捨てられ令嬢は屋台を使って町おこしをする。

しずもり

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ハドソン領 花街道(仮)編 ウィルキン村

 出発の準備ではなく

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なんやかんやで村の人たちと話し合う前に、自発的に婦人会や青年団ぽい感じでグループが出来つつある。
これはウィルキン村の人口が69人、15世帯というこじんまりとした規模で、年一回のお祭り以外はイベントごとなくても、ご近所付き合いはしっかりとあったから?

だけどご近所付き合いはあっても、ウィルキン村を去る人たちを引き留めることは出来ず、ただ寂しく見送るしかなかった事が、村長を務めていたサムソン村長は辛かったのかなぁ。
屋台販売で村人が集まって賑やかにしていたのを見ただけで泣いていたくらいだものね。

自然発生的に出来た婦人会はリアンナさんを中心に活動していくらしい。月に一度か二度、領都やアイビー村への屋台販売を目指して準備を進めていくそうだ。
それから将来的には『道の駅』的に店を構える予定の離れについては、最初は日を決めてレシピを購入した料理や調味料を販売する事になった。売り上げによって販売日を徐々に増やす予定になっている。


ジャックさんは話せる範囲でウィルキン村活性化計画の話を15世帯ある家の家長たちを集めて話をしたらしい。
実はほとんどの村の人たちはサムソン村長とジャックさんが領主に嘆願書を出している事を知らなかったのだそうだ。

これも気弱なサムソン村長親子が『嘆願が却下されたら?』、『ダメ出しをされるだけで何も変わらなかったら?』というような、ネガティブ思考で村人にぬか喜びさせてガッカリさせてはいけない、と黙っていたんだとか。

私たちが来ると決まった時点で話ぐらいはしても良かったんじゃない?とは思ったけれど、そういえばサムソン村長たちも『本当に何も無い村ですから・・・』と言ってたし、ダメ元ぐらいの感覚でそんなに期待をしていたようには見えなかったものね。

ウィルキン村活性化計画の方向性が決まってくると私の出番もそろそろ終わりになる。私が任されているのは、『花街道(仮)活性化計画』の案を出す事で、案を採用し計画を進めていくのはハドソン伯爵家であり、領都で働く文官たちで、当事者である街道沿いの町村だから。


そしてウィルキン村活性化計画の案を出し、サムソン村長たちと話し合い計画の大まかな部分は決定した。既に農業の専門家を招集する話や炭酸水事業についてはアシュトンさんが手配済みで私に出来る事は殆どない。

開墾作業も終わったし購入してもらった料理のレシピについては明日、調理実習のように購入して貰ったレシピをリアンナさんたちと一緒に作る事になっている。

アシュトンさんと話し合って、二日後にウィルキン村を出発する事にした。明日、ウィルキン村に炭酸鉱泉の周囲を囲う作業をする人たちが到着するらしい。その人たちの対応をアシュトンさんがするらしいのだけれど、炭酸水の工場の建設を含めて工事を請け負うらしい作業員たちはハドソン伯爵家お抱えの大工さんたちなのだとか。
建設に関わる責任者にはアシュトンさんの同僚が任される事が決まったらしい。

その人たっての希望で、明日の夜にカレーパーティーをする事も決まっていた。私に済まなそうに言いながらも眉間に皺を寄せて話すアシュトンさんの様子から察するに、アシュトンさんに恨み言を言っていた同僚さんの一人かもね。


カレーとなると、また匂いにつられて村人たちが集まって来る予感しかない。だったら最初から村の人たちに声を掛けた方が楽な気がする。

うん、そうしよう。リアンナさんたちには調理実習とは別に、そのまま販売予定の料理を作ってもらえば練習にもなるし宣伝にもなる。婦人会の人たちで屋台販売をする事、離れでお店を出す事はまだ村の人たちも知らない人も多いからね。

そうだ!明日の午前中に村の人たちに声を掛けるついでに野菜も仕入れた方がいいよね。ビルさん購入したトマトも使いきったしね。
あれ?カレーパーティーの準備が結構大掛かりになっちゃう感じ?



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