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ご褒美転生
57.日常が戻ってきました
しおりを挟む授業が再開されました。
今は古語の時間です。
「それで、“爛爛と光る目”の“爛爛”いうのは」
「爛爛とつけることにより鋭く光っている雰囲気を表現してます」
「ふむふむ。なるほど……で……」
実は。孤児院祭りの提案がされた辺り、工房製品即売会の準備をし始めた頃から少しずつ嫌がらせが起こっていた。
嫌がらせは僕一人に対してだけだったし、そんなに大したものでもないからずっと放置してきた。
だって、そんなの誰かに言ったら大事になって、孤児院祭りに参加させてもらえなくなっちゃう。
「シュアクーン様?ちゃんと聞いてますかな」
「聞いてます聞いてます。トボトボ
……のことですよね?」
「そぅです。ではでは!!
“トボトボと歩く”とは??」
「項垂れて歩くような様子。でしょうか」
当初の目的の禁書庫には出入り自由となったし、古語の授業は質問する人と教える人が逆転しているしで、実は七歳になったら古語の授業は無くなっちゃいます!
禁書庫の番人から、僕の古語は禁書庫の本を読むに足ると報告が上がったので。授業受ける必要なくなっちゃったんだよなあ。
「……聞いてますかな!シュアクーン様!」
なのでこの気迫です。
授業が無くなれば早々言葉を交わす事もないでしょうからね。
「その身の上を“ポツリポツリ”と話し始めたとは???」
「オノマトペの仲間でしょうか。
雫が滴る様子を表したりする表現です」
「つまり?」
「流れるようにではなくて、詰まりながら、言い淀みながら話をしたということです」
禁書庫素晴らしい!!禁書庫万歳!シュアクーン様天才!と、しばらくの間舞い踊り教卓に着く事が出来ないソルーゼンさん。
六歳の僕が着席してるのにさ。
なんかオカシクね?
▫️▫️□▫️□▫️
英語勉強してる時に一単語に一つの意味にしてくれよ!といつも思ってたけど、漢字一文字に複数の意味の詰まってる言語使ってた僕に言えたこっちゃねーわこりゃ、ってソルーゼンさんと話してて思ったわ。
「ソルーゼンさん。またね!」
「次の授業も楽しみにしておりますぞ」
古語の時間の前。
地理の教室の道具置き場。
今日は鉛筆が1本無くなってて、ノートの中身が一部破かれてた。
犯人は……大体想像はつく。
授業を行う部屋は限られた人しか入れない。
しかも地理と魔法の授業を受けているのは子供だけ。
教室までの行き来は決められた部署の決まった人間が迎えに行くので、見慣れぬ代理が突然きたならば、子供を預ける立場の侍従なり侍女なりが、少し待ってもらった隙に小鳥を飛ばして確認がはいる。
案内人を装い、子供を連れ出そうとして捕まった人間が過去にいたらしい。
だから急な変更には必ず確認を入れるように指示されている。
外の子は馬車できて、待合室で
侍女や侍従から離れて案内人に託されて教室まで行く。
なので、王宮内部には学びにくる子供しか入れないようになっているのだ。
帰りはまた行きと同じ案内人が侍女や侍従が待っている場所まで連れて行き「はい、確かに」と引き渡される。
だから、教師の用意する教室に入れる人間はごく限られている。
とにかく。
その嫌がらせ対策のためにもサーチ魔法の勉強がしたい。
もしかしたら僕が召喚勇者やってた頃から年月が経っているし、僕の使っていた頃よりも進化しているかもしれないもんね。
確認の意味も含めて、タドットさんに教えてもらおう。てか、教えてもらってない技術使えてたら六歳としてはヤバくね?
「聞いてます?シュアクーン様」
「え?うん。奥様のことですよね?」
もうほぼほぼ僕専任に固定されてしまっている案内人の既婚者トーモスさん。
毎日毎日少なくない時間を共にしているから、だいぶ仲良くなって
授業の行き帰り道々話をする仲。
最近は僕に愚痴とか相談事を持ち掛けてくるようになってきた。
……いいような悪いような。
「そうなんですよぉ。子育てって思ってたよりも大変でしてね」
ふんふん。
「可愛いんですよ?とっても。
笑ったり、怒ったり、泣いたり。
毎日見てても見飽きません」
ふんふん。
「日中も一人遊びが上手で手のかからない良い子でいてくれるので大変助かってます。賢いんですよ!ウチの娘」
ほーほー。
「無闇矢鱈に泣いたり騒いだりあんまりしない子なんです」
へーへー。
「私に似ないで、本当に良く出来た娘なんですよー」
ほーへーほーぅ。
親バカ?
「ですがね……宵っぱりなんです」
ん?
「お目目ぱっちりんこなんですよぉ、どぉーやってもお目目ぴっかりんこなんですぅぅぅ」
夜、赤ちゃんがなかなか寝てくれない。それで夫婦して寝不足気味。人って睡眠が足りて無いとイライラするじゃない?
だから。寝不足で夫婦仲が悪くなっている。
それを相談されても、そんなの僕にはわかんないよ。
夫婦喧嘩は犬も食わないっていうしさ、安易に首をつっこむと碌なことにならないという事を!賢い僕はあの資料保管室バルコニーでの“四歳の悲劇”から学んだんだよ!!
僕はお嫁さんいた事ないし、子育ての経験もない。でも、シェイラは僕を赤ちゃんの頃から面倒見てくれてたから!と、早速シェイラに相談した。
「足の裏になんか当たると安心するって聞いた事ありますから、クッション置いてみたら、どうでしょう?」
「そうですねぇ、それでしょうかねぇー、そうだといいんですがねぇー」
早く奥さんと仲直り?出来るといいね。
うーーん。
既婚者トーモスが離婚者トーモスにクラスチェンジしない事を一応女神に祈っておこうっと。
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