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ハドソン領 花街道(仮)編 アイビー村
一番星食堂にて 7
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「ウチの店がこの国で初めて、、、。」
私の言葉の意味がやっと分かったのか、ハイドさんがゴクリと喉を鳴らして呟いた。
今まで私が登録したレシピは、販売前に誰かに食べて貰う事はあっても、他の店が先に販売する事は無かったんだよね、当たり前だけど。
イケアで先に唐揚げの販売をする話や売買契約を結んだ料理は別として、ホットドッグは店内で作ったのがきっかけだったからね。
「えぇ。だからお店で売る時も思いっきりその事を宣伝しても良いと思います。看板か幟を作ったらどうでしょうか?目立つし、一々口で言わなくても済みますから。
私がレシピ登録をして、ハイドさんたちが領都で屋台を出したら直ぐに話題になって他の店も売り出すでしょう?後から『ウチが最初に売り出した!』と言っても、覚えていない人、知らなかった人は多い筈です。ハドソン領以外なら知らない人だらけです。
だからこそ、最初に売り出す時から『アイビー村で生まれた料理』を宣伝するんです。私がレシピ登録をすると言っても、アイビー村の一番星食堂さんの店内で初めて作った事には変わりありませんしね」
「それはそうだけど、でも領都の屋台で販売され始めたら、アイビー村まで食べに来る人は減っちゃうでしょう?」
メアリーさんの言う通りではあるんだよね。それについてはもう一つ考えがあるけど、今は話の途中だ。
「そうですね。ですが、ホットドッグを食べた人、興味を持った人の中には、最初に売り出した店のホットドッグを食べてみたいと考える人もいると思うんですよね。
それにアイビー村でホットドッグという料理が生まれたという話が広まれば、アイビー村の知名度が上がりますよ。
アターミに向かう観光客が興味を持って立ち寄る可能性も出てきますし、領都に遊びに来た人がついでにアイビー村に足を運ぶ事があるかもしれません。
そういう可能性も考えて、領都で屋台を出す事を提案しました」
料理に限らず、『誰が最初に考えたのか』や『どこが一番最初だったのか』みたいな論争は、前世でもよく聞く話だったからね。
アイビー村がホットドッグの発祥の地でも、領都、もっと大きな目で見たら『ハドソン領のご当地グルメ』という扱いだって出来ると思う。
まぁ、そうなる為にはホットドッグをハドソン領で大々的に売り出さないといけないかな。
「そうか。それは凄いなぁ。だが、アイビー村の知名度が上がったとしても、領都の屋台や店がホットドッグを売り出したら、やっぱりアイビー村まで来ないんじゃないか?」
「そうですねぇ。ホットドッグは食材さえあれば、誰でも簡単に調理出来る料理ですしね。
だから調味料や食材を工夫して一番星食堂さん独自のホットドッグを作ってみてはどうでしょうか?
確認なんですが、お店で出しているソーセージはハイドさんの手作りですか?」
「あぁ、あれは俺の手作りだ。修行していた時に教わったものなんだ。」
「良かった!それならソーセージも工夫する事が出来ますね。
アイビー村に食べに来て貰えるように、アイビー村の特産品を使って味の違う別のソーセージを作りましょうよ。それでホットドッグを作るんです」
「アイビー村の特産って、、、レモンのことですか?」
ハイドさんがちょっと自信無さそうに言っているけれど、特産品て呼ぶにはそんなに弱いのかなぁ。
そのまま食べられる食材に比べたら需要も少なそうだし、だからこそレオンさんも悩んでいるみたいだった。
「はい。レモン汁を入れたソーセージもサッパリした風味で美味しいんですよ」
ソーセージも色々なスパイスを入れて作るけれど、基本はひき肉、塩、羊腸だけで出来る。もっと言ったらラップがあれば羊腸も要らない。
まぁ、この世界にラップは無いので、羊腸を使うか、手で整形するとかかな。
レモン汁以外に乾燥パセリかバジルを入れて、ブラックペッパーか胡椒も使いたいけれど、胡椒は高いんだよね。
「ソーセージにレモン汁を入れて作るのは出来ると思うが、そんなに普通のソーセージと味が違うのかい?」
味の想像が出来ないのか、ハイドさんは少し戸惑い気味だ。
「一度作って味を確かめてみて下さい。
それで売れると判断したら、ホットドッグとは別の名前で売り出そうと思っています。
アイビー村の特産品であるレモンを使って作ったソーセージで作るホットドッグ。名付けてアイビードッグです!」
ーーーーーーーーーーーーーーー
ここまでお読み下さりありがとうございます。
「いいね」やエールでの応援もいつもありがとうございます。
今年一年、拙作にお付き合い下さりありがとうございました。来年も宜しければお付き合い下さい。
それでは良いお年を!
