きっと、貴女は知っていた

mahiro

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日に当たることのないヴァネッサの肌は白く、身体全体が細い。
よくその細い身体で玄関から自室まで運べたものだと感心してしまう。


「よく運べましたね」


「引き摺ってなんとか。何回諦めて廊下に転がしておこうかと思ったことか」


腕痛いと両腕を擦りながら言うヴァネッサの後を歩き、男がいるという彼女の部屋まで向かう。
相変わらず細いヴァネッサの後ろ姿を見ながら思う。
ヴァネッサは警戒心が強く、同居している私でさえあまり部屋に入れてくれない。
それなのに男の人は、引き摺ってでも自室に入れるとはどういうことなのだろう。
もしかして、知り合いだったりするのだろうか。

実のところ、私はヴァネッサの過去を知らない。
勿論、その逆もしかり。
互い同じ能力を持っている、ただそれだけの理由で同居をしていて、相手の未来を見ても何も言わないことを同居条件としているだけで、お互い必要以上に干渉しないとは定めていない。
けれど、お互いに何も言わないのは必要性を感じていなかったからかもしれない。


「静かに入って、まだ寝てるから」


「分かりました」


控え目な声で返事を返し、ゆっくりと中へと入っていくとベッドの上に見知らぬ男性が眠っていた。
顔色も悪くなく、呼吸も大きな乱れはない。
あとは目を覚ませば大丈夫だろう。


「本人が拒否しているのに病院へ連れてはいけませんし、自然に目覚めるのを待つしかないですね。それからのことはそのときに話し合いましょうか」
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