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「今も昔も、ね」
その言葉と共に掴まれた腕に力が込められ、ギリッという音が聞こえた。
それに思わず痛っと言ったが力が弛められることはなかった。
「僕とムシューニさんは役職柄いつも話すことが多くてね、部のことやそれ以外の話もよくしていたんだよ。それこそ部活を理由に2人で出掛けることもあった。お前はあったか?」
先輩と2人で出掛けたこと?
そんなものあるわけない。
いつも俺は先輩に怒られていたし、仲良く会話なんてしたことがない。
「ない。あるわけない」
「そうなのかい。それなのにあの人の特別が貰えていたのは、やんちゃをして特別目をかけて貰っていたからかい?それなら僕もそうすれば良かったなぁ」
優等生であったケイトが俺のようになったら、そりゃあ面倒見の良い先輩は心配になってケイトのことを気にするに決まっている。
そして俺にしたようにケイトを導こうとするだろう。
そうすればケイトの望む『特別』な存在になれると思う。
「………そう、かもしれないな」
ケイトが先輩の『特別』な存在になっていたら、俺のことなんか気にも留めなかったのだろう。
将来有望なケイトと邪魔でしかない存在だった俺。
そんなの悩まなくたってどっちに手を差し伸べるか誰だって分かる。
「………なぁ、グレイ。今からでもそうなるのは遅くない、そう思わないかい?」
その言葉と共に掴まれた腕に力が込められ、ギリッという音が聞こえた。
それに思わず痛っと言ったが力が弛められることはなかった。
「僕とムシューニさんは役職柄いつも話すことが多くてね、部のことやそれ以外の話もよくしていたんだよ。それこそ部活を理由に2人で出掛けることもあった。お前はあったか?」
先輩と2人で出掛けたこと?
そんなものあるわけない。
いつも俺は先輩に怒られていたし、仲良く会話なんてしたことがない。
「ない。あるわけない」
「そうなのかい。それなのにあの人の特別が貰えていたのは、やんちゃをして特別目をかけて貰っていたからかい?それなら僕もそうすれば良かったなぁ」
優等生であったケイトが俺のようになったら、そりゃあ面倒見の良い先輩は心配になってケイトのことを気にするに決まっている。
そして俺にしたようにケイトを導こうとするだろう。
そうすればケイトの望む『特別』な存在になれると思う。
「………そう、かもしれないな」
ケイトが先輩の『特別』な存在になっていたら、俺のことなんか気にも留めなかったのだろう。
将来有望なケイトと邪魔でしかない存在だった俺。
そんなの悩まなくたってどっちに手を差し伸べるか誰だって分かる。
「………なぁ、グレイ。今からでもそうなるのは遅くない、そう思わないかい?」
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