私の言葉の意味がやっと分かったのか、ハイドさんがゴクリと喉を鳴らして呟いた。
今まで私が登録したレシピは、販売前に誰かに食べて貰う事はあっても、他の店が先に販売する事は無かったんだよね、当たり前だけど。
イケアで先に唐揚げの販売をする話や売買契約を結んだ料理は別として、ホットドッグは店内で作ったのがきっかけだったからね。
「えぇ。だからお店で売る時も思いっきりその事を宣伝しても良いと思います。看板か幟を作ったらどうでしょうか?目立つし、一々口で言わなくても済みますから。
私がレシピ登録をして、ハイドさんたちが領都で屋台を出したら直ぐに話題になって他の店も売り出すでしょう?後から『ウチが最初に売り出した!』と言っても、覚えていない人、知らなかった人は多い筈です。ハドソン領以外なら知らない人だらけです。
だからこそ、最初に売り出す時から『アイビー村で生まれた料理』を宣伝するんです。私がレシピ登録をすると言っても、アイビー村の一番星食堂さんの店内で初めて作った事には変わりありませんしね」
「それはそうだけど、でも領都の屋台で販売され始めたら、アイビー村まで食べに来る人は減っちゃうでしょう?」
メアリーさんの言う通りではあるんだよね。それについてはもう一つ考えがあるけど、今は話の途中だ。
「そうですね。ですが、ホットドッグを食べた人、興味を持った人の中には、最初に売り出した店のホットドッグを食べてみたいと考える人もいると思うんですよね。
それにアイビー村でホットドッグという料理が生まれたという話が広まれば、アイビー村の知名度が上がりますよ。
アターミに向かう観光客が興味を持って立ち寄る可能性も出てきますし、領都に遊びに来た人がついでにアイビー村に足を運ぶ事があるかもしれません。
そういう可能性も考えて、領都で屋台を出す事を提案しました」
料理に限らず、『誰が最初に考えたのか』や『どこが一番最初だったのか』みたいな論争は、前世でもよく聞く話だったからね。
アイビー村がホットドッグの発祥の地でも、領都、もっと大きな目で見たら『ハドソン領のご当地グルメ』という扱いだって出来ると思う。
まぁ、そうなる為にはホットドッグをハドソン領で大々的に売り出さないといけないかな。
「そうか。それは凄いなぁ。だが、アイビー村の知名度が上がったとしても、領都の屋台や店がホットドッグを売り出したら、やっぱりアイビー村まで来ないんじゃないか?」
「そうですねぇ。ホットドッグは食材さえあれば、誰でも簡単に調理出来る料理ですしね。
だから調味料や食材を工夫して一番星食堂さん独自のホットドッグを作ってみてはどうでしょうか?
確認なんですが、お店で出しているソーセージはハイドさんの手作りですか?」
「あぁ、あれは俺の手作りだ。修行していた時に教わったものなんだ。」
「良かった!それならソーセージも工夫する事が出来ますね。
アイビー村に食べに来て貰えるように、アイビー村の特産品を使って味の違う別のソーセージを作りましょうよ。それでホットドッグを作るんです」
「アイビー村の特産って、、、レモンのことですか?」
ハイドさんがちょっと自信無さそうに言っているけれど、特産品て呼ぶにはそんなに弱いのかなぁ。
そのまま食べられる食材に比べたら需要も少なそうだし、だからこそレオンさんも悩んでいるみたいだった。
「はい。レモン汁を入れたソーセージもサッパリした風味で美味しいんですよ」
ソーセージも色々なスパイスを入れて作るけれど、基本はひき肉、塩、羊腸だけで出来る。もっと言ったらラップがあれば羊腸も要らない。
まぁ、この世界にラップは無いので、羊腸を使うか、手で整形するとかかな。
レモン汁以外に乾燥パセリかバジルを入れて、ブラックペッパーか胡椒も使いたいけれど、胡椒は高いんだよね。
「ソーセージにレモン汁を入れて作るのは出来ると思うが、そんなに普通のソーセージと味が違うのかい?」
味の想像が出来ないのか、ハイドさんは少し戸惑い気味だ。
「一度作って味を確かめてみて下さい。
それで売れると判断したら、ホットドッグとは別の名前で売り出そうと思っています。
アイビー村の特産品であるレモンを使って作ったソーセージで作るホットドッグ。名付けてアイビードッグです!」
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ここまでお読み下さりありがとうございます。
「いいね」やエールでの応援もいつもありがとうございます。
今年一年、拙作にお付き合い下さりありがとうございました。来年も宜しければお付き合い下さい。
それでは良いお年を!
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