ただいま御褒美転生中!〜元召喚勇者は救った世界で、自作の自立型魔法創作物と共に自由を求める〜

いくしろ仄

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ご褒美転生

55.僕の知らない、ひと

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トルネークにトーモスさんを呼び出してもらい、タドットさんの所に向かう。


決められた時間に決まった場所に連れて行き、且つ常に最短距離を取ることだけに拘らず、僕の気を晴らそうと考えルートを変えたりしてくれるトーモスさん。

渡り廊下は逆三角形に遭遇する確率が高いので、奴の行動を常に把握しているトーモスさん。


今日は渡り廊下?珍し……い?あれ?

あの特徴的なシルエットは…タドットさん……!?

トーモスさんの袖を掴むとササッと物陰に隠れ、様子を伺い見る。
ダメだよ!トーモスさん!ちゃんと隠れて!!


タドットさんは真面目な顔をしてなんか紙束を持っている人に教えているらしい。

様子を伺い見続けている僕の横に、この前の突撃!偉い人!のお仕事訪問で顔見知りとなった人がしゃがんで話しかけてきた。


「シュアクーン王子…?こんなところで何をなされているんですか」

「あのね、あそこのタドットさん、僕の先生なんだけど、僕の授業と全然違うから見てたの」


「あー、お話しをしていらっしゃるのは元教え子さんらしいですよ、あの紙も、魔力を通す装置の設計図で、タドットさんにアドバイスを貰いにきたとかで」

こしょこしょと教えてもらっていたら、タドットさんの顔がグルリとこっちを向い、ゲッ、見つかった!

真面目な顔に笑顔が咲き、満面の笑みのままこちらへと走ってくるタドットさん。


「シュアクーン様ァ!ご奇遇ですなぁ!!どうですかこちらに来て共に議論など!!」

「ね、さっきとぜんぜんちがう……」

「そうですね……」

タドットさん背後見てよ、元教え子さんものすごい困惑した顔してるよ?


走り寄って来たタドットの小脇に抱えられ、そんな困惑してる教え子さんの立つ場所へと連れて行かれるシュアクーンだった。




「こんにちは!」

「彼はカーブニエ。こっちは第三王子のシュアクーン様だ。今私はシュアクーン様の教師をしている」

「こんにちは。シュアクーン様」

タドットさんの元生徒。
利発そうな顔つきの人だな。


「彼は今、自動でコーヒーや紅茶を淹れてくれるような魔法機器を考案中なんだ」

うわー。王子なんてやってるとやってもらう事が当たり前だからすっかりそんな感覚忘れてた。

この世界、インスタントのコーヒーとかあったりするのかな?


「それはすごいですね!僕そんな事思いつきもしなかった!」

「そうだろ?そうだろ?カーブニエは俺が教えたんだからな!!」


コーヒーメーカーかぁ。
なんかコーヒー飲みたくなったちゃった。

あとでコーヒー出して、ってシェイラに頼んでみよーっと。


▫️▫️□▫️□▫️





「タドットさん色々協力ありがとう!」

ツルレンジャーショーも、シャボン玉魔法玩具の事も。


「売れ行きはどうだったんだ?シュアクーン様」

「剣型は完売。ラブリーステッキの方は数本残ったかな。でも、残った物は全部寄付してきたからもう無いけどね」

どちらかというと、完品を売るよりも商会ギルドに登録されている商品を作らせて使用料を稼ぎたいからね僕は。


「ふ、ふ~~ん。そうだったか。
それはそれは……」

え!?まさか、タドットさんラブリーステッキ欲しかったの??


「タドットさんなら作れるでしょ?」

「まあ、それはそーなんだが。なーーーー」

え?なに?なんか怖……。


「実はな、シュアクーン様……」

シュアクーンの出店が販売する物を見てみたいと、王様と王妃様がルバルテルに頼んだらしく、ルバルテルはなんとかしようとしたのだが、馬車留めから歩いて行くような時間も取れず、かといって人に任せるのも……、と閃いてタドットさんに話を持ってきたらしい。


「どうせそんな玩具、売れ残るだろうから、とおっしゃってな」

まーーたルバルテル絡みか!!
面倒事の裏にはヤツが潜んでいる。それを僕は学んだよ!


「へっへーん!残念でした!いーーっこたりとも残っていませぇーーん!」

「そうなんだがなあ、もうルバルテルが王妃様にどんな物を作ったかお話ししてしまってあってなぁ」

でたよ!見切り発車オーライってか!!


「────仕方ない。もう一度作ろう。タドットさん」

「そうだな、作ろう、な。
お二人に合うようなもう少し凝った意匠にしてもう一度、もう一度作ろう、シュアクーン様」




その後、作った玩具をタドットさんから直に渡してもらった。

ルバルテルには知らせずに。


僕らの作った物は、王様と王妃様専用の特別仕様です。

販売品とは違い、剣は一点もの、ラブリーステッキはお子様と一緒に楽しめるようにお揃いの色違いで作成致しました。とね。

お二人は大層お喜びで、王妃様はお子様と二人で楽しんでおられると、タドットさん経由でお礼のお言葉を賜りました。

あー、目出度し目出度し。



妹、楽しんでくれてるといいな。




▫️▫️□▫️□▫️




「お帰りなさいませ、シュアクーン様。明日からは少しずつ授業が再開されますから、早めの就寝をお勧めします」

そっかー。授業かー。

すっかり忘れてたけど、ソルーゼンさん、手ぐすね引いて待ってんだろなー。


「あのさ、シェイラ。コーヒーって今飲む事出来る?」

「シュアクーン様?わたくし、たった今、今日はお早くお眠りになられた方がよろしいですよ?とお伝えしたと思ったのですが?」

えー!?まだ夕食前だしいいじゃんかよぉーー!!


「えー。ダメぇ?どーしても?」

「大体、コーヒーはお子様が嗜むものではございませんわ!」

でもさ、僕、普段紅茶飲んでるんだけどな。

紅茶もカフェイン入ってるんだよね?量は確かにコーヒーの方が多いかもだけどさ。



その日、初めてミルクの入ってないココアが出た。

同じような色だから幼児の僕はコレにしとけってことだよね。


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