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何かいい方法はないものかとフェブリーと話していたとき。
「あ、そういえば、騎士団にいたとき、魔力を奪う水晶玉ってのがあるって聞いたことあるな」
「ほぅ。それは何処にあるんだ?」
「何処だっけなぁ……城とかにあったかなぁ」
腕を組んで悩み出すフェブリーを横目に俺はそんなもの城にあっただろうかと過去を思い出した。
あるとしたら地下かシャルル陛下の部屋だと思うが、その部屋に何があるかなんて知らない。
こんなことなら忍び込んでおけば良かった、と思った。
「あ、確かロン君のお父さんって騎士団だったよな?何か情報あるかもしれない!もし場所が分かったら借りられないか聞いてみたらどうだ?」
「そうだな。聞いてみる」
面識もある人だし、貸してくれるかはともかくとして話は聞いてくれるだろう。
そんな程度で会いに行ったのだが、まさか。
「え?あの水晶玉?そこにあるぞ。使ってないからいいよ、好きなだけ持っていきな」
それよりいつも息子が世話になっててすみません、俺が特訓とか付き合ってやれれば一番良いんですけど、何分家を開けることが多くて、と言っていた。
遠方に出ることが多い部隊に在籍しているから、それは仕方ないのだろう。
「いえ、ロン君のことは俺が好きでやっていることですからお気になさらないでください。水晶玉は、おひとつお借りしますね」
そうして無事水晶玉を手にした所で、胸騒ぎがしてルナ様の所へ行ったら案の定、本体ではないシャルル陛下とルナ様が対峙していたのだった。
「あ、そういえば、騎士団にいたとき、魔力を奪う水晶玉ってのがあるって聞いたことあるな」
「ほぅ。それは何処にあるんだ?」
「何処だっけなぁ……城とかにあったかなぁ」
腕を組んで悩み出すフェブリーを横目に俺はそんなもの城にあっただろうかと過去を思い出した。
あるとしたら地下かシャルル陛下の部屋だと思うが、その部屋に何があるかなんて知らない。
こんなことなら忍び込んでおけば良かった、と思った。
「あ、確かロン君のお父さんって騎士団だったよな?何か情報あるかもしれない!もし場所が分かったら借りられないか聞いてみたらどうだ?」
「そうだな。聞いてみる」
面識もある人だし、貸してくれるかはともかくとして話は聞いてくれるだろう。
そんな程度で会いに行ったのだが、まさか。
「え?あの水晶玉?そこにあるぞ。使ってないからいいよ、好きなだけ持っていきな」
それよりいつも息子が世話になっててすみません、俺が特訓とか付き合ってやれれば一番良いんですけど、何分家を開けることが多くて、と言っていた。
遠方に出ることが多い部隊に在籍しているから、それは仕方ないのだろう。
「いえ、ロン君のことは俺が好きでやっていることですからお気になさらないでください。水晶玉は、おひとつお借りしますね」
そうして無事水晶玉を手にした所で、胸騒ぎがしてルナ様の所へ行ったら案の定、本体ではないシャルル陛下とルナ様が対峙していたのだった。
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