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しおりを挟む「待てよ。金が無い、となると……歓楽街、か!?」
二番目の養父と児童相談所から逃げ出した後、琉果は行きずりの男に身を売ってしのいでいたのだ。
今また無一文の琉果は、同じことをする可能性が高い。
「琉果、速まるな!」
拓真は、また駆け出した。
タクシーの行きかう場所まで全速力で走り、その後は車を飛ばさせた。
「警察に捕まらないように、急いでくれ!」
「お客さん、ウチは安全運転が規則の会社で……」
「出来たら、これをやる!」
拓真は後部座席から、帯封も切っていない札束を放り投げた。
「ちょ、お客さ……!?」
「足りないか? まだあるぞ!」
「いや、待って! 降りてくれないかな! お客さん、怪しいよ!」
「怪しくなんかない。私は、こういう者だ」
拓真は、家紋の透かしが入った名刺を差し出した。
絶対に偽造できない、紙幣並みの技術で作られた名刺だ。
「花菱、って。あの、花菱さん!?」
「そうだ。解ったら、早く出してくれ!」
タクシーは、できる限りの高速で走った。
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