きっと、君は知らない

mahiro

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ショウンさんと共に訪れたのは、昨日グレイと話をした場所だった。
ふらふらと特に当てもなく歩いた先に見つけたそこは他の『矢』があった場所によく似ていて、きっと、ここが次の場所なのだろうと漠然と思いながら風景を見ていた。
今回、ショウンさんが見つける『矢』のキーパーソンとなる人物は既に会っており、あのテント内にいる。
事情を伝えれば協力して貰える2人だと思うが、何故そこに彼らではなく俺を連れてきたのかよく分からない。
それにグレイやムシューニたちだって揃っていないし、不足しているものが沢山ありすぎて回収出来るとは思えない。


「………あの、ショウンさん?『矢』のためなら、ムシューニたちも呼んできた方が良いのでは?」


「ん?あぁ、それなら心配あらへんよ」


何が心配ないのか分からず足を止めたショウンさんの背中を見つめれば、いつになく真剣な表情を見せながら急に振り返ったので驚いた。


「ここに『矢』はあって、キーパーソンもおる」


何もない空間を指差しそう言いきったショウンさんは真っ直ぐに俺を見てきた。
そのときの表情が中学三年の頃にスカウトに来た姿と重なった。


「お前さん、俺と同じ高校に来てくれへん?俺にはお前の力が必要やねん」


あのときもこんな表情をしていた。
当時は俺のことなんて必要なくなるくせに、と内心思っていた。
俺の下の学年で先輩が喉から手が出るほど欲しくなる逸材がいることを知っていたし、俺とその人物の相性が良くないことも分かっていた。
何より先輩と俺のやりたいことが根本的に違う方向を向いているのをひしひしと感じていたのだ。
それは中学時代共にプレーをしていたときからか、高校に進学した先輩のプレーを見たときからか分からないが、見ている方向が違うのだと感じた。
勿論、先輩の家族との約束だって忘れた訳じゃない。


「先輩にそんな風に言っていただけるなんて光栄です。ですが、申し訳ありません。俺は先輩のもとへは行きません」
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