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外伝 ロブドの戦い
第45話 戦いの始まり B
しおりを挟むどうも、村人の様子がおかしい――
そのことに気付いた貴族のお付きが、村長に訳を尋ねた。
――――いまだっ!!
俺は貴族の首を狙って、矢を射った。
村は騒然となった。
俺が矢を射った貴族は、血を流して死んでいる。
俺は隠れ潜んでいた茂みから飛び出して、大声で叫ぶ。
「みんな! 上手くいったぞ……手筈通りにやれ!!」
言い終えてから、貴族の取り巻きたちに向かって弓矢を射る。
村人たちは、呆然としている。
貴族の取り巻きのうち、二人の護衛の戦士が剣を抜く。
「貴様ら!! ――反乱を起こす気か!?」
「……い、いえ、そんな。滅相もない、我々は――」
新任の村長が――
俺に無理やり着せられた、濡れ衣を晴らそうと弁明を始める。
しかし――
俺が潜んでいた反対側の茂みからも、矢が飛んできて戦士を射抜く。
これでもう、言い逃れは出来ない。
向こうから矢を射ったのは、ジェイドだ。
俺が初手で貴族を仕留めることが出来れば、奴も参戦する手筈になっていた。
俺がしくじれば、逃げるとも言っていた。
そんな奴だから、あまり信用していなかったが、約束通りに矢を射っている。
俺も負けじと矢を射ながら、大声を出す。
「みんな!! 臆するな。手筈通りにやるんだ!!」
俺はそう言って、手振りで村人たちに、攻撃に参加するように促す。
もちろん、そんな打ち合わせはしていない。
俺が一方的に、言っているだけだ。
だが、貴族の視察団はそうは思わないだろう。
「き、貴様ら! 農民の分際で、我らには向かうとは……」
「覚えていろよ。必ず後悔することになる!!」
捨て台詞を残して、彼らは逃げ出した。
後日、宣言通りに戦力を整えて、報復に来るだろう。
「ロ、ロブド、てめぇ……自分が何をしたか分かってるのか!! と、とにかく、お前を差し出して、貴族様の誤解を解く。それしか俺たちが生き延びる道はない……」
村を代表するように、俺の前にやってきて、そう言ったのは――
子供の頃から、俺をよく虐めていた。
ガキ大将だった奴だ。
俺はジェイドから渡されていた剣を抜くと、腰の横に水平に構えて、そいつに向かって突っ込んでいった。
ドッ!
という衝撃が、俺の方にも伝わる。
そいつの腹に、深々と剣が刺さっていた。
腹を刺されても、すぐには死ななかったが――
流れ出る血は止まらずに、やがて死んだ。
俺はそいつの腹から剣を抜くと、村人たちの前に立って宣言する。
「今日からこの村は、俺が仕切る!! 俺の命令は絶対だ!! 文句のある奴は前に出ろ、あいつと同じ目に遭わせてやる!!」
…………。
――出てくる奴は、いなかった。
俺は血に濡れた、剣を掲げる。
「これから、領主の館を襲って食料を奪い取る!! 長年、俺達を苦しめてきた奴らに、報いを受けさせるんだ!!」
村人たちに、拒否権は無い。
嫌でも、付き合ってもらう。
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