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元侯爵令嬢は屋台と知恵を使って起業する
元侯爵令嬢は冒険者になる
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冒険者になって異世界転生チート能力を駆使して活躍する!
なぁ~んて事は私は全く持って考えてはいません。冒険者登録をするのは身分証が欲しいから。
身分証って本当に大事よ?自分の生活を維持する為には働かないと行けない。
けれど雇われるにしても自分で商売を始めるにしても、親から見捨てられ追い出されて平民になった私には身元引き受け人になってくれるような人は中々居ないと思う。
もしかしたらミシェルさんが力になってくれるかも知れないけれど、ローズガーデン商会が上手くいかなくなって ー 絶対そうなると確信してるけどー 後から元家族たちに仕事や従業員を奪われた、と難癖付けられるかも知れない。
そうなったらいくら裕福な男爵家でも爵位が上の者たちには逆らえないだろう。更に私がお世話になっている、なんて知ったらそれこそ何をされるか分からない。だからミシェルさんの側にはあまり近寄ってはいけないと思っている。
そんな事を改めて考えている内にクリスと2人で、やって来ましたカントの冒険者ギルド!
宿で朝食を食べてからのんびり歩いてきたのでギルド内は朝の混雑は一先ず落ち着いた感じ?
重そうな扉を開けたらギルド職員さんたちと冒険者と思われる人たちが数人残っているだけだった。
「おはようございます、当ギルドに何か御用でしょうか。」
朗らかな声で受付カウンターから受付嬢と思われる20代?のお姉さんが声を掛けてきた。
うん、でも視線はクリスに向けてるね。
イケメンに目が釘付けになってしまうのは分かるけどちょっとは私の事も気にして!用事があるのは私の方ですっ!
「あの、冒険者登録をしたいのですが。」
「はぁ?」
カウンターの前まで来て小声で話しかけるとクリスに気を取られて目に入っていなかったのか、急に声をかけられて驚いたのか、受付のお姉さんは気の抜けた声を出した。
確かに白いシャツにベストを着てくるぶしよりも少し上ぐらいの丈の青いスカートの私は冒険者になりにきた格好じゃないよね?
買い物を楽しみにしてきた街娘にしか見えないか。
「・・・・・・」
「えとっ、冒険者登録をしたいのですが。」
黙ったままの受付のお姉さんに小声でもう一度言うとお姉さんはクリスの方を見て『この子本気なの?』みたいな表情してる。えぇ、勿論本気ですとも!
「彼女は薬草採取の依頼を中心に受けたいんだそうだ。」
「あぁ、薬師を目指しているんですね。薬学の勉強の為に薬師の見習いの方たちがよく登録しています。それではこちらの書類に記入をお願いします。」
クリスの雑な説明で受付のお姉さんは納得したような顔になり書類を私の前に差し出した。少しの情報で相手は私の身なりや容姿で経験上の知識からそう判断したらしい。
クリスは正直に言って詮索されたりコスト侯爵家と関係がある事に感づかれないようにワザと誤解される様に言ったのね。そのテクニック、今後の参考にさせてもらうわ!
「武器、は弓ですか?」
「あ、強いて書くなら、です。薬草の採取なら戦闘になる事はあまり無いとは思うのですが、剣術はした事ありませんし実際は魔法を使用すると思うんです。
少しだけ弓の経験があるので使用する武器の欄には弓と書かせてもらいました。」
今世ではやった事無いけれど前世では弓道部に入っていたのよ。何となくだけど覚えているわ。腕前は知らないけど。
剣やレイピアは使った事無いし魔獣に近寄って戦うなんて私には無理そうだからね。短剣ぐらいは護身用に所持するかもしれないけれど。
「当分の間、指導を任されているので問題ないと思いますよ。」
クリスが爽やか笑顔でまたも第一ボタンを外して冒険者カードを出して見せた。
朝から何、色気を振り撒いているのよ!あと、その笑顔がめっちゃ胡散臭い!
