きっと、君は知らない

mahiro

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「嬉し泣きだぁ?俺がお前のために色々やっても笑いもしなきゃ泣きもしなかったってのに?」


それは俺のためという名目で、スパルタな指導をしていただけなんじゃ。
結局、ムシューニの説明や特訓も理解できないからフランさんに教えて貰ってやり続けてるだけのことなのに。


「俺のためにやってくれるのは嬉しいですよ。こうして旅に出させてくれたのもムシューニさんと出会って連れ出してくれたからですし」


本当は嫌だったけど。
でも、皆いい人たちばかりな上に温かみのある言葉をかけてくれたり、まるで仲の良い仲間のように接してくれるから今まで受けてきた扱いを忘れそうになる。
そして忘れた頃に思い出す。
今回出会った女性のように。


「思ってもないこと言うな」


両頬をつねられそのまま頬を引っ張られれば、ムシューニは俺の顔を見て変な顔と言って笑っていた。
失礼な人だなと手を振り払えば、ムシューニの背後に誰かが立っていたことに気付いた。
誰だろうとそちらに向けるとそこには、あの時出会した女性が立っていた。


「え?」


「ん?あ、そうだった。この宿を快く貸してくれたアカネさんだ。ちゃんとお礼言えよ」
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