きっと、君は知らない

mahiro

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高校3年に上がったとき、優秀なやつが部活に入ってきたと聞いた。
どんなやつかと思えば、人の話は聞かないしチームプレーなんて出来ないそんなやつだった。
そんなやつを宥め、俺たちとの仲を取り持ったのがあいつだった。
そいつはヘラヘラと笑っているかと思えばスイッチが入ったかのように真面目に部活に取り組み、文句ひとつ吐かずに先輩である俺たちに追い付こうと必死になっているのを何度も目にしていた。
そんなやつだが、どうやら俺のことを好きなようで、部活内でだけ俺のことが好きだと言ってくる。
始めは驚いたし、断っても懲りずに告白してくるし、周りもそれを見て始めこそ何だ?罰ゲームか何かか?というような目で俺たちのことを見ていたが、毎日のように行われるそれにあいつを応援するような声が上がり始めていた。

告白は俺が引退する日まで続き、最終日も俺はあいつの気持ちに答えなかった。

実際は答えなかったのではなく、答えられなかったという方が正しかったかもしれない。
俺には昔から好きな人がいたし、男を好きになったこともなかったし、なる予定もなかったのだ。
後輩としては真面目なやつだし、悪いやつではないと分かっていたし、可愛げのあるやつだと思っていた。

片思いが辛いことも、告白するという行為に勇気がいることだって痛いほど知っているし、断られても思う続けるのだって辛いことだと思う。

そんな中でも明るく笑うあいつを俺は密かに尊敬していた。
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