俺が許すよ

mahiro

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苦しむ?
それは違う、私が苦しむものではない。
そう言いたいのに口は開閉を繰り返すだけで言葉にならなかった。
アルバートはそれを困ったように見つめた後、私から少しだけ離れたと思ったら、いきなり書類を突きつけてきた。


「リラ、そんな状況で悪いんだけどね?これにサインして欲しいんだ」


あとリラのサインだけで済むから、と言われた書類には婚姻届と書いてあり目を見開いた。


「あ、え?婚約者とは聞いてましたが、結婚?」


「うん」


何か問題でも?と言いたげだが、問題だらけだろう。
前世のことは嫌でも知っていることは沢山あるし、操られていたとはいえ、自分を殺めた相手だぞ。
そんな人と結婚したいなど、何を考えているのだ。


「アルバートさん、私は」


「前世のことは置いといて、今のことだけ考えてよ。何?俺じゃ不満なの?」

 
不満じゃないから困るんだよ。
こちとら前世から好きな人で一生手に入らないと思っていた相手だ。
そんな相手とこの私が人生を共に過ごして良いのか?
良くないだろう。


「不満はありません…でも、私は」


「はい、なら書いて。時間ないから急いでね」


ほらほら、とペンを握らせ強引に椅子にまで座らされる。
立ち上がろうにも肩を掴まれ、立ち上がれない。
そうしている間にもアルバートは何処かに電話をかけ始めてしまい、それ以上話しかけられそうになかった。
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