もちろんアーサーは今にもとろけてしまいそうな様子で、完全にネジが飛んでしまっている。誓いの言葉を言う時も、祭壇ではなく、ずっとエマを見ている。
「新郎は神様の方を見て、誓いの言葉を捧げてください」
と、神父さんに言われてしまったほどだ
ここでもポンコツぶりを発揮してくれてます
入籍後は、何時も二人で過ごしている。アーサーがエマを離してくれないため、エマは仕方なく入ったばかりの大学を休学する羽目になってしまった。そして今は、アーサーの個人秘書を務めている。文字通り何時も一緒だ。仕事中のアーサーはクールで大胆だ。時には冷たく切り捨てる事もある。また、マムシと呼ばれるだけあって、これと狙いをつけたものには食らいついて絶対に離さない
そんな時は、必ず側にいるエマの手を周りから見えないようにずっと握って、自分を鼓舞し保っているアーサーを知るエマは、この人を支えてあげたいと思ったのだった
職場からの帰り道、アーサーの運転する車に乗り信号待ちで停まると、その僅かな隙を狙って、アーサーがエマにキスを仕掛けてくる
「いたたたたた。エマ、痛い」
「アーサー!信号が変わって後ろからクラクション鳴らされてます」
アーサーは思いっきりつねられた
最近は張り手ではなく、ぎゅっとつねられるようになったアーサーだった
FIN
********************
エマとアーサーのお話は終わりです
明日、閑話で、二人のその後を書きたいと思います
私が書くとみんなイケメンだけどポンコツになっちゃうのはなんでだろう?
お気に入りに入れてくださった方々に感謝いたします
エマはヨーク家で用意されていたドレスに着替え、公爵家に伝わるティアラとネックレスをつけて アーサーと共に今日の主役になった
ベイリー家からもラファエルとシャーロットが駆けつけた
アーサーはドレスアップしたエマを見て、嬉しさのあまり招待客を無視して、にこにこしながらエマばかりを見ているポンコツぶりだ
(アーサー様、しっかりなさいませ!)
エマが小声で話しかけるも、殆ど耳に入っていない状態のようだ
ーー ダメだこりゃ。先が思いやられる ーー
アーサーのポンコツぶりにエマは呆れながらも、自分の前でのみポンコツであるならば、こればかりはつける薬はないかもしれないと密かに思ったのだった
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ーー 公爵様って本当はこんなにベタベタ甘い人だったんだ ーー
実はエマはアーサーがビジネス界でマムシと呼ばれていることを兄のラルフから聞いて知っていた。なので、もしかしたら彼はツンデレの人なのではないかと思っていたのだが、実際はツンデレどころかデレデレの人だったことに驚いた
パーティ終了後、アーサーとエマは二人のために改装された寝室に入った
アーサーが先に風呂に入り、エマはその間にドレスを脱いで化粧を落とすなどの身支度を整えて入浴に備えた
しばらくするとパイル地のガウンを着たアーサーがホカホカしながら寝室に入ってきた
「今日はバラのお湯だったよ。エマも早く入っておいで?」
「はい」
エマは緊張して返事しかできなかった
アーサーが言った通り、湯船にバラの花びらがたくさん浮かんで甘い匂いが漂う、新婚初夜らしいお風呂だった
ーー 心遣いは嬉しいけど、これじゃぁ余計に緊張しちゃうよ。ホント困ったなぁ ーー
エマは悩むのをやめて、ゆっくりとバラの風呂を楽しむことにした
ーー ああ、気持ちいいなあ。やっぱりお風呂が一番だ ーー
「エマ様、お風呂から上がられましたら、お肌のお手入れがございますので、隣のエステルームへおいでくださいませ」
ーー げげげ、そうだった。お貴族様の奥方様は風呂上がりのお手入れがあるんだった。忘れてたよ 。今日は初夜だしね。そりゃエステ担当者も張り切るわけだわーー
ーー もう、覚悟を決めてお任せするしかないかな。寝室ではアーサー様が首を長くして待ってるだろうしなぁ。はぁ~憂鬱………ーー
エマはのろのろと体を洗ってからバスタオルを体に巻いてエステルームへと移動した
すると、直ぐにバスタオルを剥かれてしまい一糸まとわぬ姿にされてベッドへうつ伏せで寝そべった。恥ずかしくて顔を上げられなかった
エステはとにかく気持ちよくて、パックをする間に、いつのまにか眠ってしまっていた
終わってから肌を触るとすべすべツルツルの絹のようなお肌になっていた。流石プロの技だなぁと感心してしまったエマでした。それからエステ係の侍女にお礼を言ってから、アーサーの待つ寝室へと入って行った
エマが寝室に入って来るのをアーサーがベッドに腰掛けて見ていた
「エマ、ここにおいで?」
エマが緊張と恥ずかしさで身動き取れないでいると、アーサーが近寄って来て、エマをお姫様抱っこするとそのままベッドに倒れこんだ
そして、エマがアーサーの上に乗るような感じになってしまっている
