ただいま御褒美転生中!〜元召喚勇者は救った世界で、自作の自立型魔法創作物と共に自由を求める〜

いくしろ仄

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過去と現在

62.見たことのある植物

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後もう少しで森を抜ける。
というところで。


とってもカラフルなマチョインコは集団ストーカー化して、僕の胸目掛けて奇襲をかけてくる。

レランはそれにスリングショットで応戦。

もうレランの腰の周りには吊り下げられたマチョインコで、素敵でカラフルな腰蓑状態。
そのカラフル腰蓑の主はというと綺麗な羽根は高値で買い取ってもらえるのだとウハウハ。


「まー、無理とは思うんですがねぇ?その金ピカのゴーレム。一つ、譲ってはもらえませんかね」

レランが揉み手でもしそうな姿勢で聞いてきたけど、そんな寄せ餌みたいなことに僕のゴールドを使わないでよ!!

隊列の僕の前に移動したラルクラートも襷掛けにした縄にたくさんのマチョインコをぶら下げている。…まるで斬新なファッションだよ。


ラルクラートの方は紐状の投石器でマチョインコを次々と撃ち落としてる。やっぱ彼は忍者だよ!忍者スゲーー!!

ちなみにマチョインコのお肉は手間がかかる割に食べでがないから今回は羽根を毟ったら処分するそうな。
正直、二人の姿をみるに今回だけならモモ肉だけを集めても結構な量になりそうなんだけどな。

ほら、塩と胡椒で濃く味付けしてカラッとチューリップ唐揚げにしてさ!オヤツやオツマミにピッタリ!そう思わない??手羽元でやるんじゃちょっと小さいからさ。
手羽先は手羽先でそこはそれピリッと塩辛い手羽先にしたいトコけど……過食部が小さすぎなんだろうね。


木々の密集度が下がっていくにつれて追ってくるマチョインコの数が減り。
リミの言っていた通りに陽が傾きかけた頃に、周囲の木々が途切れ急に頭上に空が広がった。

不自然なほど突然森が切れて、目の前にはセイタカアワダチソウの群生。


「セイタカアワダチソウってどこにでも生えてくるよなぁ」

僕の家にも生えてたよなー。少し遠くなってしまっていた記憶がふっと過ぎる。
ぐんぐんと伸びるその雑草を抜いておかないと僕よりもずっと背が高く伸びてしまう。
多分これも勇者や聖女に種がくっついてこちらにきたのだろう。…それにしてもすごい群生地だ。

菜の花畑よりもずっと背の高い黄色い細かな花の草花に視界を遮られそれをかき分けながら前進する。

突然その背高のっぽの群生地帯も終わり。急に目の前が開ける。
────一面の草原。


振り返れば壁のように高く伸びている黄色い細かな花とその奥に深い森。よくもあそこを通ってきたものだと感慨深い。

この見渡す限りの草原はレプコルラビの生息地。

ここからは、エルフの領域との境界線。


探索を主な仕事にしているリミと、たまにここで飛び兎狩りをするというレランの慣れている二人が僕らの前方を行く。

なんでこの草原が“フセマテ平原”と呼ばれるのか。
それは平原の中に犬が伏せをした形の大岩が点在している事からそう呼ばれている。

大岩といっても人より少し大きいくらいから上によじ登ればちょい遠くまで見渡せる物まで様々だ。
因みにその大岩にはそれぞれ犬の名前がついてて、旅人はそれを目印にしている。
平原のど真ん中辺りには白片耳のパピーがお座りしている。…昔と変わっていなければ、だけども。

今左手前方に見えているのは赤犬のジョンだ。




「このあたりで一休みしよう」

地面に石がゴロゴロと多く草が極少ない場所に案内されてきた僕ら。


「この地点なら、火を使っても問題ないからな!さ、まずは魔昆虫避けを焚こう」

「実はね、この石はこの地を旅した先達が少しずつ置いていって作った場所なの」

チャーニーさんが教えてくれたことによると、草原は飛び兎の巣穴以外には大抵草が生えていて簡単には焚き火が出来ないから、草原を通過する人々が昔から少しずつ石を持ち込んで地面に埋め、こうして休憩できる場所を作っていったのだという。

道理で不自然に地面の一カ所に石が固まって踏み固められている訳だ。


「坊ちゃん、あの小さなゴーレムたちは出さないでおいてくださいよ?」

「そうだな。こんなどこまでもだだっ広いような場所で草の陰にでも隠れられたら見つけるのは容易でない」

「ですって、ごめんなさいね?」

と、いうことは。
ツルレンジャー諸君。君たちしばらくポケットの中で大人しくしてなくちゃだね。

森の中で勝手して穴だらけになったイエローとグリーンが悪いんだよ?
恨むならイエローとグリーンを恨んでね?決してあの二本の木の向こうに行っちゃダメだよって僕が君たちに言わなかったからじゃないからね?
あ!あとゴールドの所為でもあるかも!!また何かに襲われるかもでしょ!?



火でお湯を沸かし、ほっと一息つく僕ら。


「はい、シュアクーン様。どうぞこちらを」

アンテルーレがほんのりお湯に味付けしてくれたみたいでちょっと嬉しい。


「フェジン。これ、美味しいね」

「はい。身体に沁みていくようです」

ラルクラートはマチョインコの吊り下げられた縄の輪っかを一つずつリミとチャーニーに手渡していた。いや今渡されても邪魔でしょ?それ。

クリソッカはね、少し離れた場所でマチョインコに引っ掛けられたフンを懸命にこすり落としてた。
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