クリスの首元を目をハートにしてガン見しているお姉さんは冒険者カードの色に気づいていたのか、いないのか。
ちょっと後ろがザワっとしたから冒険者さんたちは気づいたみたいだけれど。
兎に角、無事に書類は受理されました。
「それではティアナさん、冒険者カードに情報を登録するのでこの水晶に魔力を流して下さい。」
水晶が置かれている台座に銅色のカードが置かれる。少し緊張しながら水晶の上にそっと右手を置くとポゥっと淡く水晶が光った後、カードに文字が浮かんで消えた。
その後に私の名前と冒険者ランクが表示された。カードの登録が終わるとギルドにも魔法属性の情報が登録されるようになっていたみたい。お姉さんは手元のボードを確認して驚いて二度見していた。
「ティ、ティアナさんは無ー」
「あー、ティアナの必須の初級冒険者研修は次の目的地で受ける、でいいかな。あまりこの街に長居は出来ないんだ。」
お姉さんの言葉に被せるように大きな声を出したクリスは、有無を言わせない顔でお姉さんに微笑んだ。
黒いなぁ~この笑顔。
お姉さんも冒険者の個人情報は守秘義務がある事を思い出したのか、ハッとした顔をした後に口を閉ざした。クリスの腹黒笑顔にポーっとなっていただけかも知れないけど。
急に大声だしてお姉さんの言葉を遮ったのは保有している魔法の属性が表示されたからかな。たぶん無属性魔法はギルドの受付嬢でも驚くほど保有している人が少ない希少魔法なんだと思う。
ん?冒険者カードって身分証代わりになるけど、見せる場合にはどこまで情報が提示されるのかな?魔力量や保有魔法とかは見られないようになっているのかな?後でクリスに聞いてみよう。
無事にカードを受け取ってクリスと同じ様に首から下げて冒険者ギルドの建物から出た。
あ、お約束の冒険者に絡まれる、ってやつは無かったよ。クリスの冒険者タグが効いたのかもね。もしかしたらそれも見越してタグを見せていたのかなぁ?流石だね、クリス。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
冒険者ランク
C~F 銅色タグ
B 銀色タグ
A 金色タグ
S プラチナタグ (銀色タグとは輝きが違うんです、輝きが!
)
なぁ~んて事は私は全く持って考えてはいません。冒険者登録をするのは身分証が欲しいから。
身分証って本当に大事よ?自分の生活を維持する為には働かないと行けない。
けれど雇われるにしても自分で商売を始めるにしても、親から見捨てられ追い出されて平民になった私には身元引き受け人になってくれるような人は中々居ないと思う。
もしかしたらミシェルさんが力になってくれるかも知れないけれど、ローズガーデン商会が上手くいかなくなって ー 絶対そうなると確信してるけどー 後から元家族たちに仕事や従業員を奪われた、と難癖付けられるかも知れない。
そうなったらいくら裕福な男爵家でも爵位が上の者たちには逆らえないだろう。更に私がお世話になっている、なんて知ったらそれこそ何をされるか分からない。だからミシェルさんの側にはあまり近寄ってはいけないと思っている。
そんな事を改めて考えている内にクリスと2人で、やって来ましたカントの冒険者ギルド!
宿で朝食を食べてからのんびり歩いてきたのでギルド内は朝の混雑は一先ず落ち着いた感じ?
重そうな扉を開けたらギルド職員さんたちと冒険者と思われる人たちが数人残っているだけだった。
「おはようございます、当ギルドに何か御用でしょうか。」
朗らかな声で受付カウンターから受付嬢と思われる20代?のお姉さんが声を掛けてきた。
うん、でも視線はクリスに向けてるね。
イケメンに目が釘付けになってしまうのは分かるけどちょっとは私の事も気にして!用事があるのは私の方ですっ!
「あの、冒険者登録をしたいのですが。」
「はぁ?」
カウンターの前まで来て小声で話しかけるとクリスに気を取られて目に入っていなかったのか、急に声をかけられて驚いたのか、受付のお姉さんは気の抜けた声を出した。
確かに白いシャツにベストを着てくるぶしよりも少し上ぐらいの丈の青いスカートの私は冒険者になりにきた格好じゃないよね?
