ただいま御褒美転生中!〜元召喚勇者は救った世界で、自作の自立型魔法創作物と共に自由を求める〜

いくしろ仄

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ご褒美転生

103. フルドゥノルフ国王①

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魔法機器とは、半永久的に動作させられる。勿論、劣化したりして壊れたらダメだけど。


それに対して魔道具とは。

僕も大好き“いにしえの”魔道具は身につけている人などから魔力を自動吸収して、永久的にその効果を発揮する物が殆どだが。
現代産の魔法道具はそうではない。
魔法道具の効果は永遠では無く期限付き。
それが魔法機器との大きな違いだ。


一つ例を挙げるとすれば。
農作業中、腰に吊り下げる蚊遣りの魔道具。

木や草を加工して作る蚊取り線香みたいな物も存在するが、火をつけ煙で燻して追い払うという性質上、常に火を燃やしていなくてはならない。
実は虫除け魔法もあるけど魔力量が多くない人なら、それはなるべく避けて魔力を温存したい。

そこで。
使い捨ての蚊遣りの魔道具を使う。“蚊遣り”と名前に蚊とあるが、虫除けとして大変優秀だ。
使い終われば、ケースはともかく本体は木製なので焚き付けにでもするしか無いが。

以前作ったサガスシールも永遠に効果は続かないから、実は魔道具の括りに入るんだ。




タドットは座学よりも実践重視で何かをやりながら教えるから、ノートを取る事ができずに苦労する人は苦労しそう。

今だってそうだ。
生徒を立たせっぱなしで延々と話を続けている。
ノートどころかメモ取るにしてもひと苦労。
自分も立っているから生徒が立っていても気にならない。
多分そんなところだろう。

生徒は全員お貴族様の子息だろうから、教師と生徒として、相性が合わない人が多そうな気がする。

あ!!!

だから今、僕しか生徒居ないのか!!
うーーん、納得!


▫️▫️□▫️□▫️





「ついにっ!毒検知魔法の付与加工に成功しましたぞー!シュアクーンさまー」

「すごーーい!タドット!!」


色々試行錯誤、実験を繰り返して毒検知の付与加工を成功させたタドット。
魔法に関してはセンスというか才能あるよね、タドットは。

素材も金属とか色々試した結果、木材が一番、毒検知魔法がすんなりと乗った。


タドットが僕の用意してきた箸に毒検知魔法を込めて付与加工する。効果が切れる期限は、季節一つ分。
でも僕はとりあえず今!欲しいだけだからね。
差し当たって喫緊に毒の有無の判別をしたかっただけなんだもん。


「タドット!ありがとう!
僕、これで安心してご飯が食べられるよ!」

「いやいや。毒検知魔法の付与加工をしようだなんて考えませんよ?普通」

毒検知なんて必要な人は限られるし、そんな身分の人は魔力量多いだろうし自分で毒検知魔法を使っちゃうだろうしねー。


ん?僕はタドットから毒検知魔法なんてまだ習ってないからね。
……多分やれば出来るけど。



▫️▫️□▫️□▫️






「フルドゥノルフ様、お呼びで」

「おお、ロンディ。よく来たな。
今は其方はシュアクーンの臣下で私の客だ。ささ、早う座れ」

国王に座れと勧められては断れない。
ロンディはゆっくりとソファへと腰を落ち着けた。


「伝令筒の件、見事であった」

「ハハッ、お褒めの言葉恐縮です。しかし。
あれはシュアクーン様が解決への道を示して下さったもの。
どうか褒美はシュアクーン様にお願い致します」



以前から。
何者かが鳥や人の伝令が運ぶ伝令筒の中身を盗み見ている疑惑が持たれていた。
それに対する解決の糸口を見つけたのがシュアクーン。

王からその話を聞いたロンディがもしやしたらシュアクーンなら良き解決方法を思いつくのでは?と昔話として話をぼかして聞かせたのだ。


「我が子の禁書庫通いも無駄では無かった、ということよの」

「まさかあのような知識をお持ちだとは、私も思いませんでした」


シュアクーンは、禁書庫で読んだ聖女の話なのだが、と前置きしてロンディへと語って聞かせた。



ある聖女が、非常に困っていた。

自分の衣装にいつのまにか切り傷をつける人間が居るのだ。

身の回りの世話をする人間は多く、誰がいつどこに居るのかをとても把握しきれるものではない。

せめていつ、衣装が傷付けられて居るのか。それさえわかれば犯人を絞り込む事が出来るのに。

熟考を重ねた聖女は、ある日。

自分の衣装箱を滑らかで薄い金属の板で覆い、鉛筆を削った粉末で指紋をとってとうとう犯人を見つけだした。

と、いう話を見つけて読んだ事があるから、伝令筒を滑らかな金属の筒で作ったら、同じようにして指紋を取れば、持ち運ぶ人以外の人が触ったのをわかるかも知れない。

聖女のように犯人特定の必要は無いのでしょう?
誰が見たかよりも、今は他の人間が見たかどうかわかれば良いんだよね?

あの時、そう言ってシュアクーンは軽やかに笑ったのだ。


ロンディがその時の事を思い出していると、王自ら入れたお茶が目の前に用意された。


「王!そのような事、私がいたしますから!!」

「いやいや、其方と私、付き合いの長い二人しかおらなんだ。
どうせカップに注ぐだけだ。偶には私の好きなようにさせてくれ。
……それにしても。
聡い子だとは思っていたが。
禁書庫通いを許したのは私にしては良い判断であった。自分を褒めたい気分だよ。
ははは、僥倖、僥倖!」

「まっこと、良きご判断で」


今まで先祖代々勇者や聖女に関する書物を集めることに懐疑的であったが、こんなに役にたつ知識が残されているとは。

三歳で自分の商会を願い、私はそれを叶えてやった。どうせ上手く行かんだろうと思っておったが、新しいことを次々としよる。
もしかしたらシュアクーンは歴代王族の中でも一番、その集められた禁書庫の知識を上手く活用しているかも知れないな。


「ところでロンディ、最近シュアクーンはどのような様子だ?

「実は、食事に毒が仕込まれておりまして……」

「お前が騒がないということは、致死毒、という訳では無さそうだな。嫌がらせか?
一体誰が。
危険が無いように手元に置いたというのにそれでは何にもならないでは無いか」

「少し体調を崩す程度の毒であり、気がつくのが遅れました。
タドットがシュアクーンの昼食を食べた事により明らかになりましたもので」

申し訳ございませんと深く頭を垂れるロンディ。

「……影に探らせるとしよう。
ところで。
シュアクーンに変わりはないか?何か新しいことを始めるような動きは?」

「実は……毒の対策として現在変なカトラリーで食事をとっております」

「変な?それは面白そうだな。
是非この目で確かめたいぞ!」


こうして。
興味を持った父から呼ばれ、シュアクーンは国王と二人っきりで昼食を共にする事と相成ったのだ。


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