婚約破棄された悪役令嬢が実は本物の聖女でした。

ゆうゆう

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美味しい林檎

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今日は月に1度の聖歌隊のコンサートがあります。

この為にこのところ讃美歌がよく聞こえていたのね。

いつもと違って教会は大聖堂に多くの人々が集まる事になります。
大伯母様もあまり強い結界は解除しないといけません。
強力な結界は教会裏の邸の周りだけになりました。

私も教会でいろいろお手伝いをします。

ただ、見知らぬ人が大勢集まるので髪の色を変えて三つ編みをして、メガネをかけます。
これで、聖女セシリアでもないし、エレーヌでもない女の子が出来上がります。

それでもカイルが心配して横で手伝いの手伝いをしています。
教会入口でバザーもするので、私は
バザーで売る林檎を籠に盛って並べています。
それを隣で見ているカイル。
見ているだけでは手伝いとは言わないのだけれどね。

でも、カイルが隣にいてくれるので、大伯母様も今日の手伝いを許してくれました。
カイルが言うには聖女を調べていた怪しい連中がピタリと現れなくなって、行方が追えなくなっていて、苦戦しているらしかった。
だから、余計に大伯母様が心配しているのよね。
バザーやコンサートをやっている教会の隣で邸に隠っていろなんて酷ですよね。
だから、大伯母様を拝み倒してカイルが一緒にいてくれる事でやっとお許しが出たのです。

「この林檎、セシリアが実らしたんだろ?」

「そうなの、一気に実っちゃったからどうしようって言ってたんだけど、バザーで使ってくれてよかった。
カイルちょっと食べてみて」
私はカイルに林檎を渡します。

「ふーん。カリ…」
カイルが林檎を齧り、目を丸くしてます。

「甘い! うまい!
こんなに甘くて美味しい林檎は初めて食べた。
これも聖女の力なのか?」

「よく分からないけど、私も驚いたのよ。
お菓子みたいに甘いんだもの。
シスター達も皆とても喜んでいたわ、孤児院の皆も喜ぶって」

私の歌で皆が喜んでくれる林檎が実ったのはうれしかった。

「シスターがお砂糖が少なくても美味しいアップルパイも作れるって言ってた。
お砂糖は高いから子供たちにお菓子をなかなか作ってあげられないのよ」

「そうか、それはよかったな。
セシリアももうこの教会の一員だね」
とカイルが言ってくれた。
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