きっと、君は知らない

mahiro

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「後輩である俺たちは前世のこと覚えてるのに先輩であるムシューニさんとか、キヨさんって覚えてないよな。まぁ、覚えてない方が幸せだろうけど」


あ、アレシアにとっての『先輩』ってキヨさんなんだ。


「今回の試練で思い出すかもしれないぞ?」


「えぇ?!それは嫌っすね」


「俺も嫌かも」


自分の結婚式に起きた出来事なんて思い出したくもないだろう。
我が子から目を離した瞬間、自分の後輩が、なんて俺だったら絶対に嫌な記憶だし思い出したくもない。


「『先輩』のはまだしも自分の試練のとき『先輩』にいて欲しくないよな」


「た、確かにそうっすね。他の矢を探してて欲しいな。ムシューニさんに言えば別行動させてくれるかな」


「絶対無理だろ。特にグレイは手離さそうだし」


「え、何で俺だけなんですか?キヨさんのことよく分からないけど、別行動とか許さないんじゃないか?」


「そーなんだよな。あの人、責任感強いから中途半端なこと嫌うんだよ。何のための団体行動だと思ってんだ!って怒鳴られるのが目に浮かぶ………」


ははは、と乾いた笑みを浮かべるアレシアに同情する。


「グレイ、これからどんな試練が待っているのか分からないがムシューニの過去に触れるのは免れない。今回は目に見える傷だから俺でも痛みは取れたが、心の傷は治せない。だから、ひとりで溜め込まずに俺たちに相談しろよ。アレシアもな」
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