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ハドソン領 花街道(仮)編 アイビー村
一番星食堂にて
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「いやぁ~、先程は失礼しました。てっきり商会の代表はクリスフォードさんの方かと。
ささ、こんな村の食堂では満足頂けないでしょうが、何しろ村には食事を提供している店は二軒しかありませんので勘弁して下さい。」
・・・謙遜かもしれないけれど、この村の村長さんが言うセリフでは無いのでは?
しかも店の中で!
女将さんらしき人がジロリとこちらを見て睨んでいるのに気付かないのかなぁ。
村長さんの息子さんと紹介されたマークさんは、村長さんの隣に座ってただニコニコしているだけだし。
村長さんに案内されたのは広場の直ぐ近くにある食堂で、お店の名前は『一番星』というらしい。もう一軒の店は村の奥の方にあるそうだ。客の奪い合いにならないようにしているのかな。
一番星さんは四十代のご夫婦がやっているお店で、昼から夜までの営業でお酒も提供しているそうだ。
今は丁度お昼時だけど、お客は私たちを抜かすと四、五人程度。テーブルの席数からすると繁盛しているようには見えない。もしかすると夜の営業がメインなのかも知れないけど。
内装も特に拘っている様子もなく、普通に板張りの壁で、六、七人が横並びに座れるぐらいのカウンターと飾り気のない四角い木のテーブルが六卓ある。特にメニュー表もなく、壁にも貼ってはいないので、何の料理があるのかは全く分からない。
「メアリー、いつものを五つ。」
村長さんが女将さんらしき人に注文をしてくれた。というか、何の説明もなく聞かれもしなかったんだよね。
それで出てきたのは、野菜と何かの肉がゴロゴロ入ったスープと硬めの丸いパン二個。それから緑色系の野菜にスクランブルエッグっぽい感じのものが乗っているサラダと焼いたソーセージが二本だった。
まぁ、平民が家で食べるには普通のメニューかな。スープはよく煮込まれていて美味しいけれど素朴な味わい。要するに味付けは塩のみ。野菜の旨味が出ているから成立している味。
パンにはジャムやバターなどが用意されていないけれど、この硬めのパンはどうやって食べるのが正解なのかな?
目の前に座る村長さん親子を見ていたら村長さんは丸齧り。マークさんは私の方をチラリ見た後、ちぎってスープにつけて食べていた。味付けが塩だけのスープでも浸して食べると美味しいのかな。
どうやって食べようか、と一応パンを手に取ったけれど、ソフトボールよりも少し大きめのパンは、フランスパンよりも硬めで私の力では上手く千切れそうにないんだよねぇ。
力を入れて千切った瞬間にパンが手から離れて飛んでいく予感しかしない。
「クリス、食用ナイフを貸してくれるかな。」
「これを食べやすい大きさに切ればいいのか?」
元々、冒険者だったクリスは用途に合わせてナイフを数種類所持している。
私が何をしたいかを察したクリスがポーチからナイフを出しながら、私の手からヒョイとパンを取ると4頭分に切り分けてくれた。
魔法鞄から瓶入りのマヨネーズを出すと薄くパンに塗ってからサラダを乗せて追いマヨネーズ。でも少し食べ難いかも。
マヨネーズを見て私と同じように食べる事にしたらしいクリスの手を止める。
「クリス、パンの真ん中を上から縦に半分ぐらい切れ目を入れてみて。そうしたら私にパンを貸して。」
クリスがパンに切れ目を入れている間に、魔法鞄からマスタードとケチャップの瓶を取り出して待つ。
受け取ったパンに野菜とスクランブルエッグを少々、それからソーセージにを挟んでケチャップとマスタードをつける。丸いパンだからちょっと見た目は微妙だけど、即席ホットドッグの完成だ。
なんちゃってホットドッグを美味しそうに食べるクリスに、目の前の二人もお誕生日席のアシュトンさんも釘付けになっている。
「お、おい、メアリー!パンとソーセージを追加で二本づつ出してくれ!」
突然、大きな声を出した村長さんにメアリーさんが驚いている中、気付けばアシュトンさんはクリスにナイフを借りていて、サッサと自分のパンに切れ目を入れていた。
「ティアナさん。その黄色のと赤色のものは調味料なのですか?」
最初の挨拶以外で初めてマークさんが私に話しかけてきたけれど、マヨネーズとケチャップをガン見していて、『私も使っていいですよね?』、という圧を感じる。
既にアシュトンさんが私に断りを入れて使っているので、勿論マークさんたちにも快く瓶を差し出す。
「「美味い!」」
なんちゃってホットドッグを一口食べて、二人揃って声を出すから、他のお客さんもそりゃ気になるよねぇ。
メアリーさんも、厨房の方から店主らしき人も出て来て、村長さんたちが食べているホットドッグを食い入るように見ている。
マヨネーズとケチャップ、それからマスタード以外はこの食堂で出された物だから怒られはしないよね?
村長さんたちがあまりにも『美味い。美味い。』と連呼して食べるものだから、結局その場に居たお客さん全員がパンとソーセージを追加注文して同じように食べる事になった。
そのお客さんたちの反応を見て、メアリーさんとご主人のハイドさんから何という名前の調味料なのか、など聞かれ、元々、村にある食堂については、場合によってはレシピの営業をするつもりだったので、詳しい話は明日の午前中にする事になった。
因みに村長さんが言っていたいつものは、一番星食堂で出されるセットメニューは一つのみで、注文する人によっていつものが少しづつ違っているらしい。料金は一律銅貨五枚。追加のパンは一個小銅貨五枚、ソーセージは一個銅貨一枚だそうだ。
ほぼ村人しか来ない食堂だから、いつもの、で済むのだろうね。
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ここまでお読み下さりありがとうございます。
「いいね」やエールでの応援もいつもありがとうございます。
ささ、こんな村の食堂では満足頂けないでしょうが、何しろ村には食事を提供している店は二軒しかありませんので勘弁して下さい。」
・・・謙遜かもしれないけれど、この村の村長さんが言うセリフでは無いのでは?
