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ご褒美転生
3.ふたちゅになりました
しおりを挟む「はい、どうぞ」
この世界。長らく日本から人が召喚または転生され続けているから日本の文化や慣習、考え方が随所に見られる。
今、僕に与えられた書き損じの裏紙もその一つ。
どうせ処分するならと僕のいたずら書き用の用紙としてこうしてまわってくる。皆様ご存知“モッタイナイ”の精神だ。
当然、重要な物はまわって来ないよ?
失敗書類の裏側に、これまたクレヨンに良く似た色の付いた道具でお子様らしくぐちゃぐちゃに書き殴る僕。
いや、努力してもこうなるのよ?
まだ上手く手足を使えない。
そこは努力だけでは埋められない足掻いても届かない場所。
成長を待たねば辿り着けない。
懸命に文字らしき物や、まともな形を描こうとして試みるが、衝動に負けて真剣にぐるぐると白い紙の上を染め上げる僕。
キャッキャというはしゃいだ僕の声と部屋に散乱する色とりどりのぐるぐるが描かれた紙。
この後僕はそれを文字通り千切っては投げ千切っては投げすることだろう。
僕は切実に思う。
あーー、早く人間になりたーーい。
▫️▫️□▫️□▫️
ふぅー、どうにもまだ本能に負けるなぁ。
真面目に絵本とか読んで字を覚えて更に本をたくさん読んで知識を蓄えたいのに……。
どうも絵本を開くと無性に投げたくなってしまうのはどうしてなのだろうか??
最近はシェイラに手を引かれ庭にお散歩へ連れ出されるようになった。
王子だから流石にお庭で泥団子は作らせんだろうが、僕の本能が落ちている石ころやイイ感じの木の棒を欲して仕方がない。
気がつくと当人的にはダッシュのつもりのてこてこ歩きで、シェイラの手から離れた僕の手のひらには棒切れが握られ、しかもぶんぶんと振り回されていたりする。
夢中になって振り回し汗をかき始めた頃にふと我にかえり愕然とする。
最近は専らその繰り返しだ。
お願いだから庭師さん。
その辺に怪我しそうな突起を取った、子供が拾っても危なくない枝をわざと置いとくの止めてください。
誰が用意した枝が最終的なお気に入りになるのか、毎回散歩コースに置いて競うのを止めてください。
僕の本能がより良い枝を求めて手に持った2本の枝を真剣に見つめポポイのポイと片方を投げ捨てるのに一喜一憂するのをやめてください。
昨日は最終的一番のお気に入りに落ちていた石を選んですいませんでした!
散々っぱら拾っては投げ、見つけてはてこてこ走り寄り。
たくさん運動した僕の帰りは毎度、抱っこされてお部屋へGO!である。
ふふふん!今日の獲物(枝)は今までで一番長くて大きいのだ!
ぬおおーー!
一番、長くて?大きい??
どっちも同じゃろが。
昼寝の体勢で頭を抱える僕。
なんか行動だけじゃなくて言葉選びも幼児化している気がする。
これは僕が幼児脳に引きずられてしまうのが早いか、その前に身体的に成長するのが早いか。自分との競争な気がしてきた。
ねぇ、自分に打ち勝つってそーゆーコト???
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