ただいま御褒美転生中!〜元召喚勇者は救った世界で、自作の自立型魔法創作物と共に自由を求める〜

いくしろ仄

文字の大きさ
3 / 230
ご褒美転生

3.ふたちゅになりました

しおりを挟む


「はい、どうぞ」

この世界。長らく日本から人が召喚または転生され続けているから日本の文化や慣習、考え方が随所に見られる。

今、僕に与えられた書き損じの裏紙もその一つ。

どうせ処分するならと僕のいたずら書き用の用紙としてこうしてまわってくる。皆様ご存知“モッタイナイ”の精神だ。

当然、重要な物はまわって来ないよ?

失敗書類の裏側に、これまたクレヨンに良く似た色の付いた道具でお子様らしくぐちゃぐちゃに書き殴る僕。

いや、努力してもこうなるのよ?


まだ上手く手足を使えない。
そこは努力だけでは埋められない足掻いても届かない場所。
成長を待たねば辿り着けない。

懸命に文字らしき物や、まともな形を描こうとして試みるが、衝動に負けて真剣にぐるぐると白い紙の上を染め上げる僕。

キャッキャというはしゃいだ僕の声と部屋に散乱する色とりどりのぐるぐるが描かれた紙。

この後僕はそれを文字通り千切っては投げ千切っては投げすることだろう。


僕は切実に思う。
あーー、早く人間になりたーーい。






▫️▫️□▫️□▫️



ふぅー、どうにもまだ本能に負けるなぁ。



真面目に絵本とか読んで字を覚えて更に本をたくさん読んで知識を蓄えたいのに……。

どうも絵本を開くと無性に投げたくなってしまうのはどうしてなのだろうか??



最近はシェイラに手を引かれ庭にお散歩へ連れ出されるようになった。

王子だから流石にお庭で泥団子は作らせんだろうが、僕の本能が落ちている石ころやイイ感じの木の棒を欲して仕方がない。

気がつくと当人的にはダッシュのつもりのてこてこ歩きで、シェイラの手から離れた僕の手のひらには棒切れが握られ、しかもぶんぶんと振り回されていたりする。

夢中になって振り回し汗をかき始めた頃にふと我にかえり愕然とする。
最近は専らその繰り返しだ。


お願いだから庭師さん。
その辺に怪我しそうな突起を取った、子供が拾っても危なくない枝をわざと置いとくの止めてください。

誰が用意した枝が最終的なお気に入りになるのか、毎回散歩コースに置いて競うのを止めてください。

僕の本能がより良い枝を求めて手に持った2本の枝を真剣に見つめポポイのポイと片方を投げ捨てるのに一喜一憂するのをやめてください。

昨日は最終的一番のお気に入りに落ちていた石を選んですいませんでした!


散々っぱら拾っては投げ、見つけてはてこてこ走り寄り。
たくさん運動した僕の帰りは毎度、抱っこされてお部屋へGO!である。


ふふふん!今日の獲物(枝)は今までで一番長くて大きいのだ!









ぬおおーー!
一番、長くて?大きい??
どっちも同じゃろが。

昼寝の体勢で頭を抱える僕。

なんか行動だけじゃなくて言葉選びも幼児化している気がする。

これは僕が幼児脳に引きずられてしまうのが早いか、その前に身体的に成長するのが早いか。自分との競争な気がしてきた。


ねぇ、自分に打ち勝つってそーゆーコト???
 
 
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

異世界召喚されたけどスキルが地味だったので、現代知識とアイテムボックスで絶品料理を作ったら大商会になっちゃいました

黒崎隼人
ファンタジー
手違いで剣も魔法もない異世界に召喚された、しがない日本のサラリーマン、湊カイリ。 彼に与えられたのは、無限に物が入る【アイテムボックス】と、物の名前が分かる【鑑定】という、あまりにも地味な二つのスキルだけだった。 戦闘能力は皆無。途方に暮れるカイリだったが、異世界の食事が絶望的に不味いことを知り、大きなチャンスに気づく。 現代日本の「当たり前」の知識は、この世界ではとんでもない「宝」なのだと! 「醤油?味噌?そんなものがあれば、この世界の食文化はひっくり返るぞ!」 ひょんなことから出会った没落貴族の美少女・リリアナと共に、カイリは現代知識と地味スキルを駆使して屋台から商売をスタート。 絶品料理で人々の胃袋を掴み、さらには便利な生活用品を次々と発明していく。 伝説の神獣の幼体「フェン」やドワーフの鍛冶師など、頼れる仲間たちも加わり、彼らが立ち上げた「サンライズ商会」は瞬く間に大躍進! 迫り来る悪徳商会や腐敗した貴族の妨害も、現代のマーケティング術と知恵で痛快に打ち破る! これは、平凡なサラリーマンが異世界の常識を覆し、食と生活に革命を起こして一代で大商会を築き上げる、痛快成り上がりファンタジー! 美味しい料理と、もふもふな相棒、そして仲間との絆。 人生、逆転できないことなんて何もない!