「エマ。まだ知り合って間もないのに、入籍までさせちゃってごめんね。でも、俺の気持ちは知り合った時間の長さじゃない。本物だからね。エマ、愛してるよ。きっと俺以上に君を愛してる奴はいない。もう俺は君なしの世界なんて考えられないよ。こうやって君に触れて君と話ができて、君とずっと一緒にいられる。こんな幸せはないよ。未来永劫、君だけを愛すると誓うよ。ここは君の嫌いな貴族の家だけど、君のために精一杯の努力をし続けるから、だから君はずっと君のままでいて?俺はそのままの君が好きだから………。ねぇ、今日は初夜だね、エマ。優しくするから、俺の全てを受け止めてくれる?エマに俺の全てを知って欲しい。それに俺の全てで君を愛したい。エマ、愛してる」
アーサーがエマを抱きしめ唇を重ねて来た。そして、二人の体が上下入れ替わる。今度はアーサーが上になった
「エマ、いい?」
その夜、二人は静かに体を重ねた
次の朝、エマはアーサーの腕の中で目覚めた
エマが目を開けると目の前にアーサーの目があった
「おはよ、俺の奥さん」
そう言うアーサーの笑顔が、とても幸せそうだった
「アーサー様、おはようございます」
アーサーが少しだけ口を尖らせる
「アーサー様じゃないでしょ?もう俺は君の夫だよ?だから、アーサーって言って?」
「ア、ア、アーサー?」
「はい、よくできました。これはご褒美のキスね」
二人は優しいキスをした
「ねえ、これから毎日、こんなおはようのキスをしよ?ねっ?あ!エマ、体、辛くない?大丈夫?辛かったら今日は遠慮なくここで休んでていいからね」
アーサーがエマの頬を撫でながら目を細めるとエマを抱きしめた
二人は昨夜裸のままで寝てしまったので、お互いの柔らかな肌の感触を堪能した後、アーサーは素肌の上にガウンを無造作に引っ掛ける
「じゃぁ、俺は行ってくるね。今日は静かに寝とくんだよ(チュッ)」
そう言った後でアーサーは短いキスを残して、部屋から出て行った
暫くして、アトランティスから来た両親が帰郷するからと寝室に挨拶に来た
部屋着に着替えたエマは寝室のソファに座って出迎えた
「エマ、私達は今から帰る。体は辛くないか?」
エマは顔から火が出そうなほど恥ずかしかったが何とか受け答えだけはすることができた
「アーサー殿は、優しくしてくださるか?」
「はい。とてもお優しい方です」
「くれぐれもアーサー殿の足だけは引っ張ることのないようにな。何かあったら遠慮なく言ってくれ。いつでもどんな事でも、大歓迎だ」
「エマ、体を大事にね。あなたの産んだ孫を早く見たいわ」
「はい」
アーサーとの子供について聞かれたエマは、恥ずかしくて消えてなくなってしまいたかった
「それでは、元気でな」
「エマ、いつまでもあなたを愛してるわ。私達の大事なエマ」
両親の言葉を聞いて、エマは嬉しくて少しだけ泣いてしまった
この人達の娘でよかったと思った
それから3ヶ月後、たくさんの招待客と各国のマスコミの代表を集めアーサーとエマの結婚式が行われた
エマのウエディングドレスやベールなどはベイリー家の威信をかけてラファエルが用意したもので、真珠や宝石が贅沢に散りばめられた逸品は、いったいいくらかかったのだろうと聞くのも躊躇われるものだった。それからエマを飾る宝石類はエマが引き継いだヨーク家に伝わる逸品を使った。いつにも増してその美しさに磨きがかかったエマを見た招待客から溜め息が漏れる。もちろんアーサーは今にもとろけてしまいそうな様子で、完全にネジが飛んでしまっている。誓いの言葉を言う時も、祭壇ではなく、ずっとエマを見ている。
「新郎は神様の方を見て、誓いの言葉を捧げてください」
と、神父さんに言われてしまったほどだ
ここでもポンコツぶりを発揮してくれてます
入籍後は、何時も二人で過ごしている。アーサーがエマを離してくれないため、エマは仕方なく入ったばかりの大学を休学する羽目になってしまった。そして今は、アーサーの個人秘書を務めている。文字通り何時も一緒だ。仕事中のアーサーはクールで大胆だ。時には冷たく切り捨てる事もある。また、マムシと呼ばれるだけあって、これと狙いをつけたものには食らいついて絶対に離さない
そんな時は、必ず側にいるエマの手を周りから見えないようにずっと握って、自分を鼓舞し保っているアーサーを知るエマは、この人を支えてあげたいと思ったのだった
職場からの帰り道、アーサーの運転する車に乗り信号待ちで停まると、その僅かな隙を狙って、アーサーがエマにキスを仕掛けてくる
「いたたたたた。エマ、痛い」
「アーサー!信号が変わって後ろからクラクション鳴らされてます」
アーサーは思いっきりつねられた
最近は張り手ではなく、ぎゅっとつねられるようになったアーサーだった
FIN
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