ただいま御褒美転生中!〜元召喚勇者は救った世界で、自作の自立型魔法創作物と共に自由を求める〜

いくしろ仄

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ご褒美転生

番外編⑦変なカトラリー

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これは、
シュアクーンの変なカトラリー。
毒検知付与箸のお話。

……・……・……・……




シュアクーンが変なカトラリーでご飯を食べ始めたと聞きつけた王様から昼食に呼ばれたシュアクーン。

そのお昼ご飯に箸をつけると。

「あ、これはお腹痛くなる色だ」

箸がじわりと変色する。
終いには光る蛍光どピンクに。





そんな毒検知の為に作られた木製の箸。

シェイラはその箸のことをシュアクーンに聞いた。

「何でそのような棒二本のような奇妙なものにしたのですか?
カトラリーならばスプーンとかフォークとか普段お使いの物があったでしょうに」

「だってさ、普段使ってるのとおんなじにしたら、同じ形のものにすり替えられてもわかんないから」


────嘘である。
身体強化して、箸でハエをはっ!と掴むのを単にやりたかっただけである。


「私はそれの長い物を実家で見ましたよ?菜箸っていうんですよね」

「よく知ってたね、アミネット。アミネットは台所でお料理するんだ」

「はい。少しだけですが」

「そうなんだ。
アミネットは何でも出来るね!これは菜箸の短い版でただの“箸”っていうカトラリーなんだ。
タドットとの実験で金属よりも木材に魔法がよく馴染んだから、そうすることにしたんだよ」


────嘘である。
感覚強化であの、皿から皿にお豆を移すゲームを胡麻でやりたかっただけだ。

ゴマを一粒一粒、しゃしゃしゃっと皿移ししてみたかっただけである。



「それならば。スプーンやフォークに印となるような職人に精巧な印を彫らせれば良いのでは?」

シュアクーンが箸を使う事に納得のいかないらしいシェイラが食いさがる。


「調べられておんなじ職人さんに頼まれちゃったらわからないし。
彫るのが上手な職人さんもたくさんいるし、偽造されたら困るでしょ?」

「でも、それならただの木の棒である箸の方が真偽の判断をしづらいのでは無いですか?」


「そう思うかい?アミネット。
でもね、僕の使ってる箸に関してはね。作られたのはこれが初めてだから見ただけじゃ長さもわかんないし、重さだってよくわかんないしね?」

「たしかに。それは見ただけではわかりませんね」

うんうん。アミネットは素直でいいね。


「たとえ真似して作ってもね?左右の長さがちょっと違ったりすると使う時にすぐわかっちゃうし、もしもそっくりに出来たとしても、使えば手にした時の違和感ですぐに僕の箸かどうかわかるのさ!」


「なるほど……。そのような深いお考えがあったのですね。わかりました。
実際、判別に役立っているのは本当ですし、しばらくお箸でお食事していただきましょう」


最後には。
シュアクーンの説明というか説得というかに納得して箸を使うことを認めたが。

シェイラがこれほど箸を嫌がるのは、シュアクーンが丸パンに箸をブッ刺していたのを見たためなんだぞ?
身から出た錆なんだぞシュアクーンよ。


「それに僕、箸使って食べるとなんだか美味しく感じるんだ!」

日本人はお箸の国の人だから!
と、心の中で付け足すシュアクーンだが。



────嘘である。

シュアクーンはゼリーを箸で食べるという修行をしたいが為に箸を作らせていたのである。

本当は豆腐でやりたかったが、湯豆腐や冷奴が王宮の食事に出てくるとは到底思えない。


シュアクーンは。

最終的には、硬化魔法を極めて、箸で真剣白刃取りをしたいと密かに考えている。
のであーーる。


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