買い物を楽しみにしてきた街娘にしか見えないか。
「・・・・・・」
「えとっ、冒険者登録をしたいのですが。」
黙ったままの受付のお姉さんに小声でもう一度言うとお姉さんはクリスの方を見て『この子本気なの?』みたいな表情してる。えぇ、勿論本気ですとも!
「彼女は薬草採取の依頼を中心に受けたいんだそうだ。」
「あぁ、薬師を目指しているんですね。薬学の勉強の為に薬師の見習いの方たちがよく登録しています。それではこちらの書類に記入をお願いします。」
クリスの雑な説明で受付のお姉さんは納得したような顔になり書類を私の前に差し出した。少しの情報で相手は私の身なりや容姿で経験上の知識からそう判断したらしい。
クリスは正直に言って詮索されたりコスト侯爵家と関係がある事に感づかれないようにワザと誤解される様に言ったのね。そのテクニック、今後の参考にさせてもらうわ!
「武器、は弓ですか?」
「あ、強いて書くなら、です。薬草の採取なら戦闘になる事はあまり無いとは思うのですが、剣術はした事ありませんし実際は魔法を使用すると思うんです。
少しだけ弓の経験があるので使用する武器の欄には弓と書かせてもらいました。」
今世ではやった事無いけれど前世では弓道部に入っていたのよ。何となくだけど覚えているわ。腕前は知らないけど。
剣やレイピアは使った事無いし魔獣に近寄って戦うなんて私には無理そうだからね。短剣ぐらいは護身用に所持するかもしれないけれど。
「当分の間、指導を任されているので問題ないと思いますよ。」
クリスが爽やか笑顔でまたも第一ボタンを外して冒険者カードを出して見せた。
朝から何、色気を振り撒いているのよ!あと、その笑顔がめっちゃ胡散臭い!
クリスの首元を目をハートにしてガン見しているお姉さんは冒険者カードの色に気づいていたのか、いないのか。
ちょっと後ろがザワっとしたから冒険者さんたちは気づいたみたいだけれど。
兎に角、無事に書類は受理されました。
「それではティアナさん、冒険者カードに情報を登録するのでこの水晶に魔力を流して下さい。」
水晶が置かれている台座に銅色のカードが置かれる。少し緊張しながら水晶の上にそっと右手を置くとポゥっと淡く水晶が光った後、カードに文字が浮かんで消えた。
その後に私の名前と冒険者ランクが表示された。カードの登録が終わるとギルドにも魔法属性の情報が登録されるようになっていたみたい。お姉さんは手元のボードを確認して驚いて二度見していた。
「ティ、ティアナさんは無ー」
「あー、ティアナの必須の初級冒険者研修は次の目的地で受ける、でいいかな。あまりこの街に長居は出来ないんだ。」
お姉さんの言葉に被せるように大きな声を出したクリスは、有無を言わせない顔でお姉さんに微笑んだ。
黒いなぁ~この笑顔。
お姉さんも冒険者の個人情報は守秘義務がある事を思い出したのか、ハッとした顔をした後に口を閉ざした。クリスの腹黒笑顔にポーっとなっていただけかも知れないけど。
急に大声だしてお姉さんの言葉を遮ったのは保有している魔法の属性が表示されたからかな。たぶん無属性魔法はギルドの受付嬢でも驚くほど保有している人が少ない希少魔法なんだと思う。
ん?冒険者カードって身分証代わりになるけど、見せる場合にはどこまで情報が提示されるのかな?魔力量や保有魔法とかは見られないようになっているのかな?後でクリスに聞いてみよう。
無事にカードを受け取ってクリスと同じ様に首から下げて冒険者ギルドの建物から出た。
あ、お約束の冒険者に絡まれる、ってやつは無かったよ。クリスの冒険者タグが効いたのかもね。もしかしたらそれも見越してタグを見せていたのかなぁ?流石だね、クリス。
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冒険者ランク
C~F 銅色タグ
B 銀色タグ
A 金色タグ
S プラチナタグ (銀色タグとは輝きが違うんです、輝きが!
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