きっと、君は知らない

mahiro

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先輩にとってのキーが俺だったとしたら、キヨさんのキーはアレシアじゃないのか?
そう思った俺の顔を見たアレシアは左右に首を振った。


「記憶を呼び戻したのは俺だよ。でも、先輩にとって本当のキーパーソンはあの人しかいない」


アレシアは俺の手を掴むとその手に何かを握り混ませた。


「高校に入る前からずっと先輩が手離さなかったネックレス。この世界でもあの2人は無意識にでも手にしてたんだよ」


記憶がなくたってね、とアレシアは笑った。
そんなものがなくたって2人は繋がっていられたのか。
たとえ能力も何もなくたって、たとえ思いが通じなかったとしても。


「本当に凄いよな……俺なんて、傷と記憶しか共有出来ないのにさ。あ、これミサクさんから今日のお礼にって貰ったんだよ。お守りみたいなものだから、旅に役立つだろうって」


それがまさか2人の思い出の品だとは思わなかっただろう。


「……アレシアから渡した方が良いんじゃないのか?」


俺とキヨさんってあまり接点がないし、2人で話したときも嫌われてはいないものの、俺に深入りされたくなさそうだった。


「俺は駄目だよ。何でお前が?ってなるに決まってるし」


「いや、それ言ったら俺の方が何で?ってなるだろう」


「俺より良いと思うけどなぁ。な、頼むよ、グレイ」


キヨさんの傷を消す約束を守れなかったのだから、これくらいやらないとな。


「分かった。預かっておく」


「おう、頼んだぜ!グレイ」


翌日、早朝から目的地に向かい、矢を見つけることが出来たらしい。
またもや見えないので確信が持てない。
先輩だけ『あーこんな感じに見えてたのかー』とひとり呟いていた。


「見えないのに掴めないってこのことか」


キヨさんはキヨさんでそう言いながら手を上に上げて何かを掴む仕草をしているが、やはり掴めないらしい。
やっぱりそうなのか。


「で?俺は誰に触れて貰えば良いんだ?」


先輩はそう言いながら眉間に皺を寄せながらアレシアの方へ視線をやっているを感じた。
俺はそれを遮るように2人の間に入り込み、昨晩アレシアから預かったネックレスをキヨさんに渡した。


「は?」


それを見て目を見開いたキヨさんだったが、先輩がそうだったように、いきなり掴めるようになった矢にも驚いているようだった。
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