わがまま子息は七回目のタイムリープで今度こそ有能執事と結ばれる! ……かな?

大波小波

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「では、失礼」
 暁斗は、昴の白い頬に手を添えると、そろそろと顔を近づけていった。
 我慢比べだ。
 チキンレースだ。
 どちらかが、怖気づいて顔を逸らすまでの、甘い遊び。
 そしてそれは、絶対に昴の負けだと、暁斗は信じて疑わなかった。
 だが、昴は思いのほか頑張った。
 顔が近付き、鼻にかすり、唇がわずかに触れても、動こうとしない。
 息を詰め、こぶしを握り、長い睫毛を震わせて上を向いたままだ。
 ここまでくれば、こちらから降参するのは逆に失礼というものだろう。
(昴さまは、本当に。私に唇を許す覚悟なんだ)
 いまさら笑ってごまかすなど、この誇り高い主人は許してくれないだろう。
 もしこれが、昴の策略ならば、暁斗は失職する。
 彼の父に告げ口されて、この屋敷を追い出される。
(しかし。この誘惑には、とても勝てそうにない)
 もう、たとえそうなっても構わない、と暁斗は思った。
(この美しい方と、ほんのひとときでも愛し合えるのなら!)
 ついに、二人は触れ合った。
 
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