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ご褒美転生
46. 孤児院祭り計画会議③
しおりを挟むこれからいろんな人が出入りをするし、色々な人たちと関わらなくてはならない。
でも、誰が来たって大丈夫!!
僕には必殺技があるのだッ!!
「トレネーク。これはどの様なことでしょうか?少し説明をお願いします」
「これはですねフェジンのいう……」
「すいませんフックベルさん、商人ギルドではこのことはどう扱われていますか?」
王宮で仕事をする人間は皆、同じ王に仕えるものとして、全てを平らかに、平民も貴族も苗字をないこととして名前だけを用いよ。
と、している。
もう少し砕いて読むと。
王宮で働く人は皆、等しく王に仕える者である。なので、平民や貴族、身分の上下に囚われずに王にお仕えし、名前だけを用いて仕事をしなさい。
但し、書類へのサイン等必要な場合はその限りではない。
と、いった感じだろうか。
家が絡むと面倒だから、仕事にそれを持ち込ませないように、仕事中は苗字を使わずに名前だけを使用するように。
というお達しだ。
……名前呼び。それは良いんだ別に。
だけどちょっと困ってる。
僕は“敬称”どうしよう?問題だ。
王子だから全員呼び捨てでも立場的には誰も怒ったりしないんだけど……。これから身分や役職の高低のよくわからない人間が出入りしたり、顔を合わせる可能性もあるわけで。
が!!!
相手がどんな身分かわからない?大丈夫!!
そんな時の“魔法の敬称”。
本来なら“様”付けをしなくてはならない相手にも“さん”は有効。
たとえ相手が子供であってもそれは同じ。なので基本、名前に“さん”さえつけとけばオールオッケービューティフォー。
僕まだ六歳!
従者と侍女の二人は部下だから呼び捨てだけれど、他の人はみんな年上ぇー。だから全員さん付けするねー!で、押し通ぉーる!!作戦なのさ。
「フェジンさん、すみません。
こちらにかかりっきりで。
結構上の方だとお聞きしましたが、本来のお仕事は大丈夫ですか?」
「お気遣い痛み入ります、シュアクーン様。しかし、いいんですよ。
中途半端に戻ったりすると、そんなに魔法省に居られないってのに直ぐ終わらないような仕事が降ってきても困りますしね」
あ、そーなんですか。
それならいーんですけども。
穏やかに笑顔で答えるフェジンさんだけど、魔法省ってまさかのブラック部署なんでしょうか??
▫️▫️□▫️□▫️
「では日時はこれで決定で。早速商会ギルドと商人ギルドで周知のビラを張り出すよう手配致しましょう」
工房製品即売会の申し込み用紙をギルドに置いてもらい、ついでにと出店受付も請け負ってもらえた。
即売会の趣旨説明も受付の方々が担ってくれるそう。
皆んなが協力的で、とっても楽チン♪
「商会ギルドも商人ギルドも、ご協力ありがとうございます!」
「いえいえ、孤児院のバザーとの組み合わせという面白、失礼。
革新的な催しですからね。参加費用という場所代がすべて寄付となり、更に儲けた人は追加で寄付をする。
面白、失礼、儲けられる人だけが得をするというわけではないところが私には大変新鮮に映りました」
マルメットさんは楽しそうだね。
でも、フックベルさんは。
「しかし、説明が大変で。受付の人間は出店受付に時間を取られている様です。
ウチに来るのは工房の職人ばかりですので、割と真剣に詳細を聞かれているそうですよ」
「それは、ご苦労様です。なにか差し入れを考えた方がいいでしょうか?」
興味を持ってくれるのは嬉しいけれど通常業務に支障がでるのはいただけない。
「いえいえ!恐れ多い!!その労いのお言葉だけで充分です!」
フックベルさんが両手を振り回して固辞してるけど、後で何かできないか辣腕トレネークに相談しよーーっと。
とりあえずの方策として、商人ギルドの受付に、出店受付は商会ギルドの受付カウンターでも行っています。と、書いた立て札を掲げてもらった。
工房の人も登録商品のチェックには足を運ぶというから、少しは商会ギルドの方にも人が流れたらいいな。
▫️▫️□▫️□▫️
「よぉ、なんか最近いい話とかあるか?
────ないか、そんな顔じゃなぁ……」
「おい、お前。失礼過ぎんだろ!オレの顔見ただけで判断すんじゃねーよ!」
「ほー?じゃあ、なんか景気のイイ話でも知ってるってぇのかよォ」
「……そりゃ、……………知ってたらこんな顔してねんだわ」
「ま、悪かったよ。俺だってそんな美味い話なんてここ最近とんと聞いてねぇしなぁ…………」
酒場で飯を食いながらいつもの四方山話をしている二人の常連客。
そこにもう一人の顔馴染みが声をかけてきた。
「どうしたよ、おい、二人してしけたツラぶら下げてよお、カビでも生えるんじゃねぇか?」
「何だよ、お前はなんかいい事でもあったっつーんか?あ?」
「へっ!お前らと違ってなぁ、これが大有りよ!」
顔馴染みのその客が云うことには、今、商人ギルドで“即売会”なる物に参加する工房を募集しているのだそう。
「なんだそりゃ!?そっ、そく?即売、会??」
「即売会?って、は?どこで聞いたんだその話」
「いやーついてるよなぁ!先日俺、技術試験受けにいったらよぉ、受付のにいちゃんにどうですか?ってな具合に勧められちってさあ」
聞くところによると。
なんでも工房だけで露店の様な店をだして客に直接自分の作った品を、見てもらって買ってもらう催しなんだとか。
詳しい説明はよく知んねーから直接ギルドに行ってくれ!と、その話は締め括られた。
「そいで、俺ンとこの工房のおやじ矢鱈やる気出しちまってさー?連日新しい商品探して商会ギルドに通い詰めだぜ!」
「ホントかよ!オレのとこのオヤジにも教えてやんねーと!!」
「おい!勘定だ!!勘定!!ピッタリあるからな!!じゃなッ!!」
新しく入ってきた顔馴染みを残してクダを巻いていた男二人は急いで店を後にした。
▫️▫️□▫️□▫️
「出店数埋まりました!!」
場所代は普通の露店を出しても取られるから良いとして、よく売り上げの一部を寄付として取られることを了承したな。
自分で案を出しておいて何だけど、収入が見込めるかまったくわからない物によくこんなに沢山の工房が申し込んできたものだ。
最初に決めた数に達したので、募集は終了。
一応、孤児院の側に余裕を持ってギルドがどうしても断れない人から捻じ込まれた場合にあてがう場所も用意はしてはある。
そんな締め切り後に無理矢理な無体を通そうとする出店者が出た場合、見張りやすい場所に固めておくつもりだ。
もしもそんな輩が居なければ、そのスペースは空けといて子供たちが遊んだりできるスペースを設ける予定にしている。
孤児院に直接人が入らないように扉で区切ったエントランスを広く取り、そこで具合の悪くなった人に休んでもらったり、迷子預り場所を置いたりすることにもしてある。
「シュアクーン様。だんだんと形になって参りましたね」
ずっと働いている実行委員たちにお茶を出して休憩を促すのがシェイラの需要なお役目。
ツルレンジャーも書類にサインする僕のお手伝いをしてくれているよ!日々彼らも進化しているのだ!!
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