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しおりを挟む「いよいよ決戦ですね!」
「そろそろ、詩央くんの考えを聞かせてくれないかな」
「それは、まだ後で。安心してください、悪いようにはしませんから」
「よろしく頼むよ」
杏と三村より先に店に入り、彼らの隣の個室へ腰を下ろす。
一度、そっと詩央が部屋から出て行ったが、すぐに戻って来た。
息をひそめて待っていると、三村の声が聞こえてきた。
「何でこんなに、よく聞こえるんだ? 防音してあるはずなのに」
「それは、ここに秘密があります」
詩央が手にしたそれは、超小型スピーカーだった。
「さっき、盗聴器を仕掛けてきました」
「本格的だな」
陽気な声で、三村はご機嫌に喋っているようだった。
『ハッピーバレンタイン、杏くん』
『え? あ、ごめんなさい。僕、三村さんにチョコ持って来ませんでした!』
『そうなの?』
『ホントに、ごめんなさい』
『いいさ。ここでこうして会ってくれてることが、何よりのプレゼントだ』
『すみません』
杏が三村のチョコを準備しなかったことに、真は胸をなでおろしていた。
たとえ義理でも、渡して欲しくない。
「良かったですね、北條さん」
詩央が、小さく肘でつついてきた。
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