婚約破棄された悪役令嬢が実は本物の聖女でした。

ゆうゆう

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父の心情

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━アランソル国━

コンコン
「失礼します。陛下突然の面会をお許しいただきありがとうございます」

そう言って入って来たのはパシュレーヌ侯爵だった。

「パシュレーヌ、どうした?」

「訝しい噂をきいたので、確認をしに参りました」

「はて、訝しい噂とは」
ゲルハルトはパシュレーヌ侯爵が面会を求めた理由を何となく察していたが、あえて知らぬ振りをした。

「エレーナの捜索に人員を割いていると聞きましたが…
本当ですか?」

「やはりその事か」

「なぜです?
エレーナが事故で死んだと言ったのは陛下だ。
それなのに、なぜあの娘をさがすのです?
なぜそっとしておいてくれないのですか?

私が再婚話になどに耳を貸さなければエレーナは今もきっと私の側にいたのに…」

「エレーナの母親は聖女の血縁だったのだな?」

「なんの事です?」

「パドックが調べて来たんだ。
お前の妻はあの聖女マリナの姪にあたると言うことを」

「まさか…シェリーの家は何の関係もない伯爵家ですよ」

「いや、エレーナが聖女の血筋なのは間違いない。
パドックはもしエレーナが聖女として覚醒していれば、崖から落ちても生きている可能性があると言っている」

「まさかそんな事が… 本当に…」

「お前に黙っていたのは、まだ可能性はあっても確証はないからだ。
これで見つけられなかったら、お前をぬか喜びさせただけで終わってしまうからな」

「そうでしたか、お気遣いありがとうございます」
パシュレーヌ侯爵はなんとも形容しがたい顔でお礼をいいます。

それをみたゲルハルトは苦笑いをする。
喜んでいいのか、悲しんでいいのか、怒っているのか自分の気持ちも散り散りなのだろうな…
と彼の心情を汲み取っていた。




◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


数日後、国境付近ではエレーナを探す為の捜索隊がテントを張って拠点を作っていました。

ここまでの道程で聞き込みもしていたが、いい知らせや有力情報は全く入って来なかった。

しかし、パドックは諦めていなかった。

テントの中で1人考えていると、後ろから声をかける者がいた。

「パドック 本当に隣の国にエレーナはいるのか?」

「ええ、間違いありませんよ
私はそう確信していますからね」

パドックに声をかけたのは、なんと謹慎中の筈のバイロンその人であった。

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