恋は突然に愛は永遠に 【若当主アルファ×訳ありオメガ】 ~ツンデレ同士の両片思いは、実るんですか?~

大波小波

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第三十五章 僕は帰らない

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「そうだ、うん。奥の『アヤリーホテル』に、来い」
 琉果と手を握ったまま、客の男は携帯で話している。
(これって、一人分の料金で、数人の相手をさせられるパターンだよね)
 引きが悪かった、と琉果は小さなため息をついた。
 そう考えれば、繋いだ手も逃がさないように捕まえている、というわけだ。
(イヤだよぅ。助けてよ、拓真さん……)
 琉果が鼻をすすったその時、賑やかな雑音に紛れて、自分の名を呼ぶ大声が聞こえてきた。
 いや、声というより、すでに咆哮だ。
「琉果―ッ!」
「拓真さん!?」
 突然に響いた雄叫びに、周囲の人間も琉果の客も、驚いて拓真の方を見た。
 向いたとたんに、客の男は鋭い右ストレートを顔に喰らっていた。
「琉果から離れろー! この痴れ者ぉー!」
 派手に吹っ飛ばされたが、男は立ち上がって来た。

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