しかも店の中で!
女将さんらしき人がジロリとこちらを見て睨んでいるのに気付かないのかなぁ。
村長さんの息子さんと紹介されたマークさんは、村長さんの隣に座ってただニコニコしているだけだし。
村長さんに案内されたのは広場の直ぐ近くにある食堂で、お店の名前は『一番星』というらしい。もう一軒の店は村の奥の方にあるそうだ。客の奪い合いにならないようにしているのかな。
一番星さんは四十代のご夫婦がやっているお店で、昼から夜までの営業でお酒も提供しているそうだ。
今は丁度お昼時だけど、お客は私たちを抜かすと四、五人程度。テーブルの席数からすると繁盛しているようには見えない。もしかすると夜の営業がメインなのかも知れないけど。
内装も特に拘っている様子もなく、普通に板張りの壁で、六、七人が横並びに座れるぐらいのカウンターと飾り気のない四角い木のテーブルが六卓ある。特にメニュー表もなく、壁にも貼ってはいないので、何の料理があるのかは全く分からない。
「メアリー、いつものを五つ。」
村長さんが女将さんらしき人に注文をしてくれた。というか、何の説明もなく聞かれもしなかったんだよね。
それで出てきたのは、野菜と何かの肉がゴロゴロ入ったスープと硬めの丸いパン二個。それから緑色系の野菜にスクランブルエッグっぽい感じのものが乗っているサラダと焼いたソーセージが二本だった。
まぁ、平民が家で食べるには普通のメニューかな。スープはよく煮込まれていて美味しいけれど素朴な味わい。要するに味付けは塩のみ。野菜の旨味が出ているから成立している味。
パンにはジャムやバターなどが用意されていないけれど、この硬めのパンはどうやって食べるのが正解なのかな?
目の前に座る村長さん親子を見ていたら村長さんは丸齧り。マークさんは私の方をチラリ見た後、ちぎってスープにつけて食べていた。味付けが塩だけのスープでも浸して食べると美味しいのかな。
どうやって食べようか、と一応パンを手に取ったけれど、ソフトボールよりも少し大きめのパンは、フランスパンよりも硬めで私の力では上手く千切れそうにないんだよねぇ。
力を入れて千切った瞬間にパンが手から離れて飛んでいく予感しかしない。
「クリス、食用ナイフを貸してくれるかな。」
「これを食べやすい大きさに切ればいいのか?」
元々、冒険者だったクリスは用途に合わせてナイフを数種類所持している。
私が何をしたいかを察したクリスがポーチからナイフを出しながら、私の手からヒョイとパンを取ると4頭分に切り分けてくれた。
魔法鞄から瓶入りのマヨネーズを出すと薄くパンに塗ってからサラダを乗せて追いマヨネーズ。でも少し食べ難いかも。
マヨネーズを見て私と同じように食べる事にしたらしいクリスの手を止める。
「クリス、パンの真ん中を上から縦に半分ぐらい切れ目を入れてみて。そうしたら私にパンを貸して。」
クリスがパンに切れ目を入れている間に、魔法鞄からマスタードとケチャップの瓶を取り出して待つ。
受け取ったパンに野菜とスクランブルエッグを少々、それからソーセージにを挟んでケチャップとマスタードをつける。丸いパンだからちょっと見た目は微妙だけど、即席ホットドッグの完成だ。
なんちゃってホットドッグを美味しそうに食べるクリスに、目の前の二人もお誕生日席のアシュトンさんも釘付けになっている。
「お、おい、メアリー!パンとソーセージを追加で二本づつ出してくれ!」
突然、大きな声を出した村長さんにメアリーさんが驚いている中、気付けばアシュトンさんはクリスにナイフを借りていて、サッサと自分のパンに切れ目を入れていた。
「ティアナさん。その黄色のと赤色のものは調味料なのですか?」
最初の挨拶以外で初めてマークさんが私に話しかけてきたけれど、マヨネーズとケチャップをガン見していて、『私も使っていいですよね?』、という圧を感じる。
既にアシュトンさんが私に断りを入れて使っているので、勿論マークさんたちにも快く瓶を差し出す。
「「美味い!」」
なんちゃってホットドッグを一口食べて、二人揃って声を出すから、他のお客さんもそりゃ気になるよねぇ。
メアリーさんも、厨房の方から店主らしき人も出て来て、村長さんたちが食べているホットドッグを食い入るように見ている。
マヨネーズとケチャップ、それからマスタード以外はこの食堂で出された物だから怒られはしないよね?
村長さんたちがあまりにも『美味い。美味い。』と連呼して食べるものだから、結局その場に居たお客さん全員がパンとソーセージを追加注文して同じように食べる事になった。
そのお客さんたちの反応を見て、メアリーさんとご主人のハイドさんから何という名前の調味料なのか、など聞かれ、元々、村にある食堂については、場合によってはレシピの営業をするつもりだったので、詳しい話は明日の午前中にする事になった。
因みに村長さんが言っていたいつものは、一番星食堂で出されるセットメニューは一つのみで、注文する人によっていつものが少しづつ違っているらしい。料金は一律銅貨五枚。追加のパンは一個小銅貨五枚、ソーセージは一個銅貨一枚だそうだ。
ほぼ村人しか来ない食堂だから、いつもの、で済むのだろうね。
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ここまでお読み下さりありがとうございます。
「いいね」やエールでの応援もいつもありがとうございます。
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