アルス・アマトリア ~三角関係? だけど僕たち幸せです!~

大波小波

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 やれやれ、と溜息をひとつついた後、玲は秋也に声をひそめた。
「酔っぱらうと、拓斗は言うこと聞かないよ?」
「ま、まぁ、そうだ」
「だから、さ。秋也、僕にキスしてもいいよ」
「え!?」
「秋也だって、酔ってるじゃん。だったら、できるよね。キス」
「う、うん」
 秋也がキスして見せれば、拓斗は納得するだろう。
 その後、玲が彼を部屋へ連れて帰る、と話はまとまった。
(まとまった。まとまった、のだが。これは……すごい破壊力だ!)
 瞼を伏せて、軽く上を向いて見せる玲が、愛らしすぎる。
 秋也の心臓は、どんどん鼓動が速まってきた。
「拓斗は、こんな感じで玲に触れてたな」
「うん、そうだよ。秋也、がんばれ!」
 何か喋れば気がまぎれると思っていた、秋也だ。
 だがしかし。
 肩を抱いて、思う。
(何て、華奢なんだ)
 髪に触れて、感じる。
(何て、柔らかいんだ)
 そして、近づくにつれ、良い香りがする。
 植村の、キツい香水とは違う、ナチュラルな優しい匂いだ。
「玲……」
 秋也は、ついに玲の唇にキスをした。
(柔らかい。温かい。そして、この感触……途方もなく気持ちいい!)
 のぼせ上りそうになったが、秋也は拓斗より自制心が強かった。
(いかん。俺も酔ってるんだ)
 彼は心の中で、自分で自分を叱りつけた。
 すぐに唇を離すよう、自分の体に命令した。
 だが、ちゃんと言うことを聞くはずの体は、思い通りにならないほどに火照り始めていた。

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