きっと、貴女は知っていた

mahiro

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女の子は自宅に帰ったら、さぞ喜ばれるだろう。
私の場合はどうだ。
玄関のドアを開けた瞬間、体育座りをしたヴァネッサと目があった。
そこは良い。
その後、睨み付けられ。


「遅い」


と一言言われたのですが、そんなに私遅かったですかね。
確かに女の子の買い物を手伝ったから予定より遅くなったのは否定できないけど。


「すみません、お待たせしました。男性の様子はいかがですか?」


視線から逃れるようにしてヴァネッサの横を通り抜け、リビングへと向かい買ってきたものを適当に机の上に置いていく。


「まだ寝てる」


「そうでしたか」


目覚めないまま不安な所、私がいなくて心細かったのだろうか。
いつもなら部屋に引きこもっていてあまり外には出てこないというのに。


「ねぇ」


「はい?」


ヴァネッサからこんなにも話しかけられるなんて珍しいこともあるものだ。


「見た?あの人の未来」


動かしていた手を止め、じっと私のことを見つめるヴァネッサに首を立てに振ってみせた。


「見ましたよ。大丈夫です、あの方は目を覚ましますよ」


「それは分かってる。その他にも見えたものあるでしょう」


やっぱり目覚めることはヴァネッサも分かっていた。
けれど、あの男性がヴァネッサのパートナーになることまでは見えていないようだ。


「他、とは?」


「たとえば女性と並んで歩いている姿が見えたとか」


うん、ヴァネッサと歩いていた。
しかし、これを言ってしまったら、同居を解消することになる。
まだヴァネッサと男性がそういった関係性となり、この家を出ていくというような状況ではないためし、男性も目覚めていない手前、話すわけにはいかないだろう。


「見えましたが、お相手の女性の姿がはっきり見えたわけではないので、どなたかは分かりませんでした」
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