【モブ魂】~ゲームの下っ端ザコキャラに転生したオレ、知識チートで無双したらハーレムできました~なお、妹は激怒している模様

くーねるでぶる(戒め)
ファンタジー
よくゲームとかで敵を回復するうざい敵キャラっているだろ? ――――それ、オレなんだわ……。 昔流行ったゲーム『魔剣伝説』の中で、悪事を働く辺境伯の息子……の取り巻きの一人に転生してしまったオレ。 そんなオレには、病に侵された双子の妹がいた。 妹を死なせないために、オレがとった秘策とは――――。

孤児による孤児のための孤児院経営!!! 異世界に転生したけど能力がわかりませんでした

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
僕の名前はフィル 異世界に転生できたんだけど何も能力がないと思っていて7歳まで路上で暮らしてた なぜか両親の記憶がなくて何とか生きてきたけど、とうとう能力についてわかることになった 孤児として暮らしていたため孤児の苦しみがわかったので孤児院を作ることから始めます さあ、チートの時間だ

能力値カンストで異世界転生したので…のんびり生きちゃダメですか?

火産霊神
ファンタジー
私の異世界転生、思ってたのとちょっと違う…? 24歳OLの立花由芽は、ある日異世界転生し「ユメ」という名前の16歳の魔女として生きることに。その世界は魔王の脅威に怯え…ているわけでもなく、レベルアップは…能力値がカンストしているのでする必要もなく、能力を持て余した彼女はスローライフをおくることに。そう決めた矢先から何やらイベントが発生し…!?

最強剣士が転生した世界は魔法しかない異世界でした! ~基礎魔法しか使えませんが魔法剣で成り上がります~

渡琉兎
ファンタジー
政権争いに巻き込まれた騎士団長で天才剣士のアルベルト・マリノワーナ。 彼はどこにも属していなかったが、敵に回ると厄介だという理由だけで毒を盛られて殺されてしまった。 剣の道を極める──志半ばで死んでしまったアルベルトを不憫に思った女神は、アルベルトの望む能力をそのままに転生する権利を与えた。 アルベルトが望んだ能力はもちろん、剣術の能力。 転生した先で剣の道を極めることを心に誓ったアルベルトだったが──転生先は魔法が発展した、魔法師だらけの異世界だった! 剣術が廃れた世界で、剣術で最強を目指すアルベルト──改め、アル・ノワールの成り上がり物語。 ※アルファポリス、カクヨム、小説家になろうにて同時掲載しています。

八百万の神から祝福をもらいました!この力で異世界を生きていきます!

トリガー
ファンタジー
神様のミスで死んでしまったリオ。 女神から代償に八百万の神の祝福をもらった。 転生した異世界で無双する。

異世界転生したらたくさんスキルもらったけど今まで選ばれなかったものだった~魔王討伐は無理な気がする~

宝者来価
ファンタジー
俺は異世界転生者カドマツ。 転生理由は幼い少女を交通事故からかばったこと。 良いとこなしの日々を送っていたが女神様から異世界に転生すると説明された時にはアニメやゲームのような展開を期待したりもした。 例えばモンスターを倒して国を救いヒロインと結ばれるなど。 けれど与えられた【今まで選ばれなかったスキルが使える】 戦闘はおろか日常の役にも立つ気がしない余りものばかり。 同じ転生者でイケメン王子のレイニーに出迎えられ歓迎される。 彼は【スキル:水】を使う最強で理想的な異世界転生者に思えたのだが―――!? ※小説家になろう様にも掲載しています。

外れスキルは、レベル1!~異世界転生したのに、外れスキルでした!

武蔵野純平
ファンタジー
異世界転生したユウトは、十三歳になり成人の儀式を受け神様からスキルを授かった。 しかし、授かったスキルは『レベル1』という聞いたこともないスキルだった。 『ハズレスキルだ!』 同世代の仲間からバカにされるが、ユウトが冒険者として活動を始めると『レベル1』はとんでもないチートスキルだった。ユウトは仲間と一緒にダンジョンを探索し成り上がっていく。 そんなユウトたちに一人の少女た頼み事をする。『お父さんを助けて!』

処理中です...